オービスの通知はいつ来る?対処法を解説

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA
  


オービスによる速度違反の取り締りを受けた場合、数日から1ヶ月程度の間に、違反の通知が届きます。

オービスは、道路上に設置された速度違反自動取締装置で、車両の速度超過を自動的に検知して記録します。

オービスが違反を検知しても、その場で直ちに取り締まられることはなく、証拠の写真が撮影されるにとどまります。

そこで後日、違反の手続きを進めるために、違反者の元へ通知が届くのです。

オービスの通知を受け取ると、警察署への出頭や罰金の納付などが必要となり、適切に対応しなければなりません。

自動車を運転する方にとって、オービスの通知について正確に理解しておくことは、万が一の際に冷静に対応するために重要です。

この記事では、オービスの通知について、通知が届く時期や場所、オービスの種類、通知後の流れ、適切な対処法などを弁護士が解説します。

オービスの通知はいつ来る?

オービスによる速度違反の通知は、一般的には、違反を検知してから早ければ数日中、遅くとも1ヶ月程度の間に届くことが多いです。

この期間は、警察が違反を確認し、違反者の特定や通知書の発行・送付などの事務手続きに要する時間によるものです。

そのため、通知が来るまでの期間は、一定ではありません。

地域の交通量や取締り件数、画像の鮮明さ、違反者の特定に要する時間などのさまざまな要因によって、通知が届くまでの期間は変わります。

早ければ、オービスが作動してから2~3日で通知が届くこともあります。

他方で、警察の事務に時間を要した場合、違反から通知が届くまでに1ヶ月程度かかるケースもあります。

オービスは、速度違反を検知すると、違反車両の写真を撮影します。

その際、オービスはフラッシュを焚くため、ドライバーは撮影に気づくのが通常です。

ただし、本当にオービスが光ったのか、違反として取り締まりの対象となったのかは、警察からの通知を待つまではわかりません。

もしオービスに違反を撮影された認識がある場合は、1ヶ月程度は郵便物に気を付けるようにしましょう。

 

 

オービスの通知はどこに届く?

オービスによる速度違反の通知は、原則として違反車両の所有者の住所に届きます。

具体的には、車検証に記載されている車両の所有者の住所宛てに郵送される形で通知が行われます。

普通に自分が所有する自動車を運転していたのであれば、運転者の自宅に届くと考えてよいでしょう。

ただし、車検証に記載された住所と現住所が異なる場合や、違反の前後で転居していた場合などでは、正しく通知が届かないことも考えられます。

たとえば、引っ越しをした後に住所変更の手続きを行っていない場合や、車検証の記載内容と現住所に不一致があるなどの場合に、通知が本来届くべき場所に届かないというケースが発生することがあります。

また、たとえばリース車両や社用車、家族名義の車両などを運転していた場合など、自動車の名義が他人になっている場合は、実際の運転者ではなく名義人の住所に通知が送付されることになります。

このような場合、名義人から連絡を受けて初めて自分の違反を知ることになるケースもあります。

オービスの通知は、速度違反に対する取り締まりの一環として、違反者に届けられるものです。

この通知は、単なるお知らせではなく、違反処理が開始するきっかけとなる文書です。

通知を受け取った後には、指定された期日の出頭などの対応が求められることになります。

これに従わない場合は、さらに重い処分につながる可能性もあります。

オービスの通知が届かないということは、処罰を免れたということではありません。

いつまでも、違反の責任を果たせていない状態がつづくということです。

速度違反の事実は警察のデータベースに記録されており、通知が届かなかったからといって、違反の記録が消えるわけではありません。

むしろ、通知に対する応答がないことで、より厳しい対応を受ける可能性が高まることさえあります。

オービスが光った前後で住所変更などの心当たりがある場合で、いつまでも通知がこないようであれば、一度警察署に問い合わせてみましょう。

自ら進んで対応することで、問題の長期化を防ぎ、より円滑な解決が期待できます。

交通ルールを守ることは、安全な交通社会を維持するための基本です。

万が一違反をしてしまった場合には、速やかに責任を果たすことが大切です。

オービスの通知に関する正確な理解は、そのための第一歩となるでしょう。

 

 

オービスの種類や特徴

オービスは、正式には「速度違反自動取締装置」といい、道路上に設置されて自動的に速度違反車両を検知・記録するシステムです。

オービスには、大きく分けると、固定式と移動式の2種類があります。

 

固定式オービス

固定式オービスは、道路脇や高速道路の橋の上など、特定の場所に常設されているタイプの速度違反自動取締装置です。

固定式オービスには、地中に埋め込んだコイルを利用するループコイル式やLHシステム、レーダー波を用いるレーダー式やHシステムなどがあります。

固定式オービスは、特定の場所に常設されており、速度違反の多発地点など、速度規制の必要性が高い地点を集中的に取り締まることができる点が特徴です。

 

移動式オービス

移動式オービスは、一定の箇所に固定されておらず、移動させることが可能なオービスです。

移動式のオービスには、簡易に移動できる可搬式オービスと、重量があり移動には車が必要な半可搬式オービスがあります。

両者は移動の手間の点で異なりますが、固定式オービスと異なり設置場所を自由に変えられる点は共通です。

移動式オービスは、移動させて設置場所を変更することができるため、固定式オービスより柔軟な運用が可能です。

移動式オービスは、必ずしも国道のような大きな道路だけでなく、身近な生活道路での取り締まりなどにも用いられます。

オービスについてのさらに詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。

 

 

オービスの通知が届くとどうなる?

オービスの通知が届くと、違反を処理するための手続きが始まります。

通知の標題は、「出頭通知書」や「呼出状」といった名称が一般的です。

文面の記載についても、ケースによって違いますが、趣旨としては、違反の手続きを進めるための出頭を求めるものとなります。

オービスの通知には、違反の日時や場所といった概要や、出頭すべき警察署、日時などが記載されています。

オービスの通知が届くと、通知に従って出頭し、手続きを進める必要があります。

オービスの通知を無視して呼び出しに応じずにいると、呼び出しが続きます。

最悪の場合、逃亡のおそれがあるとして逮捕されることも、ないとはいえません。

オービスの通知を無視していれば処分を免れるということであれば、誰も呼び出しに応じなくなってしまい、オービスの効果がなくなってしまいます。

オービスという無人の装置による取り締まりを機能させるためには、違反者を見逃すわけにはいかないのです。

オービスの通知が届いたときは、軽んじることなく、通知の記載に従って適切に対応する必要があります。

オービスが光ったか不安な場合については、以下の記事をご覧ください。

 

 

オービスの通知が届いた後の流れ

オービスの通知が届くと、処分を科すための手続きが始まります。

オービスの通知が届いた後は、基本的に以下のような流れで手続きが進行します。

① 警察からの出頭通知

オービスが速度違反を検知してから、通常は数日から1ヶ月程度の間に、違反場所を管轄する警察署から違反者の自宅宛てに、出頭を求める通知が郵送されます。

 

②警察署への出頭

オービスの通知を受けると、通知で指定された日時に警察署へ出頭します。

指定された日時に警察署へ出向くと、担当の警察官から違反の詳細について説明を受けます。

オービスによる速度違反では、違反時に撮影された写真が提示され、間違いなく本人であるか、違反の事実を認めるかといった確認が行われます。

違反の事実を認める場合は、その場で違反切符にサインと押印を求められます。

 

③簡易裁判所からの出廷通知

警察署に出頭すると、後日、簡易裁判所から出廷通知が届きます。

裁判所では、書面審査だけで処分を決める「略式手続」によって、罰金の額が決まります。

ただし、違反の事実を争いたい場合は、略式手続を拒否して正式な裁判を受けることも可能です。

 

④罰金の納付

略式手続に同意すると、裁判官が書類上で事案を審査します。

略式手続では、正式な刑事裁判を経ることなく、罰金の額が決定されます。

罰金の支払い方法は、当日にその場で納付する場合と、後日納付書が送られてきて、指定された方法で支払う場合があります。

罰金を完納した時点で、刑事手続きとしては終了となります。

 

⑤運転免許に関する行政処分

速度違反の場合、罰金などの刑事処分とは別に、運転免許に関する行政処分も科されます。

速度違反に対して違反点数が加算され、速度超過の程度によっては、免許停止などの処分となる可能性もあります。

 

 

オービスの通知が届いた場合の対処法

オービスの通知が届いた場合、どのように対応すべきか、焦ってしまうかもしれません。

突然、警察からの文書が届くことで動揺してしまう方も多く、どうしたらいいのかと不安になることは自然なことです。

特に、交通違反の経験が少ない方にとっては、その後の手続きや影響について心配になるものです。

オービスの通知には適切に対処する必要がありますが、落ち着いて対応すれば難しいものではありません。

まずは落ち着いて、冷静に状況を把握することから始めましょう。

オービスの通知が届いた場合の対処法

 

通知の内容をよく確認する

オービスの通知がきた場合、まずは通知の内容をよく確認しましょう。

通知書には、今後の手続きに必要となる情報が記載されています。

すべての項目に目を通し、不明点があればメモしておくことをお勧めします。

オービスの通知には、大きく分けると、検知した違反に関する概要と、出頭についての情報とが記載されています。

違反の概要としては、いつ、どこで速度違反が検知されたのか、日時や場所などの情報が記載されています。

また、出頭に関する情報としては、いつ、どこの警察署に出頭すべきかが記載されています。

まず、速度違反したとされる日時や場所について、身に覚えがあるかを確認しましょう。

通常、オービスの通知には、違反したとされる日時や場所などが記載されています。

オービスの通知は、通常は1ヶ月以内には届くため、まったく記憶がないというケースはあまりないかもしれません。

もし心当たりがない場合でも、当日の行動を思い出すなどして、情報を整理しておくようにしましょう。

次に、出頭の場所や時間についての情報を確認します。

通知には、出頭すべき警察署の場所と連絡先、出頭する日時、受付時間などが記載されています。

また、持参すべき物(運転免許証や印鑑など)についても指定がありますので、これらを準備しておく必要があります。

オービスの通知を無視すると、警察の対応も厳しいものとなります。

通知を無視していると、出頭要請は厳しさを増していき、最悪の場合は逮捕されることもあり得ます。

違反の影響を最小限におさえるためにも、通知の内容をよく確認し、出頭を忘れないようにしましょう。

やむを得ない事情で指定された期間内に出頭できない場合は、必ず事前に通知書に記載されている連絡先に連絡して、無断欠席しないようにしましょう。

 

通知に従って出頭する

通知に指定された日時には、指定された警察署へ出頭します。

警察から呼び出されるのは、違反事実についての確認を行い、刑事手続を進めるためです。

警察に出頭すると、違反事実についての質問が行われますので、偽りなく答えます。

罪を認める義務があるわけではないため、速度違反の事実を争うのであれば、そのように主張することも可能です。

取り調べの際には、オービスが撮影した車両の画像を見せられることがあります。

これらの証拠を見た上で、事実関係について正確に答えることが重要です。

 

ペナルティを受ける

違反の事実を認める場合、速度違反のペナルティを科されることになります。

オービスでの違反では、具体的には、刑事罰(罰金)と、行政処分(運転免許の減点)がペナルティとして科されます。

罰金は、通常、略式裁判という簡易的な手続きで決定されます。

また、刑事罰の罰金とは別に、運転免許に対する行政処分も科されます。

どの程度の処分となるかは、超過した速度や過去の違反歴によっても変わります。

オービスで検知される程度の速度違反の場合、免許停止処分となることも多いです。

このようなペナルティを科されることは、違反の事実を受け止める機会にもなります。

今回の経験をきっかけに、今後の安全運転意識を高めることが重要です。

 

 

オービスの通知に関するよくあるQ&A

オービスの通知を無視したらどうなる?

通知を無視すると、一般的には、出頭要求が繰り返されます。

通知を無視すれば処罰を免れるということのないよう、警察の要請はしだいに厳しいものになると考えられます。

通知を無視しつづけると、最悪の場合、逃亡のおそれがあるとして逮捕される可能性もあります。

処分を受けるとなると気が進まないかもしれませんが、通知を無視せず対応することで、結果的に影響を最小限に抑えることができます。

 

オービスの通知が届いたら、どうすればいい?

オービスの通知を受け取った際は、通知の記載に従って警察署に出頭し、違反に関する手続きを進める必要があります。

呼び出しに応じずオービスの通知を放置すると、警察からの要求は段階的に厳しさを増していくことが予想されます。

通知を放置し続けると、最悪のケースでは、逃亡のおそれがあるとみなされて逮捕される可能性もあります。

通知の内容をよく確認し、記載に従って適切に対応しなければなりません。

 

 

まとめ

この記事では、オービスの通知について、通知が届く時期や場所、オービスの種類、通知後の流れ、適切な対処法などを解説しました。

記事の要点は、次のとおりです。

  • オービスの通知は、違反から1ヶ月程度の間に車両の登録住所に届き、警察署への出頭が求められる。
  • 通知が届いた場合は、指定期日に警察署に出頭し、違反の手続きを進めることになる。
  • オービスによる違反では、罰金のような刑事罰と、免許に対する行政処分の2つのペナルティが生じる。
  • オービスの通知を受けた経験は、今後の安全運転意識を高める機会として捉えることが重要である。

 

 

その他のよくある相談Q&A

 

 

なぜ刑事事件では弁護士選びが重要なのか

続きを読む