転売は違法?逮捕されるケースとチケット・古物営業法のルール

弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士
  

転売は、それ自体が直ちに違法となるわけではありません。

しかし、扱う商品の種類や転売の方法によっては、法律に違反し、逮捕や損害賠償請求といったトラブルに発展するおそれがあります。

近年、フリマアプリやネットオークションの普及により、誰でも手軽に物を売買できるようになりました。

そのような行為の中には、転売行為として法的に問題が生じ得るものがあります。

転売に関係する法律は、古物営業法、チケット不正転売禁止法、商標法など、多岐にわたります。

知らないうちに法律に触れてしまうことのないよう、転売を行う際は、正確な知識に基づいて行うことが重要です。

この記事では、転売が違法になるケースや、転売で成立し得る犯罪と刑罰、損害賠償リスク、安全に転売を行うためのポイントなどを、弁護士が解説します。

転売はすべて違法?「転売ヤー」と「正規の商売」の境界線

転売と聞くと、それだけで違法行為や悪質な行為(不正転売)を連想する方もいるかもしれません。

しかし、転売のすべてが法律で禁止されているわけではありません。

転売の中には、適法に行われている販売行為も多く存在します。

まず、転売とは何かを整理した上で、違法な転売と適法な商売との境界線について解説します。

 

「転売」そのものは原則として違法ではない

転売という行為そのものは、直ちに違法になるものではありません。

そもそも、商品を仕入れて別の相手に販売するという行為は、商売の基本的なやり方です。

たとえば、スーパーマーケットは、メーカーや卸売業者から商品を仕入れて消費者に販売しています。

古本屋やリサイクルショップなども、中古品を買い取って他の客に売ることで利益を得ています。

「安く仕入れて高く売る」は、商売の基本とも言われます。

転売だからといって、それだけで違法ということにはなりません。

もっとも、どのような転売でも自由にできるかというと、それもまた誤りです。

たとえば、中古品を仕入れて反復継続して販売する場合には、古物商の許可が必要になることがあります。

また、チケットの転売についても、一定の条件に当たる場合には、「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(チケット不正転売禁止法)」に違反する可能性があります。

つまり、転売が違法かどうかは、単に「転売かどうか」だけで決まるのではありません。

何を売るのか、どのような方法で売るのか、必要な許可を得ているかなどによって、適法かどうかが変わってくるのです。

 

そもそも「転売」とは?

転売とは、一般に、購入した商品を別の人に再び販売する行為をいいます。

新品か中古品かを問わず、自分が手に入れた物を他人に売る行為は、広い意味では転売に含まれます。

たとえば、不要になった物をフリマアプリで売る行為も、広い意味では転売といえます。

ただし、個人的に不要品を処分する場合と、利益を得る目的で商品を仕入れて販売する場合とでは、問題となる法律や必要な許可の有無が異なることがあります。

一般的な取引として何ら問題のないものも多い一方、態様によっては、法的に不適切な行為となることもあります。

 

「転売ヤー」とは?

「転売ヤー」とは、利益を得るために、人気商品や限定品などを大量に買い占め、それを定価よりも高い価格で転売する人を指す俗称です。

転売ヤーが目をつけるのは、限定商品や新商品のように希少価値が高く、多くの人が欲しがりやすいものであることが多いです。

そもそも、普通に買えるのであれば正規のルートで購入すればよく、わざわざ転売ヤーに対して高いお金を払う理由はありません。

そこで、「多少高くても買いたい」と考える人が現れやすく、利ざやを取りやすいことから、限定品などがターゲットになりやすいのです。

その結果、転売ヤーの買い占めによって、「欲しいのに手に入らない」という事態が生じることがあります。

たとえば、人気ゲーム機やコンサートチケット、限定コラボ商品などが発売直後に買い占められ、正規の価格では手に入りにくくなるケースは少なくありません。

このため、転売ヤーによる買い占め行為は、ニュースやSNSでもしばしば問題視されます。

こうした行為は、法律に違反しない場合でも、メーカーや他の消費者から、モラルに反する行為として強く非難されることがあります。

また、人気が予想されるのに適切な転売ヤー対策を行っていなかった場合、店舗やメーカーなどの販売元に批判が向けられることもあります。

 

「せどり」とは?

「せどり」とは、もともと古本業界で使われていた言葉で、安く仕入れた商品を販売して利益を得る行為のことをいいます。

せどりという言葉は、本の背表紙を見て目利きする「背取り」に由来するとされています。

現在では、古本に限らず、家電製品やゲームソフト、日用品など、幅広い商品を対象としたせどりが行われています。

店舗やネットショップなどで相場より安い商品を見つけ、それをフリマサイトやネットオークションなどで販売して利益を得るのが、せどりの基本です。

せどりと転売ヤーは、市場で仕入れたものを売るという点では共通していますが、ややニュアンスに違いがあります。

転売ヤーは、品薄や希少性を利用して正規の価格以上で売って利益を得ていることから、迷惑な存在としてしばしば煙たがられることがあります。

これに対してせどりは、相場より安い商品や価値を過小に評価されている商品を見つけ出し、その「目利き」によって利益を得ています。

そのため、転売ヤーに比べると批判の対象となりにくい面があります。

もっとも、両者に法律上の明確な線引きがあるわけではありません。

いずれの場合でも、違法行為に該当するかどうかは、具体的な行為の内容に応じて判断されます。

 

「転売ヤー」と「正規の商売」の境界線

「転売ヤー」と「正規の商売」は、法的に厳密な境界があるわけではありません。

ただし、商品の仕入れ方法や、社会での役割といった点で、両者には違いがみられます。

まず、正規の商売は、メーカーや卸売業者などから商品を仕入れ、それを消費者に届けることで流通の一端を担っています。

一般の小売店は、商品を必要とする人に安定して供給する役割を果たしており、社会の中で一定の流通機能を発揮しているといえます。

これに対し、いわゆる転売ヤーは、一般の消費者と同じように市場価格で商品を購入し、それをさらに高い価格で売ることで利益を得ようとするものです。

このような手法は、本来は正規の価格で買えたはずの人に商品が届きにくくなる状況を作り、それを利用して利益を得ていると見ることができます。

転売ヤーの行為は、「仕入れて売る」という点を表面的に見れば、一般の商売と類似しているかもしれません。

しかしそれは、流通を支えるというよりは流通をゆがめる行為に近く、正当な商売とは見られにくいといえます。

もっとも、「転売ヤー」は法律上の用語ではなく、俗称にすぎません。

個々の転売行為が実際に違法となるかどうかは、必要な許認可の有無や、取り扱う商品の種類、販売方法などから、法律に照らして判断されます。

 

 

転売が違法となる5つの主なケース

転売が違法となる5つの主なケース

転売は、その全てが違法ではないとしても、一定の場合には、法律に抵触し刑事罰や損害賠償請求の対象となります。

ここでは、転売が違法となる代表的な5つのケースを取り上げ、それぞれどのような法律に違反するのかを解説します。

 

興行チケットの不正転売(チケット不正転売禁止法違反・迷惑防止条例違反)

コンサートやスポーツの試合のようなイベントのチケットのうち、一定の要件を満たすものは、チケット不正転売禁止法によって不正転売が禁止されています。

この法律は、正式名称を「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」といいます。

規制の対象となるのは、法が定める「特定興行入場券」であり、次のいずれにも該当するものが対象です(チケット不正転売禁止法2条3項)。

参考:特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律|電子政府の総合窓口

  • 興行主の同意のない有償譲渡が禁止され、その旨が券面に表示されていること
  • 興行が行われる日時・場所が特定され、座席(または入場資格者)が指定されていること
  • 販売に際し、購入者または入場資格者の氏名および連絡先を確認する措置が講じられ、その旨が券面に表示されていること

こうしたチケット類は、会場の座席数や開催日程に限りがあるため、需要が高まっても商品のように供給を増やして対応することができません。

そのため、人気が集中すると正規ルートでの入手が難しくなり、転売の対象になりやすいという特徴があります。

通常の商品以上に高額転売による弊害が生じやすいことから、特に法的な規制が設けられているのです。

これらのチケットを興行主の同意なく、販売価格を超える価格で、業として有償で譲渡した場合には、不正転売としてチケット不正転売禁止法に違反します。

さらに、このような行為は、各都道府県の迷惑防止条例によって規制されることがあります。

たとえば、公共の場所や興行場の周辺で、チケットを不当に高い価格で売買したり、売買の相手方を執拗に勧誘したりする行為(ダフ屋行為)は、条例違反となることがあります。

 

偽ブランド品や海賊版の転売(商標権・著作権などの侵害)

偽物のブランド品や、無断で複製されたDVDなどを転売する行為は、商標法や著作権法に違反する可能性があります。

商標法は、商品やサービスに付されるブランド名やロゴなどを、商標として保護しています。

正規品でない商品に有名ブランドの商標を付して販売すれば、商標権侵害として商標法に違反します。

たとえば、海外で購入した偽ブランドのバッグを、ブランド名やロゴが付いたまま国内で販売するといった行為です。

このような場合、自分で偽物を作ったわけではないとしても、商標権の侵害となります。

また、映画やアニメなどのDVD、ソフトウェアなどを権利者に無断で複製・販売すると、著作権法違反の問題が生じます。

こちらも同じく、自分で違法にコピーを作成した場合だけでなく、購入品の転売であっても違法となります。

これらの行為は、刑事罰の対象となるだけでなく、権利者から差止請求や損害賠償請求を受けるおそれもあります。

安く仕入れられるからといって安易に取り扱うことは控え、正規品であることを十分に確認することが重要です。

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商標法違反について

 

許認可が必要な商品の無許可転売(酒類、医薬品、食品など)

日本では、特定の商品を販売するために、法律上の許可や免許が必要とされているものがあります。

こうした商品を必要な許認可なしに販売すれば、法律に違反する可能性があります。

たとえば、酒類を継続的に販売するには、酒類販売業免許が必要です(酒税法9条1項)。

参考:酒税法|電子政府の総合窓口

フリマアプリやネット通販などで酒類を繰り返し販売すると、無免許販売に当たる可能性があります。

また、医薬品については、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」により、必要な許可を受けていない者が販売することはできません。

処方薬はもちろん、一般用医薬品であっても、許可のない個人が販売すれば法律違反となる可能性があります。

さらに、食品についても、販売する内容によっては食品衛生法上の営業許可が必要です。

たとえば、手作りのケーキやクッキー、パンなどを製造して販売する場合には、「菓子製造業」の許可が必要となります。

自宅で作った菓子類を許可なしに販売すれば、食品衛生法違反となるおそれがあります。

また、あらかじめ容器包装された食品を販売する場合には、食品表示法に基づく表示義務も生じます。

このように、転売する商品の種類によっては、法律上の許認可やルールの遵守が必要となるケースがあります。

売れるからといって無闇に転売するのではなく、扱おうとしている商品にどのような規制があるのかを、事前に確認することが重要です。

 

商品を偽って販売する行為(詐欺罪)

商品の内容や状態について虚偽の説明を行い、購入者を騙して代金を支払わせた場合には、詐欺罪が成立する可能性があります(刑法246条1項)。

参考:刑法|電子政府の総合窓口

たとえば、偽物のブランド品を本物であると偽って販売するケースがあります。

この場合、商標法違反だけでなく、購入者を欺いて代金を支払わせたものとして、詐欺罪にも該当し得ます。

また、商品の状態について虚偽の表示を行うケースも問題となり得ます。

たとえば、以下のような行為は絶対に控えましょう。

  • 実際には使用感がある中古品を「新品同様」と偽って販売する
  • 動作不良のある電子機器を「完動品」と記載して販売する

このような説明によって購入者が状態を誤信し、その結果として代金を支払った場合には、詐欺罪が成立する可能性があります。

商品販売に携わる場合は、転売に限らず、実際の内容や状態に応じて正確に説明することが重要です。

 

盗品の転売(盗品等関与罪)

万引きや窃盗などの犯罪によって入手された商品(盗品)を、それと知りながら買い受け、保管、販売あっせん等する行為は、盗品等関与罪という犯罪になります(刑法256条)。

刑法は盗品について、譲り受け、運搬、保管、有償での処分あっせん等の行為を処罰の対象としています。

転売で盗品を扱うと、盗品等関与罪が成立するおそれがあります。

たとえば、異常な安値で大量の買取りを持ちかけられたような場合など、盗品の可能性を疑うべき場面があります。

もちろん、盗品であることを本当に知らなかったのであれば罪にはなりません。

しかし、盗品の可能性を認識することができたと判断される場合には、盗品等関与罪が成立する可能性があります。

目先の安さにつられて、出所の不明な商品を転売で扱うことは、思わぬ形で法律違反となるおそれがあるのです。

 

 

転売で成立し得る犯罪と刑罰のまとめ【一覧表】

以上のように、転売に関連して成立し得る犯罪はさまざまです。

主なものとして、転売では以下のような犯罪が成立する可能性があります。

法律 行為 罰則
古物営業法違反 古物商許可を受けずに、古物の売買を業として行う 3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
買受け時の本人確認義務違反、帳簿等への記録・備付け義務違反など 6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金
チケット不正転売禁止法違反 特定興行入場券の不正転売、又は不正転売目的での譲受け 1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又は併科
迷惑防止条例違反(ダフ屋行為) 条例で禁止された態様でチケット等を高額転売・客引きする行為 都道府県ごとに異なる。東京都では、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(常習は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)
商標法違反 偽ブランド品の販売など、商標権を侵害する行為 10年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金、又は併科
著作権法違反 海賊版DVD・ソフトウェア等の販売など、著作権を侵害する行為 10年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金、又は併科
不正競争防止法違反 模倣品販売 5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金、又は併科
刑法(詐欺罪) 偽物を本物と偽る、故障品を完動品と偽るなど、相手をだまして代金を支払わせる 10年以下の拘禁刑
刑法(盗品関与罪) 盗品と知りながら無償で譲り受ける 3年以下の拘禁刑
盗品と知りながら買い取る、保管する、運ぶ、売却をあっせんする 10年以下の拘禁刑及び50万円以下の罰金
酒税法違反 酒類販売業免許を受けずに酒類販売業を行う 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
薬機法違反 必要な許可なく医薬品を販売する 3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又は併科
食品衛生法違反 営業許可が必要な食品営業を無許可で行うなど 2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金
食品表示法違反 原産地等の虚偽表示をした食品を販売するなど 2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金

このように、転売で問題となるのは、古物営業法だけではありません。

取り扱う商品の種類に応じて、法令を個別に確認する必要がある点に留意してください。

 

 

転売で損害賠償等請求される主なケース

転売で損害賠償等請求される主なケース

転売で生じるリスクは、刑事罰だけにとどまりません。

不適切な転売によって他人の権利を侵害した場合、民事上の損害賠償請求を受けるケースもあります

ここでは、転売によって損害賠償等を請求される主なケースを解説します。

 

ブランドやメーカーの商標権・著作権を侵害したケース

偽ブランド品や海賊版などを販売した場合、商標権や著作権を保有する企業から、差止請求や損害賠償請求を受ける可能性があります。

たとえば、ブランドのロゴが付いた偽物のバッグや財布を販売した場合には、商標権侵害となる可能性があります。

このような行為は、権利者が築いてきたブランド価値を害し、正規品の販売機会を奪うものといえます。

そのため、権利者から権利侵害として損害賠償を請求されることがあるのです。

著作権侵害についても、同様です。

無断で複製されたDVDやソフトウェアなどを販売した場合には、権利者から差止請求や損害賠償請求を受けることがあります。

このような場合、まず侵害商品の出品や販売の差止めを求めた上で、すでに販売された分について損害賠償を請求してくることがあります。

損害賠償額は、侵害者が得た利益や、権利者が被った損害を基礎として算定されます。

 

メーカーやプラットフォームの規約に違反したケース

人気商品や限定品では、販売元が、購入時の条件として転売目的での購入を禁止していることがあります。

たとえば、メーカーの自社ECサイトなどで、転売目的での購入は認めない旨の条件が設けられているケースがあります。

このような条件に同意したうえで購入し、その後に転売した場合には、契約違反として違約金を請求される可能性があります。

転売禁止の表示があるからといって、それで直ちに違約金の請求が認められるわけではありません。

実際に責任が認められるかどうかは、規約の内容、同意の有無、損害の有無などによって変わります。

ただし、最終的に請求が認められるかどうかは別としても、そのような請求を受け、対応を迫られること自体が、負担やリスクになり得ます。

また、メルカリやAmazonなどのプラットフォームでは、出品にあたって一定のルールが設けられています。

たとえば、法的に問題のあるものや、トラブルが想定されるものについては、出品が禁止または制限されている場合があります。

こうしたルールに反して出品を行った場合には、商品の削除、取引のキャンセル、アカウントの利用制限などの措置を受けることがあります。

さらに、違反の内容によっては、規約に基づいて損害賠償責任が生じる可能性もあります。

 

欠陥品や偽物を販売して購入者に損害を与えたケース

転売した商品が偽物であった場合や、欠陥のある商品を販売して購入者に損害を与えた場合には、購入者から返金や損害賠償を求められるリスクがあります。

たとえば、ブランド品だと思って販売した商品が実際には偽物であった場合には、購入者から代金の返還を請求される可能性があります。

また、商品に欠陥があり、説明どおりの品質や性能を備えていなかった場合にも、契約上の責任を問われることがあります。

さらに、欠陥のある商品によって購入者が損害を被った場合には、賠償責任が生じることもあります。

たとえば、安全性に問題のある機器を転売し、購入者が怪我を負った場合などです。

このような場合、常に販売者が責任を負うわけではありません。

しかし、商品の状態や販売時の説明内容によっては、損害賠償責任を負う可能性もあります。

このような事態を防ぐためにも、仕入れる商品の品質を慎重に確認することが重要です。

 

 

あなたの転売はOK?NG?チェックリストで診断

転売を適切に行うためには、注意すべきポイントがあります。

自分の転売行為に問題がないかは、下記の点をチェックすることで簡易的に確認することができます。

次の項目に1つでも当てはまる場合は、法的な問題が生じるおそれがあるので注意してください。

これらに1つでも当てはまる場合は、古物営業法をはじめとする各種の法律違反となるおそれがあります。

そのまま販売を続けるのではなく、どの点にリスクがあるのかを確認し、必要に応じて早めに専門家へ相談することが重要です。

 

 

違法な転売を行うリスクやデメリット

違法な転売を行った場合に被る不利益は、刑事罰だけにとどまりません。

経済的な損失から社会的信用の喪失まで、その影響は広範囲に及びます。

ここでは、違法な転売に伴う具体的なリスクやデメリットを解説します。

 

逮捕されるリスク

違法な転売行為が発覚した場合、逮捕され、身体拘束を受ける可能性があります

身体拘束を受けると、留置場での生活を余儀なくされ、日常生活は大きく制限されます。

その間、仕事や学校などを休まざるを得なくなり、家族や勤務先に事情を知られるきっかけにもなります。

また、逮捕されると取調べへの対応が必要となり、精神的な負担も小さくありません。

たとえ最終的に不起訴になったとしても、逮捕や身体拘束によって受けた不利益がなくなるわけではありません。

違法な転売を行うと、単に刑罰を科されるにとどまらず、身柄を拘束されること自体が重大な不利益になり得るのです。

 

高額な損害賠償を請求されるリスク

違法転売では、刑事罰を受けるリスクとは別に、民事上の損害賠償を請求される可能性もあります

不適切な転売で他人の権利を侵害した場合、商標権や著作権を有する権利者や、欠陥品や偽物を買わされた購入者などから、損害賠償を請求されることがあります。

特に、知的財産権を侵害した場合には、侵害者が得た利益や権利者が被った損害を基礎として、賠償額が算定されます。

そのため、販売数や売上が大きいほど請求額も高額になりやすいです。

また、偽ブランド品のように、本来の商品自体の価値が高いものを扱っていた場合には、それだけ損害額も大きくなりやすいです。

たとえ個人による小規模の転売であっても、重い金銭的負担を負う可能性があります。

このように、違法な転売では、刑事事件としての処分だけでなく、別途、民事上の賠償責任という重い経済的負担が生じるおそれがあります。

 

フリマサイトやECサイトのアカウントが停止されるリスク

メルカリやAmazon、ヤフオク!、ラクマなどのプラットフォームでは、利用規約や出品ルールに違反した場合、アカウントの利用停止や制限の措置が取られることがあります。

アカウントが停止されると、それ以上取引を続けることができなくなり、販売活動に支障が生じます。

プラットフォームによっては、売上金の振込やアカウントの再開に制限がかかることもあります。

特に、本人確認が必須のサービスでは、同一人物の再登録は認められない可能性もあります。

一度アカウントが制限の対象になると、そのプラットフォームでの販売継続や再開が難しくなる場合があります。

転売をプラットフォーム上で行っている場合、アカウントの停止は、単に一時的な不利益にとどまらず、販売手段そのものを失うリスクになり得ます。

 

無申告が発覚した際の追徴課税リスク

転売で得た利益は、所得として確定申告の対象となります。

給与所得者であっても、給与所得や退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合には、原則として確定申告が必要です。

転売による利益を申告しないまま放置すると、税務調査などによって申告漏れが発覚する可能性があります。

この場合、本来納めるべき税額に加えて、無申告加算税や延滞税が課されることがあります。

さらに、仮装や隠蔽があると判断された場合には、重加算税が課されることもあります。

「個人の取引だから申告しなくてよい」と考えるのは危険です。

転売で継続的に利益を得ている場合は、適切に確定申告を行う必要があります。

 

 

メルカリ・Amazon・転売クエストでの転売リスクとトラブル対策

転売を行う場としてよく利用されるのが、メルカリやAmazonといったプラットフォームです。

また、転売クエストのような転売支援サイトを参考にしながら商品選定や販売方法を検討するケースもあります。

このようなプラットフォームやサイトは転売を行う上で便利である反面、リスクも伴います。

 

メルカリにおける転売リスクと注意点

メルカリは、個人間取引のプラットフォームとして多くのユーザーに利用されています。

転売に利用することもできますが、ルールに十分注意する必要があります。

たとえば、メルカリでは、出品者の手元にない商品の出品や、メルカリ以外のECサイト等から購入者に直接商品を発送させる行為が禁止されています。

そのため、注文を受けてから仕入れる、いわゆる無在庫転売は規約違反となります。

また、商品説明や画像から商品の詳細が分からない出品や、実際の商品内容と異なる説明をする出品も問題となります。

メルカリでは、取引の当事者同士で相互に評価する仕組みがあります。

説明不足や発送トラブルが重なると、低い評価が積み重なり、その後の取引にも悪影響が及びます。

メルカリを利用して販売する場合は、法律上の問題がないことはもちろん、プラットフォーム独自の禁止事項や出品ルールにも注意することが重要です。

 

Amazonにおける転売リスクと注意点

Amazonは、通販サイトとして広く利用されていますが、マーケットプレイスという形で、利用者が販売者として商品を出品することもできます。

そのため、転売の場として利用されることもあります。

ただし、出品に当たっては、Amazon独自のルールや審査に注意が必要です。

たとえば、出品している商品が真正なものであるか疑義が生じた場合、Amazonから請求書や領収書など、仕入れの根拠資料の提出を求められることがあります。

正規の仕入れ先からのものであることを示せない場合、商品の出品停止やアカウント停止などの措置が取られる可能性もあります。

また、ブランドの権利者から知的財産権侵害の申立てが行われた場合には、商品の出品停止や、アカウントへの利用制限が行われることがあります。

その場合、アカウントの再開に追加資料の提出を求められたり、売上金が保留扱いになって支払いが停止されたりすることがあります。

転売を行う際は、正規の仕入れルートを確保し、請求書や領収書などの証拠書類を日頃から保管しておくことが重要です。

 

転売クエスト等の利用リスクと注意点

転売クエストをはじめとする転売支援サイトやツールは、転売に関する情報収集や作業の効率化に用いられます。

このような支援サイトやツールのリスクには、大きく分けると、「情報が正しいとは限らないリスク」と、「利用が規約違反になるリスク」の二つがあります。

たとえば、相場確認や利益計算を行うタイプのものは、商品の相場や想定利益を把握するための参考にはなりますが、情報が常に正確とは限りません。

表示された価格で実際に売れるとは限らず、鵜呑みにして仕入れてしまうと、在庫を抱えたり、赤字になったりするおそれもあります。

これに対し、自動出品機能を伴うツールについては、使い方によってはプラットフォームの利用規約に抵触するリスクがあります。

たとえば、他サイトの商品情報を取り込んで自動で出品するといった使い方をすると、注文が入ってから物を調達する無在庫販売に近い形になります。

そのため、プラットフォームによっては、手元にない商品の出品を禁じるルールに触れるおそれがあります。

このように、支援サイトやツールは便利ではあっても、その情報や機能をそのまま使ってよいわけではありません。

サイトやツールの仕組みを見極めた上で、適切に利用することが重要です。

 

トラブルを防ぐための事前対策

どのプラットフォームを利用する場合でも、購入者とのトラブルを防ぐために意識すべきポイントがあります。

まず大切なのは、商品説明を正確かつ具体的に記載することです。

商品の状態や、付属品の有無、使用期間、傷や汚れの有無など、購入の検討に必要な情報は、できるだけ詳しく記載することが望ましいです。

また、できるだけ現物の状態に近い写真を掲載することも効果的です。

説明があいまいだったり、写真と実物に差があったりすると、販売後に「思っていたものと違う」というクレームにつながりやすくなります。

さらに、発送の記録は必ず残しておくべきです。

個人間の売買においても、「商品が届いていない」といったトラブルが生じることがあります。

発送日や発送方法、追跡番号などが分かる状態にしておけば、こうしたトラブルが生じた際にも、発送の有無や配送状況を確認しやすくなります。

その他にも、仕入れの記録や購入者とのやり取りの記録などもできる限り残しておくことで、トラブル対応の際の根拠資料となります。

購入者からの問い合わせやクレームには、できるだけ早く誠実に対応することが重要です。

初動が遅れたり、対応が雑だったりすると、本来は小さく済んだはずの問題が大きくなってしまうこともあります。

 

 

転売で逮捕される?実際の事例を紹介

転売は、不適切なやり方で行った場合、さまざまな法律に抵触して違法となるおそれがあります。

実際に、転売で逮捕された事例もあるため、決して軽く考えることはできません。

事例 チケットの転売
【不正転売】長岡花火チケットの“高額転売”で男逮捕 4枚1万4000円を約5倍の価格で販売か 逮捕の決め手は“記名式”チケット不正転売禁止法違反の疑いで逮捕されたのは、長岡市百束町に住む農家の男(47)だ。男は25年7月下旬、2回にわたって県外在住の50代男性と20代女性に対し、特定興行入場券である長岡まつり大花火大会の入場券4枚を、販売価格を大きく超える7万2000円で不正転売した疑いが持たれている。警察によると、転売したチケットは長岡市民向け先行販売の8月3日のベンチ席のもので、正規価格は1枚3500円。4枚で1万4000円だが、男は正規価格の約5倍となる7万2000円で転売。5万8000円の利益を得ていたという。

引用:FNNプライムオンライン 2025年11月30日

事例 うがい薬の転売
うがい薬をネットで無許可販売したとして、京都府福知山署は20日、岡山市中区在住のA容疑者(55)を医薬品医療機器法(薬機法)違反の疑いで逮捕した。うがい薬の転売による逮捕者は全国初という。A容疑者は9月4日から7日にかけて、自らが運営するAmazonマーケットプレイスのショップで、うがい薬6個を無許可で販売した疑い。店頭価格の5倍から6倍の価格で販売し、計2万6180円の売り上げを得た。京都市内や岡山市内の20代から70代の男性4人が購入したという。福知山署はネット上のサイバーパトロールで摘発した。A容疑者は容疑を大筋で認めており、「大阪府の発表を機に転売目的で購入した」などと供述しているという。福知山署は余罪があるとみて、入手経路などについて詳しく捜査している。うがい薬を巡っては、8月に大阪府の吉村洋文知事が新型コロナ対策として推奨したことなどからドラッグストアなどの店頭で品切れが相次ぎ、フリマサイトなどでの高額転売が問題となっていた。

引用:ITmedia NEWS 2020年10月21日

 

 

「せどり」を副業にするなら必須!古物営業法のルール

せどりを副業として始める場合に重要となる法律が、古物営業法です。

この法律を知らずにせどりを続けると、知らないうちに法律違反を犯してしまうおそれがあります。

 

古物営業法とはどのような法律か

古物営業法は、盗品等の流通を防止し、その発見を容易にすることなどを目的とする法律です。

盗品を簡単にさばけてしまえる土壌があると、窃盗を誘発することにもなりかねません。

そこで、この法律では、古物を業として売買する者に許可を受けさせた上で、本人確認や取引記録の保存などを義務づけ、盗品の流通防止や発見につなげようとしています。

せどりにおいて重要なのは、「古物」を「業として」売買する場合には、この法律に基づく許可が必要になるという点です。

 

「古物」の意味

古物とは、一度使用された物品や、使用されていなくても使用のために取引された物品をいいます。

古物は、「中古品」と厳密にはイコールではありません。

たとえ未使用品であっても、いったん誰かが自分で使うために購入した物(いわゆる新古品)であれば、法的には古物となります。

見た目には新品と変わらない商品であっても、古物営業法上は「古物」として扱われることがあります。

 

「業として」の意味

「業として」とは、営利の目的をもって反復継続して行うことをいいます。

一般的に、自分でいくらか使用した物を中古品として売る場合には、プレミアがついているといった特殊な事情がない限り、買値よりも安い販売額となるのが基本です。

自身の不要品を処分する程度であれば、出品が複数に及んだとしても、営利目的にはあたりづらいのが一般的です。

また、たまたま高く売れて利益が生じたとしても、それが一回きりであれば、反復継続しているとはいえません。

他方で、買値に利益を上乗せした販売を継続的に行っているのであれば、「業として」の営業に当たります。

 

罰則

必要な許可を得ないで古物営業を行った場合、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金が科されます(古物営業法31条1号)。

参考:古物営業法|電子政府の総合窓口

 

古物商許可の申請方法

古物商許可は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署を通じて申請します。

申請に当たっては、申請書のほか、住民票の写し、身分証明書、略歴書、誓約書などの提出が必要です。

申請手数料は、19,000円です。

許可が下りるまでの期間は、各都道府県の公安委員会が目安を定めています。

たとえば、東京都や大阪府では、おおむね40日程度が標準処理期間とされています。

 

許可の要件

古物営業の許可を得るには、欠格事由に当たらないことが必要です。

主な要件としては、次のようなものがあります(古物営業法4条)。

  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者ではないこと
  • 拘禁刑以上の刑又は窃盗等の一定の犯罪により罰金刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者ではないこと
  • 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれがある者ではないこと
  • 暴力団対策法上の一定の命令又は指示を受け、その日から3年を経過していない者ではないこと
  • 住居の定まらない者ではないこと
  • 過去に古物営業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過していない者ではないこと
  • 営業所ごとに、営業を適正に管理できる管理者を置くこと

これらの要件を満たさない場合には、申請しても古物商許可は下りません。

 

許可取得後に守るべきルール

古物商許可を取得した後にも、守るべきルールがあります。

まず、古物を買い受ける際には、原則として取引相手の確認が必要です。

また、盗品など不正品の疑いがある物を発見した場合には、警察へ申告する義務があります。

さらに、買い受けた古物については、取引の内容を帳簿等に記録し、保存しなければなりません。

取引相手の確認、不正品の申告、帳簿等への記録の3つの義務を合わせて、「防犯三大義務」といいます。

このように、古物商許可は、取得して終わりではありません。

許可を取得した後も、古物営業法に沿った形で営業を続ける必要があります。

 

ワンポイント:副業でも古物営業法は無関係ではない

せどりを副業として行う場合、「許可を得るほど大げさなものではない」と思ってしまうかもしれません。

しかし、許可の要否は、「古物を業として売買するか」という点で決まってきます。

たとえ副業であっても、古物を営利目的で反復継続して販売するのであれば、古物営業法の対象となります。

「副業だから」「個人だから」と考えて許可を取らずに続けるのではなく、自分の取引が古物営業に当たるかを早い段階で確認しておくことが重要です。

 

 

転売ビジネスを安全に行うには?

転売ビジネスを安全に行うには?

転売ビジネスを適法に進めるためには、いくつかの気を付けるべきポイントがあります。

リスクをできるだけ抑えながら安全に転売を行うには、次のような点を押さえるようにしましょう。

 

必要な許認可を事前に取得しておく

転売を行うに当たっては、必要な許認可がないかを事前に確認し、取得しておくことが重要です。

たとえば、中古品や新古品に当たる物を業として売買するのであれば、古物商許可が必要になります。

その上で、取り扱う商品の種類によっては、それとは別に個別の許認可が必要になることがあります。

たとえば、酒類を継続して販売するには、酒類販売業免許が必要です。

一般用医薬品を販売するには、薬局又は店舗販売業の許可が必要です。

このように、転売では、古物商許可以外にも商品ごとに別の許可が必要になることがあります。

違法な転売とならないよう、営業を開始する前に、自分の扱う商品にどのような許認可が必要かを確認しておくことが重要です。

 

信頼できる仕入先・商品を選ぶ

仕入れる商品の品質や本物であるかを慎重に確認することは、転売を行う上で欠かせません。

偽物や盗品を仕入れてしまうリスクを下げるためには、信頼できる仕入先を選ぶことが重要です。

正規の卸売業者や、実績のある店舗から仕入れることで、問題のある商品を扱ってしまうリスクを抑えやすくなります。

一方、出所が不明な商品や、相場から大きくかけ離れた安価な商品には手を出さない方が安全です。

また、ブランド品を扱う場合は、本物を見極める知識を身につけたり、必要に応じて専門の鑑定サービスを利用したりすることも効果的です。

 

正確な商品説明やコンディション表示を行う

商品を販売する際には、その状態や仕様について正確に表示することが不可欠です。

虚偽の商品説明は、購入者とのトラブルを生じさせるおそれがあるだけでなく、法律違反となることもあります。

特に、転売を継続的・事業的に行っている場合には、商品説明の内容が、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)上の不当表示として問題になることもあります。

景品表示法は、事業者が自己の供給する商品やサービスについて、消費者に誤認を与える不当な表示を禁止する法律です。

禁止される不当な表示には、優良誤認表示と有利誤認表示があります。

優良誤認表示とは、商品の品質、規格その他の内容について、実際よりも著しく優れているように見せる表示をいいます。

たとえば、中古品であるにもかかわらず「新品」と表示したり、動作に問題がある商品を「完全動作品」と記載したりする行為は、優良誤認表示となり得ます。

一方、有利誤認表示とは、価格その他の取引条件について、実際よりも著しく有利であるように見せる表示をいいます。

たとえば、以下のようなものが有利誤認表示にあたります。

  • 実際には特別に安くないのに「今だけ最安値」と表示する行為
  • 条件付きの価格であるのに、その条件を明示せずに有利な価格であるかのように見せたりする行為

売れやすくするために見栄えのよい表現を使いたくなるかもしれませんが、こうした不当表示にならないよう、商品の状態や条件は正確に記載することが重要です。

 

プラットフォームの規約を遵守する

メルカリや、Amazon、ヤフオク!など、転売で利用するプラットフォームには、それぞれ固有の利用規約が設けられています

規約に違反すると、出品削除やアカウント停止、売上金の保留といったペナルティを受けるおそれがあります。

各プラットフォームの規約は、利用者側が内容を把握していることを前提として運用されます。

規約の理解があいまいなまま出品や販売を続けると、思わぬ規約違反につながることがあります。

 

領収書・仕入記録・発送記録など取引の証拠を保管する

転売ビジネスにおいては、取引に関する記録を確実に保管しておくことが重要です。

仕入れの際の領収書やレシート、商品の写真、発送の控え、購入者とのメッセージのやり取りなど、取引に関する記録はできるだけ保存しておくべきです。

これらの記録があれば、万が一トラブルが生じた場合でも、仕入れの有無、商品の状態、発送の事実、購入者とのやり取りの経過などを示しやすくなります。

また、Amazonなどで出品が本物であるかの確認が行われた際のように、プラットフォーム側から仕入れの証拠を求められた場合にも、対応しやすくなります。

さらに、確定申告の際にも仕入れや経費の記録が必要になるため、税務上の観点からも、記録の保管は重要です。

 

 

転売トラブルで警察沙汰や損害賠償請求を避けるために

転売に関するトラブルは、初期の段階で適切に対処すれば、刑事事件や訴訟に発展することを防げるケースも少なくありません。

ここでは、特に注意すべき2つの場面について解説します。

 

企業・メーカーからの「商標権侵害」や「警告書」への対応

偽ブランド品や模倣品などを転売していた場合、権利者であるブランドやメーカーから、商標権侵害を指摘する警告書が届くことがあります

このような警告書は、侵害行為の停止や、在庫の廃棄、損害賠償金の支払いなどを求める内容であることが多いです。

警告書を受け取った場合、まず重要になるのは、無視しないということです。

警告書を放置して対応せずにいると、権利者側が差止請求や損害賠償請求、訴訟などの法的手続に進む可能性があります。

一方で、警告書の内容にすべて無条件で応じればよいというわけでもありません。

権利者側の主張が過大であったり、法的根拠に疑問がある場合もあります。

警告書を受け取ったら、速やかに弁護士に相談し、適切な対応方針を決定することが重要です。

 

もし警察から連絡が来たら?弁護士に依頼するメリット

転売行為に関連して、警察から任意の事情聴取を求められたり、場合によっては逮捕に至ったりすることもあります。

このような事態に直面した場合には、できるだけ早い段階で弁護士に依頼することが重要です。

弁護士に依頼することで、取調べや事情聴取にどう対応すべきかについて助言を受けることができます。

専門家の助言を得ずに不用意な説明や発言をしてしまうと、その後の手続に影響することがあります。

そのため、警察から連絡が来た場合は、できるだけ早い段階で弁護士のサポートを受けることが重要です。

また、事案の内容によっては、不起訴処分を目指した弁護活動や、被害者との示談交渉が必要になることもあります。

早期に弁護士が関与することで、状況に応じた適切な対応を取りやすくなります。

刑事事件における弁護士選びの重要性については、以下のページをご覧ください。

 

 

転売(リセール)に関するよくある質問(Q&A)

Switch2の転売は違法になる?

Nintendo Switch2の転売は、それ自体が直ちに違法となるわけではありません。

ただし、Nintendo Switch2は、発売前から人気集中が予想されていた商品です。

任天堂も、抽選販売や購入条件の設定、購入数の制限などの転売対策を講じていました。

また、メルカリ等の事業者と連携し、利用規約に違反する不正な出品行為に対する削除対応や情報共有などの対策を進めています。

このように、Switch2の転売は違法ではないものの、少なくとも問題視されて対策が取られているとはいえます。

転売の態様によっては、出品削除やアカウント対応などの措置を受ける可能性もあるため、法的リスクだけでなく、プラットフォーム上のルールにも注意が必要です。

 

備蓄米の転売は違法になる?

備蓄米を含む米の転売は、一定の場合には違法になります。

たとえば、米の高騰を受け、令和7年6月から令和8年1月まで、国民生活安定緊急措置法に基づく米の転売規制が実施されていました。

具体的には、一般消費者が、小売事業者から購入した米を、取得価格を超える価格で不特定又は多数の者に転売することが禁止されていました。

また、そのような規制がない時期であっても、米を事業として販売する場合には、「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律(米トレーサビリティ法)」に基づき、取引等の記録の作成や産地情報の伝達等の義務が生じます。

米の転売は、どのような規制が課せられているかを慎重に判断して行う必要があります。

 

ハッピーセットの転売は違法ですか?

ハッピーセットのおもちゃを転売すること自体は、原則として違法ではありません。

ただし、古物商許可を持たずに反復継続して利益目的で転売している場合は、古物営業法に違反するおそれがあります。

また、ハッピーセットは、人気キャラクターとのコラボなどによって需要が高まった際に、転売の対象となることがよくあります。

マクドナルド側も、営利目的での購入を控えるよう呼びかけており、買い占めや大量購入を伴う転売は、批判の対象となりやすいです。

個人が不要なものを数点売る程度であれば問題にはなりにくいですが、このような背景を理解しておく必要があります。

 

チケット転売サイトで購入するのは違法ですか?

チケット不正転売禁止法が直接規制しているのは、チケットの不正転売と、不正転売目的での譲受けです。

そのため、転売サイトでチケットを購入したとしても、不正転売目的でない限り、同法により処罰されることはありません。

ただし、近年は入場時の本人確認が厳しくなっており、転売されたチケットでは入場できないことがあります。

チケットが無効にならないよう、公式のリセールサービスを利用するようにしましょう。

 

 

まとめ

この記事では、転売が違法になるケースや、転売で成立し得る犯罪と刑罰、損害賠償リスク、安全に転売ビジネスを行うためのポイントなどを解説しました。

記事の要点は、次のとおりです。

  • 転売そのものは原則として違法ではないが、扱う商品の種類、販売方法、許認可の有無によっては、法律に抵触する。
  • 違法な転売を行った場合、刑事罰だけでなく、高額な損害賠償や、アカウント凍結、社会的信用の喪失など、広いリスクを負う。
  • 転売ビジネスを安全に行うためには、必要な許認可の取得、商品の確認、正確な商品説明、プラットフォーム規約の遵守、取引記録の保管などが不可欠である。
  • 転売に関するトラブルが発生した場合は、自己判断で対処せず、早期に弁護士に相談することが重要である。

当事務所は、刑事事件のご相談の予約に24時間対応しており、LINEなどのオンライン相談を活用することで、全国対応も可能となっています。

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なぜ刑事事件では弁護士選びが重要なのか

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