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それでは、今月のメルマガ情報についてご紹介いたします。

 

今月の情報

・下請法違反について
・改正入管法が成立しました

 

下請法違反について

■最近のニュース

先日、公正取引委員会が、株式会社サンリオに対して、下請代金支払遅延等防止法(下請法)違反があったとして、勧告を行ったとの報道がありました。

下請法第4条第1項第4号(返品の禁止)及び同条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)の違反があったとのことです。

 

■下請法とは

親事業者と下請事業者との間の取引は、その力関係(親事業者の優越的地位)から、ともすると不公正になる傾向があります。

下請法は、そうした場合に、下請事業者の利益を保護することを目的とする法律です。

例えば、ある下請取引について、通常支払われる対価に比べて著しく低い価格を下請事業者に押し付ける場合(買いたたき)などが、下請法に違反する場合に該当します。

下請法については、

A:そもそも下請法が適用される下請取引に該当するかどうか
B:親事業者の義務
C:親事業者の禁止行為
D:義務違反、禁止行為が行われた場合にどうなるかという点を押さえておくことが重要です。

本稿では、上記のうち、A・Cについて説明をいたします。

 

■下請法が適用される下請取引

すべての下請取引に対して、下請法が適用されるわけではなく、ある一定の取引について下請法が適用されます。

下請法の適用される下請取引に該当するかどうかについては、取引当事者の取引内容と資本金規模により決まってきます。

取引内容は、大きく(1)製造委託、(2)修理委託、(3)情報成果物作成委託、(4)役務提供委託の4つに分類されます。

そして、資本金規模と併せて下請法が適用されるかどうかが決まります。

具体的には、以下のア、イのとおりです。

  1. 1.物品の製造委託・修理委託
  2. 2.プログラムの作成委託
  3. 3.運送、物品の倉庫における保管及び情報処理に係る役務提供委託の場合、

(親事業者)           (下請事業者)
・資本金3億円超    →  資本金3億円以下
・資本金1千万円超3億円以下   →  資本金1千万円以下となります。

情報成果物作成・役務提供委託を行う場合(アの情報成果物作成・役務提供委託を除く)
(親事業者)           (下請事業者)
・資本金5千万円超       →  資本金5千万円以下
・資本金1千万円超5千万円以下  →  資本金1千万円以下となります。

ですので、例えば、A社(資本金6000万円)がB社(資本金5000万円)に対して、ポスターのデザインを委託する場合は、下請法の適用される取引になります(上記イの類型)。

 

■親事業者の禁止行為

下請法では、親事業者が下請事業者に対して行ってはならない行為として、11項目の禁止事項をあげています。

下記禁止事項に該当する行為は、下請事業者と合意している場合であっても、また、親事業者として違法性の認識がない場合であっても下請法違反となります。

○受取拒否
親事業者が下請事業者に発注した物品等を下請事業者が納入してきた場合、下請事業者に責任がないのに、その受取りを拒むことをいいます。

○下請代金の支払い遅延
親事業者が、下請事業者から物品等を受領した日(役務提供委託の場合は、役務の提供を受けた日)から60日以内に定めた支払期日までに下請代金を支払わないことをいいます。

○下請代金の減額
親事業者が、下請事業者に責任がないにもかかわらず、発注時に定められた下請代金額から一定額を減額することをいいます。

○返品
親事業者が、下請事業者から納入された物品等を受領した後に、下請事業者に責任がないのに引き取らせることをいいます。

○買いたたき
親事業者が、発注に際して下請代金を決定するときに、発注内容と同種又は類似の内容に対して通常支払われる対価に比べて著しく低い下請代金を定めることをいいます。

○購入強制・利用強制
親事業者が、正当な理由がないのに、下請事業者に親事業者の指定する物(自社製品、原材料等)を強制的に購入させたり、サービス等を強制的に利用させて対価を支払わせることをいいます。

○報復措置の禁止
下請事業者が、親事業者の下請法違反行為を公正取引委員会、中小企業庁長官に知らせたことを理由に、その下請事業者との取引を停止する等の不利益な取り扱いをすることをいいます。

○有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止
親事業者が、下請事業者の給付に必要な半製品、部品、付属品又は原材料を有償で支給している場合に、下請事業者の責任ではないのに、有償で支給した原材料等を用いて製造又は修理した物品の下請代金の支払期日より早い時期に当該原材料等の対価を下請事業者に支払わせたり、下請代金から控除(相殺)することをいいます。

(例)親事業者が下請事業者に、食品の製造を委託しているところ、親事業者は食品の原材料を有償で支給していた。
ところが、下請事業者が製造加工して納品するまでの期間を考慮せずに、有償支給した原材料の代金を下請代金から控除していた。

※例えば、親事業者が9月1日に、下請事業者 に原材料を支給し、これを用いて下請事業者が製品を作り、10月1日に納品された(この製品の代金支払期日は、11月30日だった)。ところが、親事業者が10月31日に支払う別の下請代金からこの原材料費を控除すると、下請代金の支払期日(11月30日)より早い時期に決済をしたことになります。

○割引困難な手形の交付
下請代金の支払いを手形で行う場合、一般の金融機関で割り引くことが困難な手形を交付することをいいます。

○不当な経済上の利益の提供要請の禁止
親事業者が、下請事業者に対して、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させて、下請事業者の利益を不当に害することをいいます。
例えば、次のような場合です。

(例)親事業者は、下請事業者に、食料品の製造を委託していたところ、当該下請事業者に年度末の決算対策として、協賛金の提供を要請し、指定口座に振り込ませた。
※協賛金が、「経済上の利益」に該当します。

○不当な給付内容の変更・やり直し
親事業者が、下請事業者に責任がないのに、下請事業者に対して、発注の取消しや発注内容の変更を行い又は給付の受領後にやり直しをさせて、下請事業者の利益を不当に害することをいいます。
例えば、次のような場合です。

(例)親事業者は、下請事業者に部品の製造を委託し、これを受けて下請事業者は部品の原材料を調達した。それにもかかわらず、親事業者は輸出向け製品の売行きが悪く製品在庫が急増したという理由で、下請事業者が要した費用を支払うことなく、発注した部品の発注を取り消した。

 

■下請法に関してのご相談

下請法に関しては、
・そもそも下請法が適用される取引に該当するのか
・親事業者の義務
・禁止事項は何か
・違反するとどうなるか等、様々な考慮が必要になります。

そして、企業の日々の取引の中で、下請法が関連してくる場面も少なくないですし、そういった問題に直面した場合、判断に悩む場合もあるかと思います。

もし、下請法関連でお悩みの方は、是非ご相談ください。弊所の企業法務部では、こうしたご相談にも対応しています。

なお、企業法務部について、詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.daylight-law.jp/kigyohomu.html

 

 

改正入管法が成立しました

平成30年12月8日、国会において、「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が成立し、同月14日に交付されました。

同改正法は、2019年4月から施行されることになっており、今後、詳細な制度設計が随時なされていくことになります。

この改正は、連日テレビ等のメディアで取り上げられることが多かったため、ご存知の方も多いかと思います。

今後、具体的な運用の中で様々な課題や問題点が見えてくることになります。

 

■新たな在留資格の創設等

改正入管法では、新たな外国人材受入れのための在留資格として、
・特定技能1号
・特定技能2号が創設されました。

そもそも、在留資格とは、外国人が日本に在留することのできる資格をいいます。

この在留資格がないと、不法入国、不法上陸、不法滞在として、強制退去の対象になり得ます。

そして、今回、新たな在留資格として上記在留資格が創設されることになりました。

この改正が大きく取り上げられている理由には様々な要素がありますが、中でも、
・対象業種の多さ
・受入れ人数の多さがあるからではないかと思います。

「特定技能1号」の在留資格を与える業種は14業種となります。また、「特定技能2号」の在留資格を与える業種は「建設」「造船・舶用」の2業種となる見込みです。

これだけ多くの業種が対象になるとすると、産業界への影響もそれだけ大きいと考えられます。

また、「特定技能」の資格によって受け入れる外国人の人数の上限について、5年間で合計約34万5000人となります。

現在、日本の外国人労働者は約128万人ですが、短期間に多くの外国人労働者を受け入れることによる影響やそのための制度設計をどうするかが懸念されているといえます。

 

■特定技能1号・2号

特定技能1号は「相当程度の知識又は経験を要する技能」を要する業務に従事する外国人に、特定技能2号は「熟練した技能」を要する業務に従事する外国人に与えられます。

つまり、特定技能2号の在留資格を取得する方が特定技能1号の在留資格を取得するのに比べて、より高度の技能が必要になります。

そして、特定技能2号の在留期間が外国人が「永住者」の在留資格を取得するために必要な10年の在留期間に含まれる(※)とすると、将来的には多くの外国人が「永住者」の在留資格を取得することにつながり、それはつまり「移民」につながるのではないかという点が議論になっています。

※日本には、「永住者」という在留資格があります。この在留資格は、就労制限がない等の理由でかなり優遇された在留資格といえます。そして、この在留資格取得のためには様々な要件があるのですが、そのうちの1つに「原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する」とされています。

現在のところ、特定技能2号の在留資格を与える業種の数はそれほど多くならない見通しですが、どうなるかがまだ分からないため、この点は今後の課題といえます。

 

■外国人雇用チーム

運用の詳細については今後の審議等が待たれる状況ですが、いずれにしても今後多くの外国人労働者が日本に来ることは間違いありません。

そのため、外国人を雇用するという企業が増えることが予想されます。

弊所では、こうしたニーズに対応すべく、外国人雇用チームを立ち上げ、外国人採用をご検討されている企業様のサポートをさせていただいております。

また、今後も、上記改正内容も含めて、様々な情報発信をしていきたいと考えております。

今後、外国人採用をご検討されている企業様は是非ご相談ください。

弊所の外国人雇用や入管問題について、詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.daylight-law.jp/110/113/

 

(執筆者:森内公彦)

 

 

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