児童買春で逮捕|その後の流れ・逮捕されないポイントを解説

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA
  


児童買春とは、お金を支払って18歳未満の児童と性交をする行為が典型的です。

SNSなどではパパ活が行われていることもありますが、児童が性交に同意していた場合は、児童買春に当たるのでしょうか。

また、お金を支払う約束をして性交したけれども、実際にはお金を渡さなかった場合は、児童買春に当たるのでしょうか。

この記事では、この記事では、児童買春とはどのような犯罪で、成立するのはどのような場合か、児童買春で逮捕される確率、児童買春で逮捕された後の流れや対応方法などについて、弁護士が解説します。

この記事でわかること

  • 児童買春は、児童ポルノ法で定められている
  • 刑法の強制性交等罪や児童福祉法違反に当たることもある
  • 児童買春で逮捕される確率
  • 児童買春で逮捕された後の刑事手続きの流れ
  • 逮捕を回避するポイント

 

児童買春はどのような犯罪?

児童買春がどのような犯罪であるかは、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童ポルノ法)に定められています。

児童ポルノ法2条によれば、児童買春とは、次の行為を意味するとされています。

  1. ① 対償を供与し、又はその供与の約束をして、
  2. ② 性交等をすること

引用元:児童ポルノ法|e−GOV法令検索

児童買春以外の行為も含む数値ですが、令和2年に児童ポルノ法違反で検察庁が新規で受理した人員は、3,064人でした。

参考:令和3年犯罪白書

児童買春がどのような犯罪かについては、次のリンクも参照してください。

 

児童買春が成立する場合

既にお伝えしたとおり、児童買春が成立するための要件は2つありますが、それぞれの具体的な内容をお伝えします。

①対償を供与、又はその供与の約束をした場合

典型的には、性交の対価としてお金を支払うことが該当します。

実際にお金を渡さなくても、お金を支払う約束をしただけでも、供与の約束をしたことになります。

また、性交の見返りに渡すものは、お金である必要はありません。

アクセサリーなどのプレゼントや、食事、タクシー代、アプリの課金など、性交の見返りとして利益を与えれば(与える約束を含む)、この要件に該当します。

なお、お金等を支払ったりその約束をする相手は、児童本人に限らず、児童の保護者や児童買春を周旋した者も含まれます。

 

②性交等をした場合

性交等とは、次の4つの行為を意味するとされています。

  • 性交
  • 性交類似行為(肛門性交や口腔性交など)
  • 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器・肛門・乳首を触ること
  • 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童に自己の性器・肛門・乳首を触らせること

児童の年齢が13歳未満の場合には、お金などを支払ったりしなくても、性交等をしただけで、刑法の強制性交等罪(177条)・強制わいせつ罪(176条)に当たることになります。

 

児童買春の刑罰

児童買春、強制性交等罪・強制わいせつ罪の罰則を整理したものが、次の表です。

児童買春(児童ポルノ法4条) 内5年以下の懲役
又は
300万円以下の罰金
強制性交等罪(刑法177条) 5年以上の有期懲役
強制わいせつ罪(刑法176条) 6月以上10年以下の懲役

引用元:児童ポルノ法|e−GOV法令検索

引用元:刑法|e−GOV法令検索

児童買春の場合には、罰金刑だけで済む可能性がありますが、強制性交等罪や強制わいせつ罪に当たれば、罰金刑がありませんので、執行猶予が付かなければ刑務所に入らなければなりません。

 

 

児童買春で逮捕される場合とは?

逮捕される法律上の条件

逮捕される法律上の条件としては、次の2つの要件が定められています。

①被疑事実について嫌疑があること(刑事訴訟法199条)

児童と一緒にホテルから出て来た、サイバーパトロールで児童とのSNSのやり取りが見つかったなど、児童買春の容疑者としての嫌疑が認められることをいいます。

 

②罪証隠滅・逃亡のおそれがあること(刑事訴訟規則143条の3)

児童買春は、ホテルなどの密室で行われることが多いため、捜査が進められていることを容疑者が認識すれば、一般的に、児童に口裏合わせをさせるなど、証拠を隠滅するおそれが高いと考えられます。

また、複数の児童との間で児童買春を行っていたり、同一児童との間で長期間にわたって繰り返し児童買春を行っていたような場合には、重い刑となることが予測されますので、それを免れるために逃亡するおそれがあると判断される傾向にあります。

引用元:刑事訴訟法|e−GOV法令検索

引用元:刑事訴訟規則|e−GOV法令検索

どのような場合に逮捕されるのかの詳細については、次のリンクも参照してください。

 

児童買春で逮捕される確率

犯罪全体で見ると、逮捕・勾留される確率は約35%です。

引用元:令和3年犯罪白書|検察庁既済事件の身柄率・勾留請求率・勾留請求却下率の推移 平成13年から令和2年

児童買春に限定すれば、逮捕・勾留される確率は約22%です。

児童買春で逮捕される確率

数値だけを見ると、児童買春で逮捕される確率は高くないといえますが、逮捕されると、それに引き続いて勾留される確率は約93.7%ですので、逮捕自体を回避する対応を優先する必要があるといえるでしょう。

 

実際に逮捕されるケースとは?

児童買春で実際に逮捕されるのは、次のようなケースであると考えられます。

  • 複数の児童との間で児童買春を行っているケース
  • 同一に児童との間で長期間にわたって児童買春を繰り返しているケース
  • SNSなどに児童買春を裏付ける証拠が残っているケース
  • 性交の様子をスマホで撮影していたなど、他の犯罪にも該当するケース

 

児童買春の後、逮捕されるまでの期間はどれくらい?

児童買春の後、逮捕されるまでの期間はケースバイケースです。

既に嫌疑がかけられているような場合には、児童と一緒にホテルから出て来たところを現行犯逮捕されるケースがあり得ます。

他方、児童が周囲に申告しておらず、時間が経ってから保護者に申告したとか、保護者がたまたま児童のスマホを見て発覚したとか、児童が別件で補導されて児童買春も発覚したといったケースでは、数か月経ってから通常逮捕されるということもあり得ます。

 

 

児童買春で逮捕された場合の手続きの流れ

逮捕されると、警察署内の留置場に身柄を拘束され、外部との連絡や面会も制限されます。

この章では、逮捕後の刑事手続きの流れをお伝えします。

※あくまでも一般的な手続きを示したものですので、個別具体的な点は、弁護士にご相談ください。

 

立件

児童買春が刑事事件として立件されるきっかけは、児童の保護者からの被害申告や、児童を別件で補導した際に児童買春も発覚するようなケースが多いと思われます。

捜査には在宅事件と身柄事件がありますが、児童買春の場合、約22%の確率で逮捕され、身柄事件として捜査が進められます。

 

在宅事件の場合

在宅事件の場合には、普段は日常生活を送り、警察や検察からの呼出しがあれば、出頭して取調べを受けます。

ただし、在宅事件であっても、呼び出しを無視したりしていれば、身柄事件に移行することがあり得ますので、弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士が付けば、出頭に同行した上で、供述すべき内容や、作成された供述調書に署名押印すべきかどうかなど、不起訴処分や裁判を見据えたアドバイスを行うことが可能となります。

 

逮捕された場合(身柄事件)

逮捕

逮捕は最大72時間で、その間、外部の人間との連絡・面会は禁止、容疑者(被疑者)が連絡・面会できるのは弁護士だけ、などの厳しい制限が課せられます。

そして、逮捕されれば、約93.7%の確率で勾留請求がなされます。

引用元:令和3年犯罪白書

 

勾留請求

警察の送検から24時間以内、かつ、逮捕から72時間の間に、検察官が、勾留請求か釈放かを決定します。

勾留は、容疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、かつ、次の3つのいずれか1つに該当する場合に認められます(刑事訴訟法60条1項)。

  • 定まった住居を有しないとき
  • 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
  • 逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき

引用元:刑事訴訟法|e−GOV法令検索

裁判所が勾留請求を認容する確率は約95.8%と高い数値にありますので、逮捕の回避、勾留請求の回避が重要であることがお分かりいただけるかと思います。

なお、裁判所が勾留請求を認容した後でも、準抗告や勾留取消請求という手続きによって勾留を取り消すことができるケースもありますので、弁護士に相談なさることをお勧めします。

 

勾留

勾留に移行すれば、逮捕と通算して最大23日間身柄を拘束されますので、仕事や学校などにも大きな支障が生じることとなり得ます。

一方で、勾留後は、弁護士以外との連絡や面会が可能となることが多いのですが、弁護士以外との面会には、必ず警察官が立ち合う、回数は1日1回、時間は平日の日中に1回15分などの制限が課せられます(弁護士との面会には、原則として制限がありません)。

 

検察官による終局処分

捜査が終了すれば、終局処分が行われ、検察官が起訴/不起訴を判断します。

初犯の児童買春であり、被害者との示談が成立していれば、略式起訴で書面審理が行われ、罰金刑で済むこともあり得ますが、以下では、通常起訴の場合の流れをお伝えします。

 

起訴

児童買春に限定した数値は明らかではありませんが、犯罪全体で見れば、起訴される確率は約37.4%です。

引用元:令和3年犯罪白書

示談が成立していれば、起訴される確率は低くなるといえますが、起訴されて裁判となったときの有罪率は99.9%ですので、起訴されれば、ほとんど全てで前科が付くと考えておく必要があります。

そのため、不起訴処分となるように、検察官の終局処分までに示談を成立させることに注力することが効果的です。

 

判決

起訴された内容に争いがない場合、多くの場合、審理は1回だけで、2回目の裁判期日で判決となります。

 

不起訴(起訴猶予など)

起訴猶予や証拠不十分などで不起訴処分となれば、その時点で刑事手続きは終了します。

勾留されている身柄事件の場合には、不起訴処分が決定した時点で釈放されることになります。

逮捕された後の流れ・身柄拘束からの早期釈放については、次のリンクも参照してください。

 

 

児童買春で逮捕された場合のリスク

報道される場合もある

容疑者が大企業の社員や公務員などの社会的影響力のある人物である場合、テレビやネットなどのニュースで報道されやすい傾向にあるといえます。

また、報道されなかったとしても、会社や自治体などの勤務先から、従業員が逮捕されたことが公表されることもあり得ます。

 

職場を解雇される可能性がある

社員が児童買春で逮捕されたとなれば、会社は、メディア対応に追われることとなります。

そして、児童買春で逮捕されたにもかかわらず何らの処分も行わなければ、コンプライアンス遵守が求められている現代社会において、企業の評価や価値が低下することとなるため、懲戒処分が行われるのが通常といえます。

具体的には、減給・停職・懲戒解雇などが考えられますが、懲戒解雇となれば、退職金が支給されないことが多いです。

また、離職票に重責解雇と記載されると、失業保険の受給において不利益となる可能性が高く、再就職にも影響することが予想されます。

したがって、刑罰以外にも大きな社会的制裁を受けることが懸念されます。

 

家族や職場・学校などに知られてしまう

メディアに報道されてしまった場合は当然ですが、逮捕・勾留されれば、突然、最大で23日間、音信不通となりますので、家族、職場や学校、友人などに性犯罪を犯したことがバレてしまうリスクがあります。

早い段階で弁護士に相談し、被害者との示談交渉を始め、逮捕されるまでに示談を成立させることを最優先に対応することが求められます。

 

逮捕されないための3つのポイント

児童買春は児童の健全な成長を阻害する行為ですから、金銭で被害を弁償できる性質の犯罪ではありません。

とはいえ、示談が成立し、被害者が加害者を許している場合には、逮捕するか、起訴・不起訴のどちらにするか、懲役・罰金・執行猶予のいずれにするかにおいて、大きな影響があることに間違いありません。

ここでは、逮捕を回避するための3つのポイントをお伝えします。

逮捕されないための3つのポイント

謝罪し、被害弁償をする

まずは、被害児童に対して真摯に謝罪し、被害を弁償したいことを伝えなければなりません。

被害児童は18歳未満の未成年ですから、その保護者の心情にも配慮した対応が必要となります。

謝罪をして受け入れてもらうことができ、示談金額について合意し、被害金額を受け取ってもらうことができれば、その内容を記載した示談書を作成することになります。

示談金の支払については、次のリンクも参照してください。

 

示談を成立させる

示談が成立すれば、その内容を踏まえて示談書を作成します

示談を行う相手方は、未成年である被害児童の保護者となります。

通常、示談書には、主に次の内容を記載します(事案に応じて適切な内容は異なりますので、個別具体的なことは弁護士にご相談ください)。

  • 示談の対象となる横領の具体的な日時・場所・被害金額
  • 示談金の額(被害金額に加えて慰謝料額を上乗せすることもある)
  • 示談金の支払期限
  • 被害者が容疑者の刑事責任を許すという意思表示(宥恕文言)
  • 被害届・告訴を取り下げる
  • 示談書以外には債権債務関係がないこと

このほか、児童買春のような性犯罪では、二度と被害者に接触しないといった接近禁止条項を含めるケースも多く見受けられます。

示談については、次のリンクも参照してください。

 

弁護士同行で自首をする

自首をすれば、起訴されて裁判を受けることになったとしても、刑が必ず減軽されるというメリットがあります(刑法42条1項)。

警察に発覚するまでに示談が成立すれば、被害届の提出や告訴がなされる可能性は低いと考えられますが、そうでないケースでは、弁護士同行で自首をするということも検討してみるべきでしょう。

引用元:刑法|e−GOV法令検索

自首については、次のリンクも参照してください。

 

まとめ

児童買春は、18歳未満の児童に対し、お金を支払って性交するなどの犯罪です。

お金以外でも、利益を与えて性交をすれば児童買春に当たりますし、性交以外にも、口腔性交や性器や乳首を触ったり触らせることも児童買春に当たる行為です。

被害児童が13歳未満の場合には、お金を支払ったりしなくても、性交などをするだけで、より重い強制性交等罪や強制わいせつ罪に当たることになります。

逮捕の回避、早期釈放、不起訴・執行猶予の獲得のためには、被害者と示談を成立させ、刑事責任を許してもらうことが重要です。

児童買春の事件では、被害者が未成年であるため、示談交渉の相手が被害児童の保護者となるといった特徴があります。

児童買春でお悩みの方は、刑事事件に強い弁護士が、最大限サポートいたしますので、ぜひお早めにご相談ください。

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