人身事故で起訴されるケースとは?【弁護士が解説】

  
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA


人身事故を起こしてしまいました。

現在保険会社が間に入って被害者の方と交渉をしてくれています。

人身事故には、刑事上の責任を問われる場合と、問われない場合があるようなのですが、その線引きはどのようになされているのでしょうか。

 

弁護士の回答

①過失の内容・程度、②結果の重大性(被害者の傷害の程度)、③同種前科・前歴の有無、④被害者処罰感情などを考慮し、処罰の必要性が高いものを起訴していると考えます。

 

 

人身事故で起訴されるとどうなる?

起訴とは、検察官が刑事裁判で訴追することをいいます。

そして、起訴をされると、99.9パーセントの方が有罪となります。

そのため、ほとんどの方に前科がつくこととなってしまいます。

なお、人身事故の場合、怪我の程度が重症でなければ、罰金で済むことも多く、この場合は服役までは必要ありません。

しかし、罰金であっても、刑事罰であることには変わりがないため、前科として残ることとなります。

したがって、人身事故で起訴されるか否かは重要なポイントとなります。

 

 

起訴するか否かの基準とは?

人身事故を起こしてしまった場合、被害者に対する損害賠償責任としての民事上の責任、自動車運転上の過失に対する処罰としての刑事上の責任、運転免許の取扱いについての行政上の責任が問われうる状況に置かれます。

このうち、刑事上の責任を科すか科さないかは、どのような基準に基づいて分けられているのでしょうか。

一口にケースを分かつ基準はありません。

警察官・検察官は、毎日各地で起こる交通事故のうち、処罰を与える必要性が高いものを選定して、裁判所に起訴し、刑事上の責任(罰金刑や懲役刑)を科しています。

 

 

処罰を与える必要性が高いものとは?

では、処罰を与える必要性が高いものとは、どのような人身事故をいうのでしょうか。

重要な要素としては、①過失の内容・程度、②結果の重大性(被害者の傷害の程度)、③同種前科・前歴の有無、④被害者処罰感情などを挙げることができます。

①過失の内容・程度

居眠り運転をしたという場合、その過失は、悪質なものであると評価されます。

居眠り運転は、重大事故を引き起こす危険性が高いからです。

大幅なスピード超過、信号無視などもそうでしょう。

一方で、停止中にブレーキペダルをしっかり踏んでおらずクリープ現象により前の車に追突した事故では、その過失は比較的軽微なものとされることもあるでしょう。

人身に与える影響が大きいとはいえないためです。

②結果の重大性(被害者の傷害の程度)

被害者が死亡するような事故や、重傷を負ったような事故であれば、加害者に同じ過ちを繰り返さぬよう反省を迫ると同時に、同様の事故を起こさぬよう国民に警告をし、交通の安全を守る必要がありますから、処罰を与える必要性が高いものと判断されやすくなります。

打撲程度の傷害であれば、そこまでの必要があるとは考えづらくなるでしょう。

③同種前科・前歴の有無

何度も過失による人身傷害事故を繰り返している者には、強く反省を迫る必要がありますから、処罰を与える必要性が高いと判断されやすくなります。

④被害者処罰感情

被害者が、処罰を求める場合には、被害者救済の観点から、処罰の必要性が高いと判断されやすくなります(ただしこの「④被害者処罰感情」については、大きく重視されません。①過失の内容・程度、②結果の重大性(被害者の傷害の程度)によって客観的に判断する方が、真に処罰の必要性が高い事案に刑事上の責任を科すことができるからです)。

 

 

刑事事件に注力する弁護士にご相談ください

上記の事情のほか、示談を成立させることができた場合や、被害弁償金を支払い被害者の許しを得た場合、今後免許を返上し運転をしないことを誓約した場合等には、刑事上の処分が科されなくなることや、処分が軽くなることがあります。

刑事上の責任を負わされるのか、今後の流れに不安がある方、刑事上の処分について不服のある方、過失の有無について疑義があり争いたいと考えている方、刑事上の処分を軽くするために弁護士を探している方、刑事事件に注力する弁護士が在籍する当事務所へ、お気軽にご連絡ください。

 

 


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