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それでは、今月のメルマガ情報についてご紹介いたします。

 

今月の情報

● 引抜き行為に関する法務問題

● 求人広告をめぐるトラブルにご注意ください

 

 

引抜き行為に関する法務問題

深刻な人手不足が叫ばれている中で、今後、人材の引抜き(ヘッドハンティング)が盛んになっていく可能性があります。

そこで、今月のメルマガでは、自社が他社の従業員等を引き抜く場面と、他社が自社の従業員等を引き抜く場面での法律問題について取り上げます。

 

他社の従業員等を引き抜く場合の注意点


他社の役員や従業員を引き抜く際には、以下の3点に気を付ける必要があります。

① 在任・在職中の役員や従業員を介した勧誘・引抜き行為を控えること

他社に在任・在職している役員や従業員を利用して行う他社の従業員等への勧誘・引抜き行為は、役員や従業員が退任・退職後に勧誘・引抜き行為を行う場合に比して厳しく違法性が判断されることになるため、これはできる限り控えるべきでしょう。

 

② 引抜き禁止の合意の有無及び内容等を調査すること

他社をすでに退任または退職した役員や従業員を介する勧誘・引抜き行為であっても、その役員や従業員が依然として他社に対して引抜き禁止の義務を負っている場合には、引抜き禁止の義務を負う元役員等を利用する不当な態様の引抜き行為として違法性が認められやすくなるのではないかと考えられます。

そこで、他社をすでに退任または退職した役員や従業員であっても、合意や就業規則等により勧誘・引抜きが禁止されていないかどうかを調べることが必要です。

なお、他社から役員や従業員を引き抜いたいいものの実は競業避止義務を課されており、自社の業務に関与できないという事態を避けるために競業避止義務の有無や内容、有効性についても予め確認すべきです。

 

③ 勧誘・引抜き行為の目的や態様の正当性、勧誘・引抜き行為が他社へ与える影響に配慮すること

勧誘・引抜き行為が虚偽の説明を用いるなど不当・違法な態様でなされた場合や、引抜きの時期や人数に照らして他社の業務に重大な支障が生じる場合などは引抜き行為の違法性が認められやすい傾向にあります。

そのため、勧誘・引抜き行為を行う際には勧誘・引抜き方法の正当性や引抜き行為が他社へ与える大きさ等について慎重に検討した上、違法な引抜きと判断されないような行動をとるべきです。

 

 

他社からの引抜き行為への対策


まず、勧誘・引抜き行為への事前の対策としては主に以下の2つが考えられます。

① 引抜き禁止に関する合意・就業規則の策定

まず、自社の役員や従業員との間で、その在任・在職中及び退任・退職後にて自社の役員や従業員を勧誘・引抜きしない旨の合意をしたり、その旨の就業規則を設けることが重要です。

これにより、役員や従業員が退任ないし退職した後でも、その役員や従業員が自社の従業員等に対して勧誘・引抜き行為を行うことを禁止することが出来ます。

そして、上記の合意や就業規則の中に勧誘・引抜き行為を行った場合の違約金に関する条項を盛り込んだり、退職金の減額や支払い済みの退職金の返還に関する条項を盛り込むことで、勧誘・引抜き行為の禁止についての実効性を持たせることが期待できます。

もっとも、勧誘・引抜き行為の禁止の内容次第では合意や就業規則の内容が無効と判断される恐れはありますので、勧誘・引抜き行為を禁止する合意や就業規則の策定を検討する場合には弁護士によるリーガルチェックをお勧めします。

 

② 競業避止義務の合意、就業規則

退任・退職後の競業避止義務を課しておくことで引き抜かれる役員や従業員が競業他社で稼働することを防止することが出来ます。

もっとも、競業避止義務に関する合意や就業規則についても、その内容が無効と判断される恐れはありますので弁護士によるリーガルチェックをお勧めします。

 

次に、事後的な救済措置としては以下の2つが考えられます。


③ 差止請求

違法な勧誘・引抜き行為に対しては差止請求を行うことが可能です。

もっとも、勧誘・引抜き行為は、内部的に行われるのが通常ですので、勧誘・引抜き行為があったことを証明することは容易ではありません。

 

④ 損害賠償請求

違法な勧誘・引抜き行為と因果関係がある損害としては、引き抜かれた従業員が在職していたとすれば得られたであろう利益のうち当該従業員の代替者を補充するのに必要な一定期間の損害を請求することが可能です。

 

 

求人広告トラブルにご注意ください。

突然、電話やFAXにより、「インターネット上に無料で求人広告を掲載しないか。」との勧誘があり、無料であればということで実際に求人広告を掲載すると、無料期間の経過後に自動で有料契約に移行し多額の広告料金を請求されるというものです。

このようなトラブルが全国的に多発しており、厚生労働省から企業に対する注意喚起がなされています。

このような業者は相手にせず、何らの契約も締結しないに越したことはありません。

しかし、このような業者とすでに契約してしまったという場合には、以下のような対策を取る必要がありますので、すでに契約してしまっている場合には早急に弁護士にご相談ください。

 

取るべき対応

① 解約通知の送付

このような業者からの請求に対しては、まずは契約の有効性を認めるものではない旨の留保を付した上で解約する旨の通知を送るべきです。


② 契約の有効性を争う

次に、解約通知と同時または解約通知後に契約の有効性を争うべきです。

具体的には契約の不成立、錯誤無効(民法第95条)や詐欺取消し(民法第96条第1項)等の主張を行うことで契約の有効性を争える可能性があります。


③ 訴訟を提起された場合はどうすればよい?

上記の(1)及び(2)の対応をすることで業者からの請求が止まり、その後は何も請求されなくなることは少なくありませんが、(1)や(2)の対応をしても訴訟を提起される場合がないわけではありません。

訴訟を提起されたにもかかわらず放置しておくと、業者側の主張が全面的に認められてしまう恐れがありますので、訴訟を提起された場合には裁判への対応が必要になります。

 

いずれにしても、一度業者に金銭を支払ってしまうとこれを回収することは困難ですので、業者に対してはお金を払わないという対応が重要です。

 

労働問題について、詳しくは弊社労働HPをご覧ください。
http://www.fukuoka-roumu.jp/

 

(執筆者:小村 良之)

 

 

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