解決事例

相続の調停を1回で終わらせるには?【弁護士が事例で解説】

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

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当事務所の相続対策チームには、このような相続問題に関するご相談が多く寄せられています。

ここでは、実際の解決事例をもとに解説しますので、ご参考にされてください。

 

状況

被相続人 80歳で死亡(Tさん) 遺産:不明
相続人 配偶者Xさん、子どもAさん、Bさん
相談者 Xさん

 

 

相談の経過

Xさんは、配偶者のTさんを亡くし、そのときに遺言によってすべて遺産を相続しました。

その当時、他の相続人も納得していましたが、それから1年以上が経過した時点で、Bさんがそのことに不満を漏らしはじめ、やはり自分が財産をもらう、遺産の開示をしろと言い出しました。

Xさんは、自分の子どもなので丁寧に対応していましたが、それも功を奏さず、Bさんは調停を申し立ててきました。

そこで、困ったXさんは、今後のことについて、弁護士に相談しました。

 

 

弁護士の関わり

Xさんから相談を受けた弁護士は、Xさんは、Bさんの請求に何ら応じる必要がないこと、調停も一回で終わらせるようにすべきことを提案しました。

そして、弁護士はBさんの請求がまったく理由のないものであって、調停を不成立で終わらせるために丁寧に事実を聞き取りして書面として裁判所に提出しました。

そして、期日の当日には、こちらは説明する用意があることを調停委員に伝え、相手の納得が得られない場合でもこれ以降は調停に応じる予定がないことを伝えました。

Bさんは、Xさんの説明を全く聞き入れず、罵詈雑言を述べていたため、調停委員も不成立ということに納得し、結果として、第1回期日で調停を不成立として終えることができました。

 

 

補足

遺言によって特定の相続人にすべての遺産を相続させることが書いてることは少なくなく、その場合には他の相続人には遺留分という最低限もらえる権利があります。

しかし、この遺留分を請求する権利は、自分に遺留分があることを知ってから1年以内に請求することが必要になるため、1年以上が経過した時点で遺留分を主張しても時効によって、その請求を認めてもらうことはできません。

本件では、問題となるのは遺留分でしたが、遺留分の請求も時効だったため、その主張をすることで請求を退けることができました。

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しかし、調停は話し合いの場なので、時効にかかっているとしても、話し合いはできるとされ、何回も調停期日行かなければならなくなる可能性もあります。

その点、弁護士が就くことで、裁判所に法的な請求権がないことをしっかりと伝え、そのうえで、話し合いは今後続けることはない意志を明確にして、早期に解決することができたといえます。

どうしても請求をされると、その請求が正しいのか法的に判断が必要になりますし、調停になると、法的な話だけではないため、法的に義務のないことを約束してしまったりすることもあり得ますから、まずはしっかりと弁護士に相談しに行くことが重要です。

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