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それでは、今月のメルマガ情報についてご紹介いたします。

 

今月の情報

●経営危機の対処を考えていますか?~事業再生の仕組みを説明します~

●ポイントはキャッシュフローと営業利益

●中小企業再生支援協議会とは

●第二会社方式とは

 

 

経営危機の対処を考えていますか?~事業再生の仕組みを説明します~

事業再生とは、資金繰りに行き詰った経営危機の企業だけの問題ではありません。

むしろ、会社経営上、何らかの問題が発生したときには、すぐに内外の人材を活用して解決を試みるという、企業にとって当然のリスク管理の延長線上にあり、全ての企業が常に直面している問題とも密接に関連しています。

例えば、ある企業が人材不足に陥ったとします。

人材不足による倒産は近年増加傾向にありますが、人材不足は事業運営上大きな問題に発展することが多々あります。

人材不足の状態を何もせずに放置すると、近い将来、経営危機に陥ることは容易に想像できると思います。

そこで、人材不足という問題が発生したときに、専門家に相談するなどして、人材不足解消を試みたり、事業の縮小をするなどして、人材不足による経営危機を回避するという企業・経営者にとって、当然のリスク管理の延長線上に、事業再生は位置付けられるのです。

そして、企業の財務状態が悪化すればするほど事業再生の成功可能性は低くなり、企業の財務状態が健全な状態で事業再生に着手することで企業の再建を成功へ導くことが可能となります。

すなわち、事業再生は、経営危機の企業だけの問題ではなく、むしろ、健全な企業の経営者こそ常に考えておくべき問題といえるのです。

 

ポイントはキャッシュフローと営業利益

事業再生を最終的に成功に導くためには、再生可能性の判断をすることが求められます。

すなわち、事業再生に着手しても再生可能性に乏しい場合には、労力や費用をかけたものの結局破産に至ってしまい、初めから破産をしていた方が債権者に十分な配当をすることができたにも関わらず、事業再生に着手した結果として債権者に必要以上の損失を与えてしまう可能性があるからです。

そこで、第1のステップとして事業再生による再生可能性の判断を適切に行うことが重要です。

そして、再生可能性の判断においては、あらゆる側面から企業価値を適正に審査・判断する必要がありますが、主たるチェックポイントは、キャッシュフローと営業利益です。

再生可能性とは、簡単に言えば、「返済可能キャッシュフローの改善及び実質債務超過解消を果たすために十分な収益を今後安定的に計上できるかどうか」を判断するということです。

そして、事業再生に着手する企業の多くは、キャッシュフロー及び収益計上に問題があり、企業内外に多くの問題を抱えています。

そのため、まずは、そのキャッシュフロー及び収益計上を阻害する要因を明らかにし、当該要因を除去し、改善する施策を作らなければなりません。

 

中小企業再生支援協議会とは

事業再生の手法の1つで、近年増加しているのが、中小企業再生支援協議会による事業再生です。

中小企業再生支援協議会とは、中小企業の事業再生に向けた取り組みを支援するため、産業競争力強化法に基づき、47都道府県に設置された「国の公的機関」(経済産業省委託事業)です。

福岡県では福岡商工会議所が受託・運営をしています。

 

⑴ 基本スキーム①(従来型)

はじめに、財務上の問題を抱えている企業が福岡県中小企業再生支援協議会(以下、「支援協」といいます。)に再生支援の要請を行い、資料の提出・ヒアリング・簡易調査・検討が行われます。

そして、調査の結果、主力債権者の協力が得ることができ、数値基準達成の見込みがある場合には、外部専門家の選定が行われ、事業再生が着手されます(主力債権者の協力が得られない場合等には、経営計画策定アドバイスなどを行います。)。

まずは、企業規模や特色に応じ個別支援チーム(会計士や税理士、弁護士など)が編成され、財務・事業の実態調査をします。

また、それぞれの企業に応じた経営改善計画書を作成します。

そして、作成された経営改善計画書に基づき金融機関に対し支援要請を行い、金融機関からの同意を得られれば、計画書に基づいて実行に移り、計画書の実行中も支援協がモニタリングをし、計画書の遂行を監督・補助します。

 

⑵ 基本スキーム②(持込型)

持込型の特徴は、相談があった事業者と金融機関が連携し、計画(原案)を企業や金融機関等が持ち込み、それを支援協がチェックするスキームで、時間の短縮と費用の節約をすることができます。

具体的には、まずは、企業と金融機関が連携し、再建計画(原案)を作成することからスタートします。

そして、同原案を支援協に持ち込み、支援協は、同原案が公正かつ妥当で経済合理性を有するものかを調査します。

その後、支援協の協力の下、経営改善計画書を策定します。

最後に、債権者間の調整を行い、経営改善計画書の同意を得られれば、計画実施の支援を行います。

 

第二会社方式とは

⑴ 増加傾向にある第二会社方式

従来の会社から資産を譲渡したり、事業を譲渡したり、あるいは会社分割などの方法で、事業を第二会社に移転する方法です。

「経営責任」という金融機関の論理を勘案すると、従来の企業が債権放棄に応じることが困難な場合もあります。

その場合、新しい第二会社を利用して債権の放棄を受けられることがあります。

そして、従来の企業は、残務整理を行うことになります。

なぜなら、第二会社には事業継続に見合う範囲の負債を移転しただけで、その余の部分、すなわち債務超過部分は従来の会社に残っているからです。

そして、残務整理の方法には、破産申立てなどを行うことになります。

 

⑵ 基本スキーム

はじめに、従来の企業における再建計画書及び第二会社における事業計画書を策定し、計画書に基づき債権者に第二会社方式に理解・協力を得る必要があります。

経営に行き詰まり返済が出来なくなったからといって、すぐに第二会社を設立して事業譲渡することで債権放棄を受けられるというわけにはいきません。

債権者の認める範囲で、債権者の立場に配慮しながら落しどころを探る必要があります。

債権者の合意が得られれば実行に移ります。

収益用不動産のような資産のみを第二会社に譲渡する「資産譲渡」、黒字の事業をまるごと第二会社に譲渡する「事業譲渡」などによって、業績の良い部門のみを第二会社で引き取ります。

そして、従来の企業は、破産申立てをするなどして清算することになります。

その際に、第二会社に従来の企業の倒産の影響(連鎖倒産など)が及ばないよう注意する必要があります。

事業再生のサポートについて、詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.daylight-law.jp/110/110017/

 

(執筆者:米盛 太紀)

 

 

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