覚醒剤で逮捕されたら?【刑事弁護士が解説】

覚せい剤取締法違反とは何か

覚せい剤を、みだりに輸出入し、または製造した者は、1年以上20年以下の懲役に処するとされています。

さらに、同様の行為を、営利目的でした場合には無期、または3年以上20年以下の懲役に処するとされています。

覚せい剤を、みだりに所持、譲受、譲渡した者は、10年以下の懲役に処するとされています。

営利目的で所持等をした場合には、1年以上20年以下の懲役に処するとされています。

さらに、覚せい剤を使用した者は、10年以下の懲役に処されることになっています。

根拠条文

(刑罰)
第四十一条 覚醒剤を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第四十一条の五第一項第二号に該当する者を除く。)は、一年以上の有期懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは三年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは三年以上の懲役及び一千万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

第四十一条の二 覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第四十二条第五号に該当する者を除く。)は、十年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、一年以上の有期懲役に処し、又は情状により一年以上の有期懲役及び五百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

第四十一条の三 次の各号の一に該当する者は、十年以下の懲役に処する。
一 第十九条(使用の禁止)の規定に違反した者

引用元:覚醒剤取締法|電子政府の総合窓口

 

 

弁護活動のポイント

覚せい剤の所持、使用を認める場合

逮捕から起訴されるまで

覚せい剤の所持が捜査機関に発覚した場合、確実に逮捕され、勾留されることになります。

また、尿検査を受け、陽性反応が認められれば、覚せい剤使用の罪で再度逮捕され、勾留されます。

逮捕は3日、勾留は20日が最大ですから、所持と使用の二罪が認められる場合、起訴前の段階で最大で46日間、身体拘束を受けることになります。

勾留後には確実に起訴されることになりますから、早期に起訴するよう検察官に意見を出すこともあります。

 

起訴された後

保釈について

起訴後は、保釈決定が出されることが多々あるので、保釈に向けて活動することになります。

執行猶予について

また、執行猶予付きの判決が出れば、刑務所に入る必要がなくなりますので、執行猶予の獲得を目標に弁護活動を行うことになります。

初犯であれば、執行猶予がつくことも多いですが、営利目的である場合や、長期にわたる使用が認められる場合であると、執行猶予がつかないこともありますので、気を抜くことは許されません。

執行猶予を獲得するためには、しっかりと反省すること、再度同じ過ちを犯さないように覚せい剤関係者との関係を絶つこと、身元を保証してくれる人間を見つけることが必要です。

弁護士が、被告人質問で被告人の反省を引き出したり、身元保証人を見つけたりします。

 

覚せい剤の所持、使用を認めない場合

覚せい剤を所持していたのが自分ではなく、同居する者や、一緒にいた友人である場合や、所持していたという事実が全く無い場合などは、覚せい剤の所持を認めず、無罪を主張していくことになります。

同居する者や友人、先輩などから無理やり注射され、やむなく覚せい剤を使用してしまった場合にも、故意がないとして覚せい剤の使用を認めず、無罪を主張することになります。

起訴されてしまうと、かなり高い確率で有罪となってしまいますから、その前に不起訴処分を獲得することが重要です。

すなわち、被疑者から選任された弁護士が、起訴される前に積極的に検察官と接触を持ち、無罪の証拠を提出し、有罪と断定することができないことを主張していきます。

無実を主張すると同時に、早期釈放を求めていきます。

 

 

まとめ

以上、覚醒剤取締法違反の刑罰と、今後の対応について解説しましたがいかがだったでしょうか。

覚せい剤取締法違反の場合、違反の事実を認める場合と認めない場合とで、弁護活動が異なります。

認める場合は早期の釈放や情状弁護がメインとなり、認めない場合は無罪の獲得が重要となります。

いずれにせよ、これらの活動は、弁護士の技量と熱意が必要不可欠ですので、刑事事件に特化した弁護士を選任することが重要となります。

 

 



なぜ刑事事件では弁護士選びが重要なのか

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