オービスの光り方とは?光ったか不安な場合の対応法
オービスの光り方は、赤や白の光が、フラッシュのように一瞬光るというのが典型的な光り方です。
ただし、オービスの種類によっては光り方が異なる場合があります。
また、同じオービスであっても、天候や時間帯といった周囲の設置状況によって、光の見え方が異なることもあり得ます。
オービスとは、道路上に設置された速度違反自動取締装置のことで、スピード違反の車両を自動的に検知して、証拠写真を撮影するシステムです。
運転中にオービスが光った場合、違反の通知が来るのではないか、何らかの処分を受けるのではないかと心配になることがあるかもしれません。
また、オービスの光は初めて目にするという人も多く、今のが本当にオービスの光だったのか、確証が持てずに不安になることもあるでしょう。
オービスがどのような光り方をするのか、その特徴を知っておくことは、そのような不安の解消につながります。
この記事では、オービスの光り方について、種類別の特徴や昼夜の違い、光った後の対応や罰則などを、弁護士が解説します。
目次
オービスの光り方とは?
オービスの光り方は、赤や白の光がフラッシュのように一瞬光るというのが典型的な光り方です。
この光は、オービスが車両の速度違反を検知した際に、その写真を撮影するためのフラッシュです。
高速で走行する車両のナンバーや運転者を、どのような天候や時間帯においても鮮明に撮影するために、オービスは強いフラッシュを焚く必要があるのです。
オービスの光り方は、オービスの種類によって微妙に異なります。
また、オービス自体は同じように光っていても、設置場所や撮影時の天候など見る人の状況によって、光の見え方が異なることもあり得ます。
オービスの光り方は一様ではないため、どのような光り方をするのか、特徴を知っておくことが重要です。
オービスの夜間の光り方
夜間におけるオービスの光り方は、昼間に比べて光がより強く感じやすくなる点に特徴があります。
夜間は周囲が暗いため、ドライバーにとっては、オービスの光は特に強く感じられるでしょう。
暗闇の中でオービスが作動すると、強力なフラッシュが一瞬だけ周囲をピカっと照らします。
光の強さは、設置されたオービスの種類や機種によって若干異なりますが、いずれも夜間では非常に目立つ光として認識されます。
夜間のオービスの光り方については、以下の動画で見ることができます。
肉眼で見るのとカメラを通すのとでは見え方が異なりますが、参考にすることができます。
オービスの昼間の光り方
一般的なオービスは、昼間でも夜間でも、同じ光を発します。
昼間だからといって、夜間と異なる光り方をするわけではないのが一般的です。
ただし、昼と夜では周囲の明るさが異なる関係で、人の目には違った光り方に見えることもあります。
昼間のオービスの光り方は、夜間と比較すると認識しづらい場合があります。
日中の明るい環境下では、オービスのフラッシュ光が周囲の明るさに埋もれてしまうことがあるためです。
昼間でも、オービスは違反車両を撮影する際にフラッシュを焚きますが、その光は太陽光に比べると弱く感じられるでしょう。
このため、周囲の環境や運転時の状況によっては、「光ったかどうか分からなかった」というケースもあるかと思われます。
そのようなケースでは、違反の通知がきてはじめてオービスが反応していたことに気づくことになります。
オービスの昼間の光り方は、次の動画で確認することができます。
オービスが光る意味
オービスが反応すると、昼夜問わず強い光を発します。
そもそもなぜオービスが光るかというと、スピード違反の車両をはっきり撮影するためです。
オービスは、「速度違反自動取締装置」のことであり、自動車のスピード違反を自動的に検知して、違反車両の証拠写真を撮影するシステムです。
装置が自動で写真を撮影するため、人員を配置せずともスピード違反の取り締まりが可能となる点で、オービスは画期的なシステムといえます。
ただし、撮影された画像が不鮮明では、違反の証拠として不十分です。
たとえば、写真から車のナンバーが読み取れなければ、車種は同じだが自分の車ではないという言い逃れの余地があります。
また、ドライバーの顔が写っていなければ、車を他人に貸していたと言われてしまうかもしれません。
そのような弁解ができないよう、オービスは、高速で移動する車両のナンバーや運転者をはっきり撮影できてはじめて取り締まりに利用することができます。
オービスは、時間帯や天候を問わず、どのような状況下でも明瞭な写真を撮影するために、撮影時にフラッシュを焚きます。
このフラッシュ光が、オービスの発する光というわけです。
撮影時にフラッシュを利用することによって、ナンバープレートの数字や文字が明確に写り、違反の証拠として使用できる高画質の画像が得られます。
オービスの光は、以上のような技術的な理由によって発せられるものです。
また、追加的な効果として、ドライバーに対して違反を知らせる意味合いも期待できます。
オービスの光は強い閃光であり、ドライバーはその光によって速度違反を認識することができます。
オービスが光ってから減速したとしても、スピード違反の事実は変わりません。
ただし、速度違反の状態が解消されることによって、交通の安全が回復されることになります。
つまり、オービスが光を発することによって、スピード違反のドライバーに減速を促し、交通の安全を維持する効果も期待できるのです。
オービスは、誤作動や試運転などの理由によって、違反を検知した際以外にも発光することがあるとは言われています。
しかし、そのような理由でオービスが光るのは例外的なものと考えられます。
オービスが発光することは、基本的には速度違反を検知されたといえるでしょう。
しかも、オービスは、制限速度を1キロでも超えると直ちに反応するわけではありません。
オービスが反応する速度については、正式には公表されていません。
もっとも、取り締まりの状況から、一般道で時速30キロメートルの超過、高速道で時速40キロメートルの超過で反応すると考えられています。
これらのことから、オービスが光るということは、単に道路の制限速度を超えたということだけでなく、大幅なスピード違反を意味していると言えるでしょう。
オービスの種類と光り方の特徴
オービスの光は、違反車両を撮影するためのフラッシュです。
オービスにはさまざまな種類がありますが、撮影のために光を発している点は共通です。
フラッシュですので、撮影時に一瞬強く光るという光り方が基本ですが、種類によって特徴があります。
これらの違いを理解することで、どのようなタイプのオービスに遭遇したのかを判断する手がかりになります。
固定式オービス
固定式オービスは、道路脇や高速道路の上などに固定され、常設されているタイプのオービスです。
固定式のオービスでは、白く光るものもありますが、一般的には、赤い光を発するものが多いです。
たとえば、以下のような動画で、固定式オービスが発光する瞬間を確認できます。
赤い光が、ピカっと瞬間的に発せられているのがわかります。
引用:首都高オービスが赤く光るとき 最新ループコイル式 免停確実スピード違反証拠 事故注意取り締まり@東京都中野区エリア|Youtube
移動式オービス
移動式オービスは、固定式オービスとは異なり、移動させることができるタイプのオービスです。
固定式オービスのように定点で取り締まるのではなく、設置場所を変更して柔軟な取り締まりが可能な点に特徴があります。
移動式であっても、撮影のためのフラッシュで発光する点は異なりません。
光り方としても、やはり撮影の瞬間に強い光を一瞬放つような光り方です。
移動式のオービスでは、固定式のものと比較すると、白く光るものも多く見られるのが特徴となります。
たとえば、以下の動画で、移動式オービスが光る瞬間を見ることができます。
白色の光が一瞬発せられているのがわかります。
引用:移動式オービスが光る瞬間 Sensys MSSS小型オービスに撮られた!|Youtube
オービスが光った場合の罰金や罰則
オービスが光ったということは、基本的にはスピード違反を犯して検知されたということです。
オービスに撮影された場合、違反の程度に応じた罰則が科されます。
この罰則は、道路交通法に基づいて科されるものであり、速度超過の度合いによって段階的に厳しくなります。
反則金
まず、交通違反に対する一般的な行政罰として、「反則金」があります。
反則金は、道路交通法に基づく交通反則通告制度によるもので、違反の程度に応じて金額が設定されています。
たとえば、一般道で時速30キロメートル以下の速度超過の場合、超過速度に応じて、9,000円~18,000円の反則金が科されます。
交通反則通告制度は、軽微な交通違反について、簡易な手続きで処理することを目的とする制度です。
この制度により、違反者は反則金を納付することで、刑事手続きを受けることなく事件を終了させることができます。
つまり、オービスで撮影された場合でも、速度違反が一定の基準以下であれば、反則金を支払うことで刑事罰を避けることができます。
ただし、反則金を納付しない場合は刑事手続きに移行し、罰金刑などの刑事罰が科される可能性があります。
また、反則金を納付した場合でも、点数加算などの運転免許に関する処分は免れません。
刑事罰
さらに、速度違反が、一般道で時速30キロメートル以上、高速道路で時速40キロメートル以上の場合は、反則金ではなく刑事罰の対象となります。
速度違反の刑事罰としては、6ヶ月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金となります(道路交通法118条1項1号)。
刑事罰の対象となる、一般道で時速30キロメートル以上、高速道路で時速40キロメートル以上という基準は、オービスが反応すると考えられている速度です。
つまり、速度超過でオービスが光った場合、反則金ではなく刑事罰が科される可能性があるといえます。
一方、移動式のオービスでは、時速15キロメートル程度の超過でも反応することがあると言われています。
このため、オービスが光ったからといって、常に反則金ではなく刑事罰になるとまではいえません。
もっとも、オービスの反応する速度についての通説が正しければ、反則金では済まずに刑事罰になるケースが多いと考えられます。
一般的な交通事犯の範囲であれば、多くのケースで罰金刑が選択されますが、危険性がきわめて高い悪質な事案では、拘禁刑となることもあり得ます。
免許に関する処分
速度超過の違反では、反則金や罰金だけでなく、運転免許に関する行政処分の対象にもなります。
オービスが反応するとされる、一般道で時速30キロメートル以上、高速道路で時速40キロメートル以上の速度超過の場合は、6点が加算されます。
点数制度の下では、累積点数が6点以上で免許停止、15点以上で免許取消しとなります。
こちらもやはり、少なくないケースで6点が加算され、過去の違反歴がなくても一発で免許停止になると考えられます。
このように、オービスが光った場合は、罰金や免許に関する処分など、さまざまな角度からペナルティが科される可能性があるといえます。
オービスが光った後の流れ
オービスは無人の取り締まり装置であり、オービスが光っても、その場で直ちに摘発されるわけではありません。
オービスが光った後の流れは、事案や地域によって異なることもありますが、一般的には以下のように進みます。
①オービスの撮影の通知が来る
オービスが速度オーバーを記録すると、早ければ数日中、遅くとも1~2か月程度の間に、違反場所を管轄する警察署からの出頭通知が自宅に郵送されます。
この通知には、どのような違反をしたのかの概要や、出頭すべき警察署、出頭する日時などが書かれています。
②警察署へ出頭する
警察から通知を受けた場合、通知に記載された日時に、指定された警察署へ出向きます。
ここでは、警察官から違反行為についての説明がなされ、実際にその事実を認めるかどうか確認が行われます。
オービスで違反が発覚したケースでは、違反時の写真や画像が提示されることが多く、本人であるかどうかの確認も行われます。
違反したことを認めれば、その場で違反切符にサインや押印を求められます。
③簡易裁判所から出廷通知が来る
その後、簡易裁判所から出廷通知が届きます。
裁判所では、「略式手続」と呼ばれる、書類だけで処分が決められる簡略化された手続きに同意するかどうか尋ねられます。
略式手続は、通常の刑事裁判をせずに、書面上の審査で罰金刑を決定する方法です。
もし違反事実を争いたい場合は、略式手続ではなく正式な裁判を希望することも可能です。
オービスでの交通違反の場合は、写真という証拠が残っているため、略式手続に同意するケースが多いと思われます。
④罰金を支払う
略式手続に同意した場合は、裁判官が書類上で事案を審査し、罰金の金額が決まります。
罰金の納付は、その場で支払う場合もあれば、後日納付書が送られてきて支払うケースもあります。
この罰金を納付した時点で、刑事手続きとしては終了します。
⑤運転免許に対する行政処分
スピード違反の場合、刑事処分(罰金)とは別に、運転免許に関する行政処分が科されます。
オービスで記録された速度超過の内容によっては、免許停止など重い処分となることがあります。
もし免許停止処分となった場合は、「運転免許停止処分書」が届きます。
免許停止の場合は、免停講習を受ける必要があります。
オービスが光ったか不安なときの対応法
オービスのフラッシュが光ったように見えた場合、「今、オービスが光ったのでは」と心配になることがあるかもしれません。
オービスが光ったかが不安な場合には、以下のような対応が考えられます。
まず何より大切なのは、動揺せずに引き続き安全運転を心がけることです。
オービスが作動したということは、制限速度を大きく上回って走行していた可能性が高いことを意味します。
気が動転して急ブレーキを踏みたくなるかもしれませんが、急激な減速は、自分自身や周囲の車に危険を及ぼす場合があります。
そのため、突然速度を落とすのではなく、周囲の交通状況に配慮しつつ、落ち着いて徐々に減速することを意識してください。
なお、オービスが反応した後に慌てて減速しても、違反の事実が覆るわけではありません。
このため、オービスが光ったように見えたとしても、慌てずに落ち着いて対応することが重要となります。
次に、本当にオービスが作動したのか、見間違えではないのかが気になることもあるかもしれません。
しかし、警察署などへ直接問い合わせをしても、特定の車両が取り締まり対象となったかどうかは通常教えてもらえません。
オービスが違反車両を記録していた場合は、やがて警察から正式な通知が送付されることになります。
したがって、オービスに検知されていたかを確定的に知るには、この通知を待つしか方法はありません。
その上で、今後はスピード違反をしないように注意するようにしましょう。
オービスの光り方についてのQ&A
オービスが光るのは一瞬ですか?

オービスの光は、違反車両を撮影するためのフラッシュです。
そのため、常時点灯しているわけではなく、撮影時に一瞬だけ発光します。
まとめ
この記事では、オービスの光り方について、種類別の特徴や昼夜の違い、光った後の対応や罰則などを解説しました。
記事の要点は、次のとおりです。
- オービスの光り方は、オービスの機種によって異なるほか、天候や時間帯などの周囲の状況によって異なるように感じられることがある。
- オービスの光は、速度違反の車両を撮影するためのフラッシュであり、赤や白の光が一瞬発せられる。
- オービスが光った場合、違反の程度に応じて反則金や罰金が科され、免許点数にも影響する。
- オービスは法定速度を大幅に超過した際に光るため、オービスが光らないようにするためには、法定速度を守って安全運転を心がけることが重要である。
その他のよくある相談Q&A
なぜ刑事事件では弁護士選びが重要なのか