公然わいせつで逮捕・起訴されますか?【弁護士が事例で解説】 

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

公然わいせつ罪とは、不特定又は多数の人の目に触れるような場所で、公然とわいせつな行為をする犯罪を言います。

ここでは、具体的にどのような場合に逮捕、起訴されるのか、実際の相談事例をもとに解説しますので、参考にされてください。

 

 

全裸でコート一枚の女性に、通せんぼ。猥褻な部分を触ったら罪?

深夜マンションに囲まれた結構人通りのある路上で若くてきれいな女性が全裸でコート一枚で露出していた(下の毛もそっていてツルツルでした)のをたまたま発見し、「AVですか?見せてくれませんか?」と話しかけましたが逃げられそうになったため、ちょっと待ってと手を出し通せんぼしたら肩らへんに当たりそれと同時に女性に手を跳ね除けられました。

叫ばれ、近隣の住人が駆けつけ、当然私が犯人かのように見られましたが、女性は「大丈夫です」と住人に説明したので、住人からはそれ以上は問い詰められませんでした。女性は車で帰っていきました。

住んでるマンションの防犯カメラなので私はすぐ特定できますがもう一か月たっています。私はどのような罪になるのですか?

相手の女性には怖い思いをさせたと大変申し訳なく思っています。

以前も同じ女性が全身露出を見たことがある(その時はスルーしました)ので、常習ですが、それ以来は見ていません。

先ほどの件に追記でございます。女性は全裸の姿を自分の携帯で動画か写真などを撮る趣味があってそうしているようでした。

あと気になったので教えていただきたいのですが、もし本当に猥褻な部分を触った場合など、罪には問われるのでしょうか?

考え方によれば私は公然わいせつの被害者ですので過失相殺とかにはなりますか?

一般の女性にどうこうした場合などではなく、明らかに性的な欲求を掻き立てている公然わいせつ者ですので、かなり珍しい事例なのかその場合の例などどこを調べても載ってるわけがなく、教えていただきたいです。

同じ事ですが例えば男が全身露出していて女性が触ってあげた場合も女性は罪になりますか?よろしくお願いいたします。

 

弁護士の回答

刑事専門の弁護士が回答いたします。

手を出し通せんぼした行為は、暴行罪に該当するのではないかと考えられます。

刑法208条「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」

暴行罪についてこちらをご覧ください。

合わせて読みたい
暴行について

女性の意に反してわいせつ部分を触れば、不同意わいせつ罪もしくは痴漢の罪(福岡県迷惑行為防止条例違反)になります。

過失相殺は、民事上の問題ですので、刑事上の処分との関係では、さして影響しません。

そもそも民事上の問題としても、あなたの故意によるわいせつ行為で相手に生じた損害と、あなたが公然わいせつ行為を受けて被った損害は、別の損害なので、それぞれ独立して検討されます。過失相殺はされないということです。

「同じ事ですが例えば男が全身露出していて女性が触ってあげた場合も女性は罪になりますか?」

男性の求めに応じて触ったのであれば、不同意わいせつ罪は成立せず、公然わいせつ罪の共同正犯ということになります。

公然わいせつ事件に関する当事務所の弁護方針はこちらをごらんください。

 

 

娘の学校に妻が働く風俗店での写真などを送った相手を訴えれる?

妻が風俗店で働いている事を今回知りました。

在籍する風俗店で公開されているプロフ写真及び写メ日記の写真のみが印刷され、娘の中学校に娘宛で送られてきました。

差し出し人は架空と思われます。なお、妻が言うには送った相手はよく指名し、プライベートな事を話たかもしれないと言います。

客と思われるメールアドレス、名前は分かっています。店外で会ったり、本番行為は無いと言います。その客が送ったという確たる証拠はありません。

  • その手紙を持って警察に相談に行けば、警察がその客を同行させて指紋を取り、手紙の指紋などから特定できませんか?
  • その人のスマホ、PCを押収して写真の保存記録や店の接続履歴が調べられますか?
  • ストーカー規制法、脅迫、名誉毀損等で訴える事ができますか?

娘は引きこもり、妻は鬱になりつつあります。 よろしくお願い致します。

 

弁護士の回答

犯人が誰かはさておき、行為自体は、名誉毀損に該当する可能性が高いように思います。

名誉毀損罪の条文は、刑法230条1項にあります。

「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」

要件としては、①公然性、②事実の摘示が挙げられます。

①の公然というのは、不特定又は多数の者が直接に認識できる状態をいいます。

今回、中学校の娘様宛に送られてきたとのことです。学校は、どのように対応したのでしょうか。娘様宛にくる郵便物に不審を抱き、先生方も中身を確認したのではないでしょうか。

そうであるとすると、不特定多数の者が直接認識できる状態がつくられていますから、公然性の要件を満たします。

次に、②についてですが、社会的評価を害するに足りる事実である必要があります。

夫がいるにもかかわらず風俗店で働いている事実は、一般的に見て決してほめられたものではなく、社会的評価を害する事実であるといえるでしょう。

また、プロフ写真や写メ日記の写真のみが印刷されていたとのことですが、言葉による説明が無くとも、「その写真の人(宛先の生徒の母親)が風俗店で密かに働いている」ということは十分に伝わりますから、事実の摘示といえるでしょう。

以上から、犯人の行為は、名誉毀損に該当する可能性が十分にあります。(ストーカー規制法違反や脅迫罪は、要件を満たさないものと思われます。)

しかしながら、ハードルとして残るのが、「犯人性」です。

まず、一般の方はよく誤解をしていますが、指紋は、そう簡単には残りません。物の素材に大きく左右されます。そして、仮に残っていたとしても、徐々に消えていきます。

さらに、仮に指紋の採取に成功したとしても、「警察がその客を同行させて指紋を取り、手紙の指紋などから特定」することは困難が伴います。

その客が犯人である疑いが十分ではないと、警察として動くことができません。動いたとしても、おそらく逮捕などはできず、任意捜査にとどまり、その客が捜査に協力しなければそれで頓挫してしまいます。

では、今後、ご相談者様として、どのような対応をすればよいのでしょうか。

私見としては、(上記回答内容と矛盾するように聞こえてしまうかもしれませんが、)警察に相談に行き、証拠等を全て提出した上、被害の届出をすべきであると考えます。

決して、この一件のためだけに、警察が動いてくれるとは思いませんが、仮に再度同じような被害が生じた場合に、警察が積極的に動いてくれる可能性を高めることができます。

当事務所は、警察への被害申告に同行するサポートも実施しています。今後もお気軽にご相談ください。

 

 

道路での立ち小便は公然わいせつ罪や軽犯罪等になる?

約1ヶ月前の夜11時頃、大通りから一筋入った道路で立ち小便をしました。

近くに壁などが無かった為、股間を隠せない状況でしてしまいました。現場には街頭があり若干、明るい状況です。

通行人や通行車両はいなかったのでおそらく目撃はされていないと思いますが、防犯カメラやマンションの上から等、目撃した人がいて通報されていないか心配です。

そこで相談の内容は「仮に誰か目撃者がいて警察へ通報されていたとして、後日、公然わいせつ罪や軽犯罪等の嫌疑をかけられ警察から連絡がある事は考えられますか?」

前科前歴はありません。ここ数日、不安で仕方ありません。ご回答よろしくお願いします。

 

弁護士の回答

道路で立ち小便をした場合、基本的には軽犯罪法1条26号の排泄等の罪が成立します。

法定刑は、拘留又は科料とされています。拘留とは、1日以上30日未満の間、拘留場への拘置を内容とする自由刑であり、科料とは、1000円以上1万円未満の財産刑です。

不特定または多数人が認識しうる状態で性器を露出していた場合には、公然わいせつ罪(刑法174条)が成立すると判断される場合もあります。目撃者がいるかどうかは問いません。例えば、深夜の公園で露出をしたような場合も公然わいせつ罪に当たります。

もっとも、立ち小便をしていて公然わいせつ罪として扱われるケースは悪質な部類に限られると思われますので、基本的には上記の軽犯罪法違反の罪に問われるものと考えればよいと思います。

立ち小便が発覚するケースの多くは、近くにいた人から通報されて警察に事情を聞かれる場合や、小便が他人の所有物にかかっており、その所有者が警察に通報するような場合であると考えられます。そのため、ご相談の件で近くに人がおらず、他人の所有物に被害を与えていなければ、後から通報される可能性は低いように思えます。

もっとも、通報があった場合、犯人の特定を行うためには防犯カメラ等を精査する必要がありますので、犯行から1か月以上経っていたとしても、その後警察から連絡がくる可能性は0とはいえません。

警察に発覚したとしても逮捕には至らず不起訴処分で終わる可能性も見込めると思いますが、どうしてもご不安なようであれば、自首をすることも1つの選択肢として考えてよいでしょう。

当事務所では自首同行サービスがございますので、自首をしたいという場合にはご来所いただければと思います。

自首同行サービスについてはこちらをご覧ください。

 

 

ツーショットライブチャットでの露出は公然わいせつになる?

当方男性で、ツーショットライブチャットで女性と合意の上自慰行為を見てもらいました。

最中 女性から見えない。見えにくいとの声がありました。

この場合公然わいせつにあたるのでしょうか?逮捕されるおそれはあるのでしょうか?

 

弁護士の回答

公然わいせつ罪は、その罪名のとおり、「公然」とわいせつな行為をした場合に成立します。

自慰行為がわいせつな行為に当たることは言うまでもありませんので、問題はあなたが自慰行為を「公然」と行なったといえるかどうかです。

「公然」とは、不特定または多数の人が認識できる状態のことを指します。

例えば、多くの人が閲覧可能な状態でチャットを配信し、その配信の中でわいせつな行為をしていれば、「公然」に該当します。

また、特定少数人の前でわいせつな行為をした場合であっても、それが不特定または多数人を勧誘した結果であれば、「公然」と判断されます(最高裁昭和31年3月6日付判決参照)。

ご質問内容におけるツーショットライブチャットというものは、1対1のチャットであると思われますから、あなたが不特定または多数人を勧誘した結果、その女性にわいせつな行為を見せたという事情がなければ、「公然」の要件を満たさないと思われます。

そのため、ご質問内容から判断する限り、公然わいせつ罪は成立しないでしょう。

公然わいせつ罪について、詳しくはこちらをごらんください。

 

 

コンビニの駐車場で急に陰部を出された。公然わいせつになる?

突然のメールを、すいません!私は夜、彼氏のいとこと出会い、セブンイレブンの入り口近くの駐車場の車の中で、その彼氏のいとこと違う事での相談をしていた時です。

いきなりズボンとパンツを脱いで陰部を出されました。

履きなさいよう!と言ったのですが、くわえて!と手を持たれたり頭を持たれで陰部に近付けられる行為が有りました。

人の前で凄く、嫌でした。又、陰部を出した時に俺は若い頃に陰部の中にパチンコの玉を5、6個入れてるんやあ!本当にだから触って見てよう!と言われて手を持たれました。本当に嫌でした。

子供を、あづけてた人が真後ろにライトアップして帰って来た時に子供と、一緒にいてくれた人がズボンを慌てて履いてる姿を目撃していますが、子供でも裁判の立会人として出る事は可能でしょうか?

又、セブンイレブンという事で、防犯カメラも有りますが、今の内容文として公然わいせつに値しますか?お聞かせ下さい。どうか宜しくお願いします!

 

弁護士の回答

■犯罪成立の見通し

男性の行為は、相談者の方に口淫をさせようとしたり、手で陰部を触らせようとしたりといったものと思われますので、不同意性交未遂罪(刑法177条、同180条)や不同意わいせつ未遂罪(刑法176条、同180条)に該当する可能性があります。

また、男性が陰部を露出していたのは車の中ということですが、コンビニの駐車場内という、不特定多数の人が目撃する可能性がある場所での露出ですので、公然わいせつ罪(刑法174条)にも該当する可能性があります。

ただし、これらの男性の犯行を処罰してもらうためには、若干の問題点があります。

それは、ご相談の内容が約2年前の出来事であり、犯罪があったことは事実であっても、証拠が十分に揃わない可能性があるということ

■証拠について

防犯カメラ映像についてですが、映像の保管期限は店舗によって異なりますが、どんなに長くても半年程度ではないかと思われます。そのため、仮に防犯カメラの映像に男性が相談者の方に無理やり口淫をさせようとしたり陰部を触らせようとしたりしているところが映っていたとしても、現段階では間違いなく破棄されているでしょう。

そのため、ご相談の件で現在も残っている証拠物は存在しないと思われます。

他の証拠としては、相談者様や、目撃者の供述が考えられます。

目撃者が子供であっても、裁判において証言をすることはできますが、本件で問題となるのは、時間の経過により記憶が減退している中、2年近く前の出来事についてどれほど信用性のある証言ができるかです。

特に、客観的で決定的な証拠が存在しない場合、被害者の供述等が唯一の決め手となるので、信用性の検討は特に慎重に行われます。

そのため、目撃者に証言をしてもらうことはできるかもしれませんが、その証言をもって検察官が犯罪の成立を立証できるかというと、そうはならない可能性も相当程度あります。

以上の回答は、ご質問内容の記載を前提とした見通しですが、捜査がされることによって男性の犯行を立証できるだけの証拠が収集される可能性も当然ありますので、被害に遭ったことがどうしても許せないというお気持ちが強いのであれば、警察に被害届を提出されてはいかがでしょうか。

 

 

わいせつなタイトルの動画を配信。警察から連絡はくる?

昨日朝4時頃、 ライブ配信サイトにて、「ちんちん」とタイトルをつけ、配信しました。

しかし部屋は暗く、シルエットがわかる程度で、上はTシャツ、下は下着のみでした。

性器等露出はしていません。ほとんど自分の顔を写していました。

この場合、警察の方から連絡はくるのでしょうか。 不安で相談いたしました。

 

弁護士の回答

刑事無料メール相談のご利用、ありがとうございます。刑事事件に注力する弁護士が回答いたします。

ご不安に思われているのは公然わいせつ罪(刑法174条)の成否と思われますが、公然わいせつ罪が成立するためには、不特定または多数人が認識しうる状態でわいせつな行為を行うことが必要となります。

わいせつな行為とは、「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する」行為であると考えられています。

つまり、ライブ配信という不特定又は多数人が認識しうる状態で、性器を露出する等の行為があれば、公然わいせつ罪が成立するということになります。

ご質問内容の記載によると、Tシャツと下着を着用した状態で配信を行っていたということであり、「わいせつな行為」といえるような行為は何も行なっていないように思われます。

そのため、公然わいせつ罪は成立しません。

ライブ配信のタイトルから公然わいせつを疑われることはあるかもしれませんが、ご質問内容に記載されている行為のみにとどまっていたのであれば、実際に警察から連絡が来て捜査を受けるという可能性はないでしょう。

公然わいせつ罪について、詳しくはこちらをごらんください。

 

 

性的動画サイトに顔は出さず投稿。削除後も警察から連絡ある?

ご多忙の所、失礼致します。

先日、有名な性行為だけを集めた動画サイトに、一度投稿してしまいました。(1~2時間おきに動画がアップされている程の巨大サイト)

顔は出さず、性器なども映ってないアングルの動画でした。

しかし、怖くなり3時間後には動画を削除し、そのサイトからもすぐに退会しました。

この場合、私は公然わいせつ物陳列罪やわいせつ物頒布罪などの罪に問われてしまい、逮捕や警察から連絡などあり得るのでしょうか?

非常に不安で、やや精神が不安定な状態の日々となり猛省しております。

どうぞ、ご教示の程よろしくお願い致します。

 

弁護士の回答

結論から申し上げますと、相談者様が上記の件で逮捕されたり警察から連絡が来たりする可能性は否定できません。

確かに、性行為の様子を撮影した動画をインターネット上にアップロードする行為は、当該動画の内容によっては、わいせつ物頒布罪に該当しうる可能性もあります。

わいせつ物頒布罪についてこちらをご覧ください。

また、仮に顔や性器などが映っていなかったとしても、「性交又は性交類似行為に係る人の姿態」を撮影したものであれば、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(一般的に「リベンジポルノ禁止法」と呼ばれることが多いです)第3条1項に該当する可能性もあります。

わいせつ物頒布罪が成立すれば、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金(これらは併科されることもあり得ます)若しくは科料となり、リベンジポルノ禁止法第3条1項の罪が成立すれば、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。

仮に、撮影の対象とされた方が、その動画がネット上に出回っていることを知り、警察に相談等した場合、当該動画を撮影しアップロードしたのが相談者様であることが判明する可能性は十分にあると思われますので、場合によっては警察から事情を聞かれたりすることもあり得るでしょう。

もっとも、顔や性器などが映っていないことや、投稿から約3時間後という比較的短時間で削除されたとの事情も考慮すると、撮影の対象とされた女性や捜査機関が認識する可能性は高くないと考えられます。そのため、今回のケースですと、立件される可能性は低いといえるでしょう。

とはいえ、上記のように、性行為の動画をインターネット上にアップロードする行為については重い刑罰が課されています。

被害女性にも計り知れない精神的ショックを与えてしまう行為ですので、安易な気持ちでこのような行為を行うことは絶対にしてはいけません。

 

 

性器の写真をチャットでやり取り。罪に問われ、逮捕される?

以前非公開の2ショットチャットに同意のもと男性と性器の写真を貼り合いました。

その添付方法はメールに画像を添付するとチャットルームに写真が表示されると言うものです。

チャットルームは今は見ることができません。

これは何かの罪に問われ、逮捕されることはあるのでしょうか?

弁護士の回答

ご質問の内容ですと、公然わいせつ罪ではなく(電気通信による)わいせつ物頒布罪が成立するか否かを検討しなければなりませんが、同罪が成立する可能性は低いと思われます。

(電気通信による)わいせつ物頒布罪の成立要件は、①電気通信の送信により②わいせつな電磁的記録その他の記録を③頒布したことです。

チャットルーム上でのやり取りであることから①は問題がなく、②についても男性及び女性の性器の写真であったと思われますので、問題なく充足するといえます。

そこで、問題となるのは③の「頒布」に当たるかどうかということになります。

「頒布」とは、有償・無償を問わず、不特定又は多数の人に交付することを指します。

つまり、交付の対象が特定かつ少数の人間であれば、不特定又は多数の人間に交付したとは言えないことになるため、「頒布」には当たりません。

今回のお話ですと、相談者様が写真を送り合ったのは、非公開の2ショットチャットとのことですから、交付の相手方は相手の男性一人のみということになり、特定少数の相手ということになります。

そのため、「頒布」したとはいえず、わいせつ物頒布罪は成立しないことになります。

とはいえ、送信した写真が悪用される可能性も否定できませんので、今後は安易にそのような写真を送るのはお控えになることをお勧めいたします。

わいせつ物頒布罪についてこちらをご覧ください。

 

 

SNSで知らない人から性器の写真が送られてきたら告訴できる?

先日、TwitterのDMにて知らない男性から性器の写真が送られてきました。

こういった場合、告訴し損害賠償請求が出来ると聞いたのですが可能でしょうか?

 

弁護士の回答

まずは、そのような被害に遭われたとのこと、極めてご不快な思いをされたことと存じます。心中お察しいたします。

相手方の行為は、各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反に該当する可能性があります。

例えば、福岡県迷惑行為防止条例においては、第8条8号において、そのような写真を送付する行為を行うことが禁止されており、これに違反した場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処される可能性があります。

この場合、刑事告訴を行うことで、捜査機関に被害に遭ったことを申告し、捜査を行ってもらうことも可能です。

刑事告訴を行う場合、弁護士にご相談いただくことで、捜査機関に事案のポイントなどを的確に伝え、捜査に着手する必要性の高い事案であることを理解してもらう可能性を高め、相手方を特定し、逮捕などに繋げることができるようになるかもしれません。

しかし、これにより直ちに損害賠償をしてもらえるわけではありません。

以上に述べた手続はあくまで刑事事件としての扱いであり、損害賠償は民事上の話であるため、相談者様が損害賠償を求めるのであれば、不法行為に基づく民事上の損害賠償請求を行う必要があります。

その場合、賠償金を受け取るまでに多くの時間と費用を要することになる可能性が高いと考えられます。

仮に、加害者側から示談の申し入れがあった場合、示談に応じることで、簡易かつ迅速に損害賠償に相当する金銭を受領でき、早期解決を図ることもできます。

示談に応じた場合のメリットやデメリット、相手方が示談を申し入れてきた場合の交渉内容などにつきましては、一度お近くの弁護士にご相談いただくことで、相談者様にとっても納得のいく結末を迎えることができるのではないかと考えます。

ご不安な際は、ぜひお近くの弁護士にご相談ください。

 

 


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公然わいせつについてよくある相談Q&A