B型肝炎の給付金とは、過去に行われた集団予防接種やツベルクリン反応検査(以下では、これらを合わせて「集団予防接種等」といいます。)において、注射器の使いまわしによってB型肝炎に持続感染している患者またはその遺族に支給される給付金のことです。

集団予防接種等によるB型肝炎の集団感染について国の責任が認められたことをきっかけとして、制度化されました。

B型肝炎の給付金対象者

B型肝炎の給付金を受け取ることができる人は、次の4タイプに分けられます。

給付金の趣旨から、B型肝炎の感染者は、過去の集団予防接種等をきっかけとして感染したといえることが必要です。

  1. ① 一次感染者 : ご自身が集団予防接種等を受けたことでB型肝炎ウイルスに感染した方
  2. ② 二次感染者 : 一次感染者である母親(父親)からの母子(父子)感染によりB型肝炎ウイルスに感染した方
  3. ③ 三次感染者 : 二次感染者である母親(父親)からの母子(父子)感染によりB型肝炎ウイルスに感染した方
  4. ④ ①②③の相続人 : ①②③の方が給付金を受け取る前に亡くなり、その相続人となった方

図にまとめると、以下のようになります。


 
 

給付金対象者にあたることを証明するための要件

給付金の支給を受けるためには、国を相手とする訴訟を行い、その中で給付金対象者にあたるとことを証明することが必要です。

また、訴訟の中で給付対象者にあたることを証明するためには、それぞれ次のような要件をすべて満たすことが必要です。

一次感染者

  1. ① B型肝炎ウイルスに持続感染していること
  2. ② 満7歳になるまでに集団予防接種等を受けていること
  3. ③ 集団予防接種等における注射器の連続使用があったこと
  4. ④ 母子感染または父子感染のいずれでもないこと
  5. ⑤ その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと

二次感染者

  1. ① ご自身がB型肝炎ウイルスに持続感染していること
  2. ② 母親(父親)が一次感染者の要件をすべて満たすこと
  3. ③ 母子(父子)感染であること

三次感染者

  1. ① ご自身がB型肝炎ウイルスに持続感染していること
  2. ② 母親(父親)が二次感染者の要件をすべて満たすこと
  3. ③ 母子(父子)感染であること

相続人

  1. ① 亡くなったご家族が一次感染者、二次感染者または三次感染者に該当していたこと
  2. ② ①のご家族の遺族(相続人)であること

 

B型肝炎でも給付金がもらえない人とは?対象外のケース

B型肝炎に感染していても、上で説明したような要件を1つでも満たさない方や、裁判で対象者にあたることを証明するための証拠を提出できない方は、給付金をもらうことができません。

給付金をもらうことができない代表的なケースは次の5つです。

 

一過性の感染
給付金はB型肝炎に持続感染している方の救済を目的としているため、一過性の感染歴があるだけでは給付金をもらうことはできません。
生年月日が対象期間外
1941(昭和16)年7月2日より前、1988(昭和63)年1月27日より後は、集団予防接種等によるB型肝炎の感染について国に責任があることが認められた期間の範囲外のため、一次感染者としての要件を満たさず、給付金をもらうことはできません。
なお、1988(昭和63)年1月27日より後に生まれた方は、二次感染者にあたる可能性を否定できませんが、1986(昭和61年)以降は、母子感染防止の措置がとられるようになったことから、二次感染者にあたる場合は少なくなっています。
集団予防接種等を受けたのが満7歳の誕生日以降
すでにご説明したように、B型肝炎の給付金は、集団予防接種等が原因でB型肝炎に持続感染した方の救済を目的としていますが、B型肝炎が持続感染化するのは、免疫機能が十分に発達していない乳児や幼児の段階(遅くとも6歳頃まで)で感染した場合であるとされています。
そのため、満7歳以降に集団予防接種等を受けた方は、これらが原因でB型肝炎に持続感染したといえるかが不明なため、一次感染者の要件を満たさず、給付金をもらうことはできません。
集団予防接種等以外の原因による感染
B型肝炎ウイルスは、母子感染や父親などからの家族内感染のほか、輸血による感染、性交渉による感染など、さまざまな原因によって感染しますが、今回の給付金は集団予防接種等によってB型肝炎に感染した方の救済を目的とするため、集団予防接種等と関係なく感染した場合には、一次感染者の要件を満たさず、給付金をもらうことはできません。
給付金の対象者でない母親または父親からの母子(父子)感染
母親または父親からの二次感染が疑われる場合でも、母親または父親が集団予防接種等の影響でB型肝炎に感染したと認められない場合、つまり、母親や父親自身が給付金の対象者にあたらない場合は、ご自身のB型肝炎感染の原因が過去の集団予防接種等にあったということが難しいため、二次感染者としての要件を満たさず、給付金をもらうことはできません。
三次感染者の場合もこれとパラレルに考えることができます。

 
 

B型肝炎の給付金対象者にあたるかの判断に困った場合の対処法

弁護士に相談する

給付金対象者にあたるかどうか、給付金を受け取るためにどのような手続きが必要か、どのように証拠を準備したらよいのか、などの判断には専門的な知識が必要となります。

実は給付金の対象者だったのに自己判断でもらえないと決めつけてしまった、などというもったいない結末を避けるために、弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。

厚生労働省の相談窓口を利用する

いきなり弁護士に相談するのは心理的にハードルが高いという方は、B型肝炎訴訟に関する厚生労働省の電話相談窓口に相談してみるのも良いでしょう。

 

参考:厚生労働省|B型肝炎訴訟について

 

 

まとめ

B型肝の給付金をもらうことができる対象者は、①一次感染者、②二次感染者、③三次感染者、④これらの方の相続人です。

対象者にあたると認められるためには、それぞれ一定の要件を満たす必要があり、さらにそれを証明する必要があります。

要件をひとつでも満たさない場合や、要件を満たす証拠を提出することができない場合は、給付金をもらうことができません。

給付金対象者にあたるかどうかの判断は専門的な知識を必要とする部分がありますので、少しでも迷ったら自己判断せずに、弁護士などの専門家に相談してみることをおすすめします。