刑事事件の慰謝料とは?弁護士が相場や示談の流れを解説

  
弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  保有資格 / 弁護士

弁護士の回答

刑事事件の慰謝料は、被害の程度、悪質性等の事案の内容や被害者の心情を考慮して判断することとなります。

 

刑事事件における慰謝料

刑事事件における慰謝料とは、犯罪被害者の精神的苦痛を金銭に換算するものです。

ところが、犯罪被害者の「精神的な傷つき具合」は、目に見えないため、それを量的に図ることは困難といえます。

また、刑事事件の場合、犯罪の種類が多種多様です。

例えば、強姦罪などの重大なものから、痴漢、強制わいせつ、暴行罪、盗撮、器物損壊、傷害罪などの犯罪があります。

同じ罪名でも、被害の程度はまったく異なります。例えば、傷害罪と一口いっても、寝たきりになるような重症案件から全治1週間程度の軽い怪我では精神的苦痛は異なるといえます。

さらに、刑事事件では、犯罪被害者の被害感情も、慰謝料の示談交渉の額に大きく影響します。

なぜならば、刑事事件において、示談交渉のパワーバランスは圧倒的に犯罪被害者が強いからです。

すなわち、犯罪者としては、示談の成否が今後の量刑に大きく影響する可能性があるため、少々高額でも何とか示談を成立させたいと考えます。

ところが、犯罪被害者は、そもそも示談するかしないかは自由です。

犯罪者を憎む気持ちが強い場合、いくら高額な慰謝料を提示されても受け入れてくれない可能性もあります。

このような刑事事件の性質からすると、示談成立のための慰謝料は「正解がない」といえます。

 

 

刑事事件においての示談交渉の方法

では、まったく相場がないかと言えばそうではありません。

刑事事件を専門に扱う弁護士であれば、具体的な事案において、「この程度が妥当」という感覚があります。

したがって、慰謝料の相場については、刑事事件を多く扱う弁護士に相談されるのが1番です。

また、示談交渉は、慰謝料の額について見通しを立てるだけでは成功しません。

より大切なことは、犯罪被害者との交渉の「方法」です。

すなわち、示談交渉は駆け引きが必要です。

いくら弁護士といえでも、初っ端から高額な慰謝料を提示して、うまくまとまることは稀です。

反対に、提示額が低額すぎても問題があります。例えば、慰謝料として 300万円程度が妥当な事案があったとします。犯罪被害者の知識がないことを良しとして、「30万円が相場です。」などと伝えて示談したとします。

このような場合、後から犯罪被害者が「納得していない」旨の内容の上申書が検察官に提出されることがあります。刑事裁判では、示談していても、裁判官に決していい印象を与えないでしょう。

真の問題解決のために大切なことは、犯罪者、犯罪被害者双方にとって、適切な額の慰謝料での示談を成立させることです。

 

 

 

刑事事件の示談の流れ

被害者がいる犯罪の場合、示談の成否は刑事事件の処分が決められるにあたって重要な意味を持つことが多くあります。

しかしながら、直接連絡を取ろうと考えても、被害者が連絡先を教えてくれないというケースがほとんどです。

警察官や検察官も直接の交渉はほとんど勧めません。

ところが、弁護士に依頼をし、被害者の連絡先を弁護士限りの情報とすることを条件に示談交渉の申し入れを行えば、連絡先を教えてくれる可能性も出てきます。

刑事事件で示談をしたいと考えて弁護士に依頼をした後の流れとして、まずは弁護士が、検察官や警察官に対して、被害者に謝罪や賠償をしたい旨の連絡をします。

その連絡を受けて、検察官は被害者に弁護士と連絡を取るつもりがあるか、連絡先を教えても構わないかの意思確認を行います。

被害者が連絡を取っても構わないと考えてくれた場合は、検察官を経由して、弁護士に被害者の連絡先が伝えられ、示談交渉が始まります

 

 

刑事事件で示談しないとどうなる?

⑴ 刑事事件の流れ

事件が発生した後、どのような流れを辿るかは在宅捜査となるか、逮捕勾留といった身体拘束を伴う強制捜査となるかによって大きく異なります。

逮捕勾留された場合は、最長3日間の逮捕手続き、延長を含めて最大20日間の勾留期間の間に捜査機関による取り調べが行われ、起訴か不起訴かを検察官が判断します。

そして、起訴されてしまった場合には、裁判で有罪無罪を争ったり、有罪を前提としても執行猶予付きの判決を求めたりといった流れを辿ります。


 

⑵起訴される可能性がある

被害者がいる犯罪の場合、示談の成否によって検察官の判断が変わるケースが多く存在します。

すなわち、被害者が許してくれているのであれば、刑事処罰を与える必要もないと考えてもらえて、不起訴処分となる可能性を高めることが出来ます。

その一方で、示談が出来なかった場合、依然として刑事処罰を与える必要性があると考えられ、起訴されてしまうことも十分考えられます。

⑶ 民事上の賠償責任が残る

刑事事件の中で示談を行わなかったとしても、被疑者が行なった行為によって、被害者に損害が生じている場合には、不法行為(民法709条)として民事上の賠償責任が残ることがあります。

刑事事件が終わったとしても、被害者が損害賠償請求をすると決めた場合には民事事件として、また長い間事件と付き合っていかなければなりません。

問題が長期化することで、時間も労力も費用もかかってしまい、いつまでも事件のことを忘れることも出来ません。

そのため、民事上の賠償責任が認められる可能性が高い事案では、刑事事件の中で示談を成立させておく方が望ましいでしょう。

 

まとめ

以上のとおり、刑事事件を起こしてしまった場合には、大まかな相場を把握している弁護士に依頼をした上で、示談交渉をしてもらうことが望ましいケースが多々あります。

当事務所には刑事事件を専門とするチームがあります。

まずは当事務所の弁護士までお気軽にご相談ください。

 


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