漫画の海賊版閲覧は違法?逮捕のリスクを弁護士が解説

弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士
  

漫画の海賊版閲覧は違法?逮捕のリスクを弁護士が解説結論からいうと、海賊版サイトで漫画を見るだけであれば、今の法律では直ちに違法にはなりません。

しかし、「違法にアップロードされたものだと知りながらダウンロード(保存)する行為」は完全に違法です。

また、海賊版利用の問題は、違法性だけではありません。

海賊版サイトには、ウイルス感染や、不正なアプリのダウンロード、フィッシング詐欺、個人情報の漏洩など、利用者自身が被害を受けるリスクも潜んでいます。

軽い気持ちでアクセスした結果、思わぬトラブルに巻き込まれることもあり得ます。

法律を遵守しつつ、このような被害から身を守るためにも、海賊版について正しい知識を持つ必要があります。

この記事では、漫画の海賊版について、閲覧とダウンロードの法的な違い、成立し得る犯罪と刑罰、海賊版サイトに潜む危険性、トラブルに巻き込まれた場合の対処法などを、弁護士が解説します。

漫画の海賊版閲覧は違法?

「漫画の海賊版閲覧は違法?

不正にアップロードされた漫画の海賊版は、閲覧するだけであれば、直ちに違法にはなりません。

著作権法が規制しているのは、違法にアップロードされたものだと知りながら、自分の端末にダウンロードする行為です。

サイト上で漫画を一時的に表示して閲覧するだけであれば、法が規制するダウンロードには当たらず、違法ではありません。

ただし、閲覧だけであれば問題はない、というわけでもありません。

海賊版サイトは、著作権を侵害している違法なサイトであり、そもそも適切な運営が期待できません。

そのようなサイトへアクセスすることは、コンピューターウイルスやマルウェア(悪意のあるソフトウェア)への感染、フィッシング詐欺、個人情報の抜き取りなど、さまざまなリスクを伴います。

また、そうしたサイトは漫画の作者や出版社に大きな経済的損害を与えています。

閲覧が法律上は違法でないとしても、そのようなサイトを利用することは、権利侵害に間接的に加担していると見ることもできます。

以下では、漫画の海賊版の危険性を具体的に見ていきましょう。

 

 

漫画の海賊版サイト利用はなぜ危険?

漫画の海賊版サイトを利用することには、大きく分けて、法的なリスクとそれ以外のリスクの2種類があります。

 

法律上のリスク

海賊版であることを知りながら漫画のデータをダウンロードすると、著作権法違反となるおそれがあります。

特に、正規版が有償で提供されている著作物について、反復・継続してダウンロードするような悪質な場合には、刑事罰の対象となります。

2021年1月施行の改正著作権法により、漫画や書籍などの著作物全般について、違法にアップロードされたものと知りながらダウンロードする行為が、規制の対象とされました。

「違法なのはアップロード側だけ」というのは、古い認識です。

軽い気持ちで海賊版のデータを保存すると、著作権法違反として処罰される可能性があるのです。

 

セキュリティ上のリスク

漫画海賊版の利用は、法的リスクだけでなく、利用者自身の安全に関するリスクもあります。

海賊版サイトは、そもそもが違法に運営されているサイトであり、さまざまな不正が行われているおそれがあります。

たとえば、サイトにアクセスしただけでコンピューターウイルスやマルウェアに感染することがあります。

また、個人情報やクレジットカードの番号などの情報を盗み取られる危険も存在します。

さらに、悪質な広告や偽の警告画面を通じて金銭をだまし取られるといったケースも存在します。

海賊版サイトの利用は、法律に抵触するおそれがあるだけでなく、利用者に被害をもたらすリスクがあります。

「無料で漫画が読める」という表面的なメリットの裏には、こうした深刻なリスクが存在していることを理解しておく必要があります。

 

 

漫画海賊版の閲覧・ダウンロードで成立する犯罪と刑事罰

漫画の海賊版サイトを利用すると、態様によっては、著作権法違反という犯罪が成立します。

ここでは、違法ダウンロードとなる条件や、閲覧とダウンロードの法的な違い、科される可能性のある罰則などについて解説します。

 

違法ダウンロードとなる条件

漫画の海賊版サイトの利用が著作権法に違反するためには、いくつかの条件を満たす必要があります(著作権法30条1項4号)。

参考:著作権法|e-Gov法令検索

 

権利者の承諾を得ずにアップロードされたこと

まず、対象となる漫画が、著作権者の許諾を得ずにインターネット上にアップロードされたものであることが前提となります。

正規の配信サービスとして提供されているものは、そもそも海賊版ではありません。

権利者に無断で漫画を閲覧可能としている場合に、海賊版サイトとして著作権法違反の問題が生じます。

 

画像をダウンロードすること

次に、漫画の画像データを自分の端末にダウンロードすることが必要です。

ダウンロードとは、単に画面上で一時的に表示して読むことではなく、画像ファイルをスマートフォンやパソコンに取り込み、端末内に複製データを作ることをいいます。

たとえば、画像を保存する操作をしたり、閲覧用に端末へ取り込んだりする行為などがこれにあたります。

これに対し、サイト上で漫画を一時的に表示して閲覧するだけであれば、通常は端末内に永続的なデータが保存されるわけではありません。

閲覧に伴ってキャッシュと呼ばれるデータが自動的に保存されることがありますが、これは一時的な処理のために作成されるものです。

このようなファイルが自動で生成されたとしても、それはダウンロードには当たりません。

 

違法にアップロードされたものであることを知っていること

漫画のダウンロードが違法となるには、違法にアップロードされたものであることを知っていたことが必要です。

ダウンロードしたファイルが著作権を侵害するものであることを知らなかった場合は、違法なダウンロードにはならないとされています。

そのため、違法なものであるとの認識がまったくなかった場合(故意がない場合)には、原則として犯罪は成立しません。

ただし、この故意には、いわゆる「未必の故意」も含まれます。

未必の故意とは、「もしかしたら違法かも?」と思いながらダウンロードする場合にも故意が認められるという考え方です。

つまり、違法なものであるとの確信がなくとも、その可能性があれば、故意が認められるということです。

違法性の認識があったかどうかは、サイトの外観や利用状況などの客観的な事情から総合的に判断されます。

漫画は、出版社の商品であり、通常は有料で配信されるものです。

仮に無料で配信されるとしても、公式サイトや大手の漫画配信アプリなどで、キャンペーン的に実施されるものです。

あらゆる漫画が登録もなしに読み放題という海賊版サイトであれば、違法性が認識できたと判断されることも十分あり得ます。

 

軽微でないこと

違法にアップロードされた漫画を保存した場合でも、すべてが直ちに違法ダウンロードになるわけではありません。

著作権法は、軽微なものを違法ダウンロードの対象から除外しています。

そのため、保存した範囲や内容がごく小さい場合には、違法とならない余地があります。

たとえば、数十ページで構成される漫画のうち、1コマから数コマ程度を保存したにとどまる場合には、軽微と評価されることがあります。

これに対し、1話の半分程度を保存したような場合には、軽微とはいえず、違法ダウンロードにあたる可能性が高くなります。

また、絵画や写真、1枚のイラストのように、その1枚自体で作品として完結しているものについては、1枚を保存しただけでも軽微とはならない可能性があります。

もっとも、どこまでが軽微といえるかは、保存された部分の割合や表示の精度などを踏まえて判断されます。

ここまでは許されると、一律に決まるものではありません。

スクリーンショット程度であっても、保存した内容が軽微とはいえない範囲に及べば、違法ダウンロードに当たる可能性があります。

 

罰則の対象となる条件

以上のように、海賊版漫画のダウンロードは、一定の条件を満たせば著作権法違反となります。

もっとも、違法なダウンロードのすべてが、直ちに刑事罰の対象になるわけではありません。

刑事罰が科されるのは、さらに次の条件を満たす場合に限られます(著作権法119条3項2号)。

 

有償著作物であること

刑事罰の対象となるためには、ダウンロードの対象となった漫画について、正規版が有償で提供されていることが必要です。

正規版が無料である著作物の違法ダウンロードは、法的には違法であっても、罰則の対象とはなりません。

 

反復・継続してダウンロードすること

ダウンロード行為が反復・継続して行われていることも要件となります。

これは、単発的なダウンロードまで直ちに刑事罰の対象とするのではなく、悪質な行為に限定して処罰するためです。

そのため、海賊版漫画を繰り返し保存していたような場合には、刑事罰の対象となる可能性があります。

これに対し、1回限りのダウンロードであれば、直ちに刑事罰が科されるわけではありません。

 

罰則

海賊版漫画の違法ダウンロードが刑事罰の対象となる場合、2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。

軽い気持ちで海賊版の保存を繰り返していると、行為の態様によっては、刑事責任を問われるおそれがあります。

 

 

漫画海賊版の利用が問題となる主なケース

漫画の海賊版を利用すると、さまざまな問題やトラブルが生じるおそれがあります。

ケースによっては、刑事罰や損害賠償など、重い法的責任が生じるものもあります。

漫画の海賊版利用で問題となる典型的なケースには、次のようなものがあります。

漫画海賊版の利用が問題となる主なケース

 

海賊版サイトから漫画データを端末に保存するケース

漫画の海賊版利用が問題となる典型的なケースのひとつは、海賊版サイトに掲載されている漫画のデータを、画像ファイルとしてパソコンやスマートフォンに保存する行為です。

自身の端末にデータを保存しておけば、サイトにアクセスすることなくいつでも読めることから、より便利なように思えるかもしれません。

しかし前述のように、単なる閲覧を超えて、画像を端末に保存してしまうと、著作権法違反となり得ます。

特に、有償の著作物を反復継続してダウンロードしていると、刑事罰の対象となります。

利用者の立場からすると、サイト上で見るのも端末に保存して見るのも同じように思えるかもしれません。

しかし、たとえ私的使用の範囲であっても、違法にアップロードされたものだと知りながらダウンロードする行為は、著作権法の規制対象です。

保存した方が便利だからといって、軽率にダウンロードしてはいけません。

 

ダウンロードしたデータを第三者に送信・再配布するケース

海賊版サイトからダウンロードした漫画データを、第三者に送信したり、再配布したりする行為も問題です。

海賊版の利用は、自分でダウンロードして読むだけにとどまるケースばかりではありません。

違法に入手した漫画データを他人に渡したり、ネット上に掲載したりすれば、それが別途著作権侵害となる可能性があります。

たとえば、漫画データをネット上にアップロードして、他人が閲覧できる状態に置く行為は、著作権法上の公衆送信権侵害となり得ます。

これは、大規模な海賊版サイトを運営するような場合に限られません。

メールやメッセージアプリなどで、少数の知人に漫画データを送信する程度の行為であっても、著作権者の許諾なく行えば、著作権侵害となります。

自分で保存するだけでなく、第三者に広げる行為まで加わると、違法性はより大きくなります。

特に、多数に拡散するなど、著作権者に与えた損害が大きい場合には、高額の損害賠償を請求される可能性もあります。

 

SNSや掲示板で海賊版サイトのリンクを共有・拡散するケース

自分自身は漫画をアップロードしていなくても、海賊版サイトのURLをSNSや掲示板に投稿して拡散する行為も、法的に問題となることがあります。

2020年の著作権法改正により、いわゆる「リーチサイト規制」が導入されました。

リーチサイトとは、違法にアップロードされた著作物のリンク情報を集約し、利用者を海賊版コンテンツへ誘導するサイトなどをいいます。

この改正により、海賊版コンテンツへのリンク情報を提供する行為についても、海賊版サイトの利用を促す態様であれば、著作権侵害とみなされることになりました。

海賊版へのリンクをまとめて掲載して利用者を誘導する場合はもちろん、一般的なSNSや掲示板であっても、投稿の内容や方法次第では、実質的に海賊版サイトへ誘導するものと扱われることがあります。

リーチサイト等において侵害コンテンツへのリンクを提供すると、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります(著作権法120条の2第3号)。

また、リーチサイト自体を運営した場合、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります(著作権法119条2項4号)。

「リンクを貼っただけで、自分はアップロードしていないから大丈夫」とは言い切れません。

リンクのみの投稿であっても、利用者を海賊版サイトへ誘導する役割を果たしていれば、法的責任を問われることがあります。

 

 

漫画海賊版サイト利用で逮捕される?

海賊版サイトの利用は、有償著作物のダウンロードなど、一定のものについては、著作権法違反という犯罪行為になります。

そのため、漫画の海賊版サイトを利用すると、刑事事件の容疑者として逮捕されることもあり得ます。

ただし、犯罪の容疑者であるとしても、常に逮捕されるわけではありません。

大きく分けると、「逃亡のおそれ」と「証拠隠滅のおそれ」の2つが認められる場合に限り、逮捕が可能となります。

 

逃亡のおそれ

容疑者を逮捕するには、逃亡のおそれがあると認められる必要があります。

たとえば、住所や身元がはっきりしない場合や、呼び出しに応じないおそれがある場合には、将来の捜査や裁判から逃れる可能性があると判断されることがあります。

反対に、身元が明らかで、定職や定まった住居があり、捜査機関からの連絡にもきちんと応じているような場合には、一般に逃亡のおそれは小さいと評価されやすいでしょう。

漫画の海賊版サイト利用のような事案では、通常、いきなり容疑者を逮捕するまでの必要性が当然に認められるとまではいえません。

もっとも、捜査への対応を避けたり、所在をくらましたりするような事情があれば、逮捕の必要性が認められる余地があります。

 

証拠隠滅のおそれ

証拠隠滅のおそれがあることも、逮捕の要件となります。

たとえば、端末内のダウンロードデータを削除したり、閲覧履歴や送受信記録を消去したりするおそれがある場合には、証拠隠滅のおそれがあると判断されることがあります。

海賊版サイト利用の事案では、スマートフォンやパソコンの内部に、ダウンロードファイル、閲覧履歴、通信記録などの証拠が残っていることがあります。

そのため、これらを消去・改変する危険が高いとみられる場合には、逮捕の必要性が肯定される可能性があります。

反対に、捜査に協力的であり、証拠を隠したり壊したりするおそれが低いといえる場合には、逮捕まで行われないこともあります。

 

ワンポイント:実際にダウンロードでの逮捕があるか

これまでに漫画の海賊版で摘発の対象とされてきたのは、主にサイトの運営者やアップロードした者などの供給側です。

ダウンロードにとどまる利用者が逮捕されたという事例は、確認されていません。

違法ダウンロードの罪は親告罪であり、容疑者を起訴するには、被害者の告訴が必要です。

被害者の立場では、個々のダウンロード利用者よりも、拡散の大本であるサイト側を取り締まる方がより効率的です。

このため、ダウンロードだけの利用者までは取り締まりが及びづらいという背景があります。

しかし、これは「ダウンロード側は逮捕されない」ということを意味するものではありません。

2021年1月施行の改正著作権法により、違法ダウンロードが刑事罰の対象に加えられた以上、事案によっては逮捕される可能性があります。

自分はアップロードはしていないから大丈夫と考えて油断するのは、危険です。

 

 

「安全な海賊版サイト」は存在しない!潜む5つの危険性

無料で漫画を読みたいということで、安全に利用できる海賊版サイトはないかと考える方がいるかもしれません。

しかし、そのようなサイトは存在しません。

海賊版サイトは、著作権を侵害する形で運営されているサイトであり、そもそもが違法な存在です。

利用者の安全への配慮がなされていないどころか、むしろ利用者を狙った悪質な仕掛けが施されていることもあります。

ここでは、海賊版サイトに潜む主な危険性を解説します。

「安全な海賊版サイト」は存在しない! 潜む5つの危険性

 

ウイルス・マルウェア感染や端末の乗っ取り

海賊版サイトにアクセスすると、端末がウイルスやマルウェア(悪意のあるソフトウェア)に感染するおそれがあります。

こうしたサイトには、不正な広告やスクリプトなどが仕込まれていることがあります。

必ずしも目に見える形でウイルス感染の兆候が現れるとは限らず、利用者が気づかないうちに被害を受けることもあります。

不正なプログラムに感染すると、端末内に保存されているデータや連絡先、パスワードといった個人情報が、外部に流出するおそれがあります。

最悪の場合、端末が操作不能になったり、保存データが暗号化されて身代金を要求されるランサムウェア被害に発展したりすることもあります。

たとえセキュリティソフトを導入していたとしても、すべての被害を防げるとは限りません。

そのため、怪しい海賊版サイトには、そもそもアクセスしないことが重要です。

 

フィッシング詐欺による個人情報の漏洩

海賊版サイトでは、フィッシング詐欺の手口が用いられていることもあります。

フィッシング詐欺とは、偽のウェブページや入力画面に利用者を誘導し、氏名やメールアドレス、クレジットカード番号などの個人情報を入力させて盗み取る手口です。

海賊版サイトでは、「会員登録が必要です」のような入力フォームが表示されることがあります。

このような画面は、個人情報を収集するための仕掛けである危険があります。

一度情報を入力すると消去させることが難しく、盗まれた情報が、クレジットカードの不正利用やアカウントの乗っ取りといった被害に悪用されるおそれもあります。

 

ワンクリック詐欺や偽警告による金銭被害

海賊版サイトを閲覧中に、突然「登録が完了しました」「利用料金が発生しました」といった画面が表示されることがあります。

これは、いわゆるワンクリック詐欺と呼ばれる手口です。

ワンクリック詐欺では、利用者がサイト上のリンクやバナー広告を何気なくクリックしただけで、高額な利用料金の請求画面が表示されます。

法的には、料金が発生することが明確に表示され、利用者がこれに承諾した場合に、初めて支払い義務が発生します。

そのような説明もないのに、一回クリックしただけで料金が生じることはなく、架空請求の一種といえます。

また、「お使いの端末がウイルスに感染しています」「今すぐ修復ソフトをインストールしてください」といった偽の警告画面が表示されるケースも見られます。

この指示に従ってソフトをインストールすると、本物のマルウェアに感染してしまうことがあります。

こうした画面が表示されても、誘導に乗ってはいけません。

落ち着いてブラウザを閉じ、ウイルススキャンなどを行うことが最善の対処法です。

 

端末を仮想通貨のマイニングに無断利用されるリスク

海賊版サイトの中には、利用者の端末を仮想通貨のマイニング(採掘)に無断で利用するものがあります。

マイニングとは、仮想通貨の取引データを処理・検証するための計算作業のことです。

海賊版サイトに仕込まれた不正なスクリプトにより、利用者の端末のCPUやメモリが、勝手にこの処理に利用されることがあります。

これにより、端末への負荷が高まり、動作が遅くなることがあります。

負荷が継続すると、端末の寿命が縮まったり、最悪の場合は故障に至ったりすることも、ないとはいえません。

海賊版サイトを利用すると、利用者が気づかないうちに、このような弊害が生じているおそれがあるのです。

 

犯罪的な活動の資金源となる問題

海賊版サイトの利用がもたらす問題は、利用者個人のリスクにとどまりません。

こうしたサイトの運営が、違法な活動の資金源となっているという問題もあります。

海賊版サイトは、広告収入やフィッシング詐欺、マルウェアの配布などを通じて収益を得ています。

たとえ直接的に金銭を支払わなくても、海賊版サイトの広告を閲覧しただけで、違法な運営者を利することになります。

「自分は閲覧しているだけだから、誰にも迷惑をかけていない」とはいえません。

海賊版サイトを利用しないことは、自身の安全を守るだけでなく、漫画の制作者の権利を守り、違法な活動を助長しないという意味もあるのです。

 

 

漫画海賊版サイトの注意点

海賊版サイトの被害に遭わないためには、日頃から正規のサービスと海賊版サイトの違いを意識することが大切です。

ここでは、漫画の海賊版サイトに関して知っておきたい注意点を紹介します。

 

「ABJマーク」を確認する

漫画配信を安全に利用するためにまず確認すべきなのが、「ABJマーク」の有無です。

ABJマークは、電子書籍や電子コミックの配信サービスが著作権者から正式に許諾を受けていることを示すマークです。

ABJ

正式名称を「Authorized Books of Japan」といい、一般社団法人ABJという団体が発行しています。

このマークが掲載されているサイトやアプリであれば、著作権者の許諾のもとで漫画が配信されていると判断することができます。

また、ABJマークの管理を行っている電子出版制作・流通協議会の公式サイトでは、ABJマークの発行を受けているサービスの一覧も確認できます。

引用:電子出版制作・流通協議会の公式サイト

漫画を読むためにサイトやアプリを利用する際は、ABJマークの有無を確認することで、海賊版サイトを避けることができます。

 

「完全無料」のような誘い文句に注意する

「人気漫画が全巻無料で読み放題」といった誘い文句は、海賊版サイトでよく見られるものです。

正規の配信サービスでも、無料で読める作品があったり、期間限定の無料キャンペーンを実施していたりすることはあります。

ただし、有名な作品のすべてが、無料かつ無制限で好きなだけ読み放題というサービスは、通常存在しません。

あまりにも不自然な条件で利用できる場合には、海賊版サイトであることを疑うべきです。

また、検索エンジンやSNS上で、「漫画 無料」のようなキーワードで検索すると、海賊版サイトが検索結果に表示されることがあります。

こうしたリンクを安易にクリックせず、利用しようとしているサービスが正規のものであるかどうかを、慎重に確認することが重要です。

 

家族や子どもが誤って利用しないよう対策する

海賊版サイトの危険性は、本人だけではなく、家族にも及ぶ可能性があります。

特に、未成年の子どもがインターネットを利用する場合には、海賊版サイトの存在やその危険性について、保護者がしっかりと教育しておくことが大切です。

子どもは、海賊版サイトの法的なリスクやセキュリティ上の危険性を十分に認識しないまま、アクセスしてしまうおそれがあります。

日頃から、漫画は正規のサービスで読むものであること、海賊版サイトには法的な問題だけでなくウイルス感染や詐欺の危険が伴うことを話し合っておくとよいでしょう。

また、パソコンやスマートフォンでは、フィルタリングソフトやペアレンタルコントロール機能を利用して、閲覧できるサイトを制限したり、利用状況を確認したりする方法もあります。

子どもが変なサイトにアクセスしていないかを把握し、怪しいサイトの閲覧を制限することで、海賊版利用の抑止につながります。

 

 

もし漫画海賊版サイトでトラブルに巻き込まれたら

海賊版サイトにアクセスしてしまい、何らかのトラブルに巻き込まれた場合には、慌てずに適切な対処をとることが重要です。

ここでは、トラブルの種類ごとに、具体的な対処方法を説明します。

 

サイトの利用を中止し、不審なファイルを開かない

トラブルに気づいた際にまず行うべきことは、そのサイトの利用を直ちにやめることです。

ブラウザを閉じ、サイトへのアクセスを完全に中断してください。

また、サイトの利用中にダウンロードされたファイルや、身に覚えのないファイルが端末に保存されている場合には、そのファイルを決して開かないようにしましょう。

不審なファイルを開いてしまうと、ウイルスやマルウェアが端末内で実行され、被害がさらに拡大するおそれがあります。

 

請求画面が表示されても絶対に支払わない

「ご利用料金のお支払いが必要です」「期限内にお支払いいただけない場合は法的措置をとります」といった画面が表示された場合でも、金銭を支払ってはなりません。

このような表示は、ワンクリック詐欺の典型的な手口です。

正式に利用契約を締結したのでない限り、このような一方的な表示がされても、それで法的な支払義務が生じるわけではありません。

表示されている連絡先に連絡したり、指定に従って振り込みを行ったりすると、相手に個人情報を知られてしまい、さらなる被害に発展するおそれがあります。

そのような画面が表示されても、無視してブラウザを閉じるのが適切です。

 

ウイルス感染が疑われる場合は、すぐにネットワークを切断する

海賊版サイトにアクセスした後、端末の動作が急に遅くなったり、見慣れないアプリやポップアップが表示されるようになったりといった不自然な挙動になる場合があります。

そのような場合、端末がウイルスやマルウェアに感染しているおそれがあります。

このような症状に気づいたら、まず端末のWi-Fiやモバイルデータ通信をオフにし、ネットワークから切断してください。

ネットワークに接続したままにしておくと、端末内の情報が外部に送信されたり、遠隔操作が継続されたりするおそれがあるためです。

ネットワークを切断した後は、セキュリティソフトを使用して端末のスキャンを実行し、不正なプログラムの検出と除去を行いましょう。

不審な挙動をする端末を使い続けると、個人情報やクレジットカード情報などの重要なデータが盗み取られる危険があります。

自分での対処が難しい場合は、専門の修理業者に相談するなどして、被害の拡大防止に努めましょう。

 

個人情報を入力してしまった場合は、速やかに変更する

海賊版サイト上に、氏名やメールアドレス、パスワード、クレジットカード番号などの個人情報を入力してしまった場合、悪用されるおそれがあります。

そのような場合、一刻も早く情報を変更する対応が必要です。

もし、入力していたパスワードを他のサービスでも使用している場合には、それらのサービスでパスワードを変更します。

また、クレジットカード番号を入力してしまった場合には、カード会社に連絡して利用停止の手続きをとるとともに、不正な請求がないか確認しましょう。

クレジットカード情報のように決済にかかわる情報がわたった場合、金銭的な実害が生じるおそれがあります。

被害が広がらないよう、可能な限り早く対処することが肝心です。

 

法的トラブルの不安は弁護士に相談する

海賊版サイトの利用に関して法的トラブルが生じた場合には、早い段階で弁護士に相談することが重要です。

たとえば、著作権者や出版社から警告書や損害賠償などの請求がきた場合、その請求が法的に妥当なものかを検証しなければなりません。

そのような判断には、法律に関する専門的な知識が必要になります。

民事上の請求に対しては、弁護士を通じて請求内容を精査し、必要に応じて相手方と交渉することが重要になります。

また、著作権侵害は、刑事事件にもなり得ます。

刑事事件では、取調べへの対応の仕方によって、その後の見通しに影響が生じることもあります。

警察から連絡がくるなどして捜査対応が必要になる場合にも、早い段階で弁護士に相談することが望ましいです。

弁護士に相談することで、取調べへの対応方針を事前に検討し、不用意な受け答えによって不利な状況が生じるのを防ぎやすくなります。

このように、弁護士に相談すれば、海賊版利用における法的な問題について、全面的にサポートを受けることができます。

問題が深刻化する前に専門家の助力を得て、影響の拡大を防ぐことが重要です。

刑事事件における弁護士選びの重要性については、以下のページをご覧ください。

 

 

漫画海賊版についてのQ&A

漫画の「raw」とはどういう意味ですか?

漫画における「raw」とは、翻訳や加工がされていない、元のままの漫画データのことを指します。

主に海外の利用者が、未翻訳の状態の漫画データを指す言葉として使用しています。

検索エンジンで「漫画 raw」と検索すると、海賊版サイトが表示されることがあるため、こうしたサイトにはアクセスしないようにしましょう。

 

安全に無料で漫画を読める方法はありますか?

正規の電子書籍サービスの中には、一部の作品を無料で公開しているものがあります。

たとえば、キャンペーンとして、期間限定で無料公開されているケースや、「待てば無料」として、順次最新話が無料で公開されていくといったケースなどがあります。

しかし、自分の読みたい作品が、タイミングよく無料で一気に読めるケースは、必ずしも多くないと思われます。

 

海賊版サイトのおすすめを探すのは危険ですか?

「海賊版サイト おすすめ」「海賊版サイト 安全」などのキーワードで検索すること自体が、危険なサイトに誘導されるきっかけとなります。

海賊版サイトの中には、アクセスするだけでウイルスに感染したり、フィッシング詐欺に遭ったりするものが含まれている可能性があります。

そもそも安全な海賊版サイトは存在しないため、こうした検索行為自体を行わないことが重要です。

 

 

まとめ

この記事では、漫画の海賊版について、閲覧やダウンロードの違法性、成立する犯罪と刑罰、海賊版サイトに潜む危険性、トラブルに巻き込まれた場合の対処法などを解説しました。

記事の要点は、次のとおりです。

  • 海賊版サイト上での漫画の閲覧自体は直ちに違法とはならないが、海賊版と知りながらデータをダウンロードする行為は、著作権法違反として2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金、またはその両方が科されうる。
  • スクリーンショットによる保存やSNSでのリンク共有も著作権侵害に該当する可能性があり、ダウンロードしていないから安全という認識は誤りである。
  • 海賊版サイトには、ウイルス感染、フィッシング詐欺、ワンクリック詐欺、マイニングの無断利用など、利用者に深刻な被害をもたらす危険が潜んでいる。
  • 海賊版サイト利用による法的な問題に不安があるときは、早期に弁護士へ相談することが有効である。

当事務所は、刑事事件のご相談の予約に24時間対応しており、LINEなどのオンライン相談を活用することで、全国対応も可能となっています。

まずは、お気軽に当事務所までご相談ください。

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