オービスは時速何キロで光る?罰金や対処法も解説

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA
  

オービスは、一般的には、一般道路で時速30キロメートル、高速道路では時速40キロメートル程度の速度超過で光るといわれています。

ただし、オービスの光る速度は公表されておらず、上記の基準は、取り締まり状況などから一般的に推測されているものです。

オービスとは、速度違反自動取締装置のことで、速度違反を自動的に検知して証拠写真を撮影するシステムです。

オービスは、速度超過を検知すると、違反車両を撮影するためにフラッシュが光ります。

オービスが何キロで光るか、その仕組みを知ることは、安全運転にもつながる重要な知識です。

この記事では、オービスの作動する速度、通知の流れ、罰金や罰則、そして対処法などについて、弁護士が解説します。

オービスは時速何キロで光る?

オービスが光る速度は、正式には公開されていません。

ただし、取締状況から、一般的に推測されている基準はあります。

オービスは、道路上に設置された速度違反自動取締装置です。

オービスは、速度違反の車両を検知すると、その写真をするためにフラッシュを焚いて発光します。

これが、オービスが光る理由です。

つまり、オービスが光るのは、速度違反を検知した証拠といえます。

もっとも、オービスは、制限速度を1キロでも超えると、それで直ちに光るわけではありません。

測定誤差によって誤った取り締まりを行わないよう、制限速度から一定の余裕を持たせていると考えられるのです。

また、その基準となる速度は、高速道路と一般道路で異なると考えられています。

それぞれのオービスが光るとされる速度は、次のとおりです。

 

高速道路の場合

高速道路に設置されているオービスは、法定速度を40キロ程度超過した場合に作動すると一般に考えられています。

たとえば、法定速度が時速80キロの区間では、時速120キロ以上で走行すると、オービスが光る可能性が高くなります。

高速道路での制限速度プラス40キロという上記の基準は、反則金(青切符)では済まず、罰金(刑事罰)が科せられる水準です。

つまり、オービスが光った場合は、スピード違反の中でもより重い処分となる見込みがあると言えます。

 

一般道路の場合

一般道路では、時速30キロ程度の超過が、オービスが光る目安と言われます。

一般道路での速度超過30キロの超過は、やはり反則金ではなく刑事罰の対象となってくる水準です。

ただし、一般道路の中でも、移動式オービスによる取り締まりの場合は、もっと厳しい基準で作動することがあるとされます。

移動式オービスは、道路に常設されているのではなく、移動可能で臨時に設置できるタイプのオービスです。

柔軟な運用が可能な移動式オービスは、歩行者や自転車の多い生活道路での取り締まりに利用することができます。

このような地域では、より低速の超過であっても危険を伴います。

移動式オービスの場合は、15キロ程度の違反でオービスが光ることもあると考えられています。

 

 

オービスが光るとどうなる?

オービスが光るのは、速度違反の車両を検知し、撮影のためにフラッシュを焚くからです。

オービスが光るということは、速度違反を検知されたということであり、ペナルティを科せられることになります。

ただし、オービスが光っても、その場で警察官に止められることはありません。

オービスは無人の取り締まり装置であるため、その場で直ちに取り締まられるわけではないのです。

オービスは、あくまで違反車両やドライバーを撮影して証拠を残すにとどまり、違反に関する手続きは、後日進められることになります。

詳細な流れは後に解説しますが、オービスが光ると、違反から1ヶ月程度の内に警察から呼び出しの通知が届きます。

オービスの通知を受けた場合、警察署に出頭して違反の手続きを進める必要があります。

呼び出しに応じないなど、不適切な対応をしてしまうと、より厳しい処分となる可能性があります。

オービスが光るとどのような罰則を受けることになるか、どのような対応をする必要があるかについて、正しく知り、適切に対応するようにしましょう。

オービスについての詳しい解説は、以下のページをご覧ください。

 

 

オービスが光ったときの罰金や罰則

オービスが光った場合、それは車のスピード違反がオービスに検知されたことを意味します。

この場合、速度超過へのペナルティとして、各種の処分を受けることになります。

違反に対するペナルティには、次のようなものがあります。

 

反則金

速度違反に対する最も一般的な処分として、「反則金」があります。

これは、交通反則通告制度に基づくもので、違反の軽重に合わせて金額が決まります。

たとえば、一般道路で時速30キロメートル以内のスピード違反であれば、その超過速度に応じて、9,000円から18,000円の反則金となります。

交通反則通告制度は、比較的軽微な交通違反を、簡易な手続きで処理するための仕組みです。

違反者は、この反則金を納付することで、正式な刑事手続きを受けることなく事案を終結させることができます。

つまり、オービスに記録された場合でも、速度超過が一定範囲内であれば、反則金を支払うことで刑事罰を避けられる可能性があるのです。

ただし、オービスの光る速度についての通説が正しければ、反則金で済む事例よりも、下記の罰金の対象となる事例の方が多いと思われます。

また、反則金の納付を拒んだ場合は刑事手続きへ移行し、刑事罰の対象となる可能性があります。

 

刑事罰

超過した速度が、一般道で時速30キロメートル、または高速道路で時速40キロメートルを超える場合は、反則金制度の適用外となり、刑事罰の対象になります。

法定速度の違反では、6ヶ月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金という罰則が定められています(道路交通法118条1項1号)。

参考:道路交通法|電子政府の総合窓口

刑事罰の対象となる上記の速度基準は、オービスが光ると言われている基準と一致しています。

このことから、固定式オービスが光った場合は、反則金ではなく刑事罰の対象となる可能性の方が高いと考えられます。

ただし、移動式オービスは時速15キロメートル程度の超過でも反応することがあるとされています。

オービスのタイプや設定によっては、必ずしも全ての違反が刑事罰となるわけではありません。

また、通常の交通違反の範囲内であれば、多くの場合で罰金刑が選択されますが、特に危険性の高い悪質なケースでは、拘禁刑が選択される可能性も否定はできません。

 

免許に関する行政処分

スピード違反では、上記の罰則に加えて、運転免許に関する行政処分も科されます。

たとえば、違反速度が、一般道で時速30キロメートル超、高速道路での時速40キロメートル超であれば、違反点数として6点が加算されます。

点数制度では、累積の点数が6点以上になると免許停止処分、15点以上では免許取消処分となります。

つまり、オービスに違反を検知された場合、過去に違反歴がなくても、その1回の違反だけで免許停止処分を受ける可能性が高いのです。

このように、オービスが光った場合には、罰金や免許の行政処分など、複数の側面から厳しいペナルティが科される可能性があることを十分に認識しておく必要があります。

 

 

オービスが光った後の流れ

オービスは、道路上に設置された速度違反自動取締装置です。

オービスが光を発したということは、速度違反を記録したことを意味しますが、その場で即座に取り締まりを受けるわけではありません。

オービスが作動した後は、一般的に以下のような手続きの流れで進行します。

オービスが光った後の流れ

 

①警察からの出頭通知

オービスがスピード違反を検知してから、おおむね数日から1ヶ月程度の期間内に、違反者の元に警察署から出頭を要請する通知が送付されます。

この通知書には、違反の日時や場所、どのような違反があったのかという概要のほか、出頭すべき警察署の名称や住所、出頭が求められる日時などの重要事項が記載されています。

オービスの通知に関するより詳しい情報は、以下のページで確認することができます。

 

②指定された警察署への出頭

警察からの通知を受け取ったら、通知に記載された日時に従って、指定された警察署に出向く必要があります。

警察署に出頭すると、警察官から違反行為の説明を受け、その違反事実を認めるかどうかの確認が行われます。

オービスによる取り締まりの場合は、違反時に撮影された写真や映像が証拠として提示され、運転者本人であるかの確認も行われます。

 

③簡易裁判所からの出廷通知

警察署での手続きが終わると、後日、簡易裁判所から出廷を求める通知が送付されてきます。

裁判所では、「略式手続」と呼ばれる簡略化された手続きに同意するかどうかを尋ねられます。

略式手続とは、通常の刑事裁判の過程を簡略化して、書類審査のみで罰金刑を決定する方法です。

もし違反の事実について争いたい意向がある場合は、略式手続ではなく正式な裁判手続きを選択することもできます。

オービスでの違反では画像という証拠が残っているため、違反事実を認めて略式手続に同意するケースが多いと思われます。

 

④罰金の納付

略式手続に同意した場合、裁判官が事件に関する書類に基づいて事案を審査し、支払うべき罰金額が決定されます。

罰金の支払い方法には、裁判所でその場で納付する場合と、後日納付書が郵送されてきて指定された方法で支払う場合があります。

罰金の納付を終えると、刑事事件としての手続きは完了となります。

 

⑤運転免許に関する行政処分

速度違反では、罰金のような刑事罰に加えて、運転免許に対する行政上の処分も科されることになります。

速度超過に対する違反点数が加算され、その程度によっては、免許停止や免許取消などの重い処分が下されることもあります。

この行政処分は刑事処分とは別の手続きで進められるため、罰金を納付したからといって、免許に関する処分が免除されるわけではありません。

 

 

オービスが光ったときの対処法

オービスは、法定速度を大きく超えた場合に光るのが基本です。

オービスを光らせる経験は、多くのドライバーにとって珍しい経験です。

オービスが光ると、どのように対処すべきなのか、不安や焦りを感じるかもしれません。

オービスが光った場合、どのように対応すればよいのか、適切な行動について解説します。

 

安全運転を継続する

オービスのフラッシュが光った場合でも、何よりも優先すべきは、安全運転を維持することです。

フラッシュを目撃した瞬間、驚いて急ブレーキを踏みたくなるかもしれませんが、そのような行動は危険です。

急激な減速は、後続車との追突事故を引き起こす可能性があります。

一度オービスが光ると、すでに記録されている違反データは、その後減速したからといって消去されることはありません。

オービスが光ったからといって焦る必要はなく、交通の流れを意識しながら、穏やかに法定速度以下に減速することが重要です。

オービスへの対応は、走行中ではなく、運転終了後に考えるべき問題です。

 

状況を記録しておく

オービスが光ったのを確認したら、その場所や時刻、走行していた速度などの情報を、できるだけ詳しく記録しておくと良いでしょう。

特に、ドライブレコーダーを装着している場合は、その映像データを保存しておくことも効果的です。

映像があれば、実際にどのような状況でオービスが作動したのか、どの程度の速度で走行していたのかなどを、後から確認することができます。

これらの記録は、後日警察から通知が届いた際に、状況を正確に思い出す助けになります。

また、万が一違反内容に疑問がある場合には、自分の主張を裏付ける資料としても役立つ可能性があります。

 

通知を待って適切に対応する

オービスによって速度違反が記録された場合、通常は1ヶ月程度の間に、警察から正式な通知が自宅に郵送されてきます。

この通知には、違反の概要や出頭すべき警察署、出頭日時などが記載されています。

指定された日時に警察署へ出頭し、違反についての説明を受けましょう。

通知が届いた後は、指示に従って手続きを進めることが重要です。

出頭を無視したり、連絡もなく欠席したりすると、状況がさらに悪化する可能性があります。

通知を受け取ったら速やかに対応し、必要な手続きを滞りなく完了させることで、問題を早期に解決することができます。

 

 

オービスの光り方についてのQ&A

中央道ではオービスは時速何キロで光る?

中央道(中央自動車道)の多くの区間では、制限速度が時速80キロです。

このため、40キロオーバーの時速120キロ程度で走行すると、オービスが光る可能性があります。

ただし、オービスの反応速度は正式には公表されていないため、あくまでひとつの目安にすぎません。

また、区間によっては、これ以下の速度で光ることもあり得ます。

 

移動式オービスは時速何キロで光る?

移動式オービスについても、光る速度は公表されていません。

一般的には、移動式オービスは厳しい基準で作動すると言われており、制限速度を15キロ程度超過しても光ることがあると考えられています。

 

東名高速道路ではオービスは時速何キロで光る?

東名高速道路の制限速度は、区間によって時速80キロ~100キロです。

このため、時速120キロ~140キロ程度の走行により、オービスが光る可能性があります。

 

新東名高速道路ではオービスは時速何キロで光る?

新東名高速道路の制限速度は、基本的に時速100キロですが、一部120キロ制限の区間があります。

そのような区間では、オービスは時速160キロ程度で作動すると考えられます。

ただし、この数値は絶対的なものではなく、目安にすぎません。

また、移動式オービスの場合は、より低速で光ることもあるとされます。

 

 

まとめ

この記事では、オービスの通知について、オービスが作動する速度、通知の流れ、罰金や罰則、そして対処法などを解説しました。

記事の要点は、次のとおりです。

  • オービスの光る速度は公表されていないが、高速道路では法定速度40キロ超過、一般道では約30キロ超過で作動すると考えられている。
  • オービスが光った後、違反処理が行われると、車両所有者に通知が郵送されて警察署への出頭が求められる。
  • オービスの通知が届いた場合は、記載に従って警察署に出頭し、違反についての手続きを進めなければならない。
  • オービスを光らせないために最も重要なのは、オービスの有無にかかわらず制限速度を守って安全な運転を心がけることである。

 

 

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