デイライトプラス 平成30年6月号



弁護士が教える! ビジネスに役立つ法律情報!
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法律のプロだから話せる実際の事例や最新の法律にまつわる情報をお届けします!

それでは、今月のメルマガ情報についてご紹介いたします。

 

今月の情報

・司法取引制度が運用開始しました
・司法取引の具体例(贈賄事件を例として)
・企業として考えるべき問題点

 

司法取引制度が運用開始しました

2016年6月3日、「刑事訴訟法等の一部を改正する法律」が公布され、順次施行されている状況ですが、今月、2018年6月1日から、刑訴法改正の目玉とされていた「証拠収集等への協力および訴追に関する合意」(以下、単に「司法取引」といいます)制度が開始されました。

司法取引制度は、刑事訴訟法上初めて、被疑者・被告人と捜査機関との取引を公認するものです。なお、海外には自らの犯罪を自白する代わりにその犯罪の量刑を軽くしてもらう「自己負罪型」の取引制度もありますが、日本が採用したのは、他人の刑事事件の解明に協力する代わりに、自らの犯罪の量刑を軽くしてもらう「捜査・公判協力型」の取引です。

司法取引が成立すれば、他人の刑事事件に関し、被疑者・被告人が、取調べで真実の供述をしたり、証人尋問で真実の供述をしたり、証拠提出等の必要な協力をすることで、検察官から、(自身の刑事事件に関し、)不起訴、罰金、執行猶予、減刑等の有利な処分を受けることができます。

詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www.keiji-lawyer.jp/column/column6/

 

司法取引の具体例(贈賄事件を例として)

【事例】
株式会社A(以下A社)は、広大な土地をI市に所有していました。A社は業績不振が続き、土地を売却し現金化する必要に迫られ、買い手を探していました。
I市の市長Xは、その話を聞きつけ、自ら交渉に乗り出し、I市として2億円以上を支出し、土地を購入することに決めました。
後に、Xが取引直後、A社従業員Yから、現金1000万円を受け取っていることが判明しました。Yは、A社の代表取締役Zから贈賄の指示を受けていました。
XとYとが逮捕されましたが、Yは自白をしている一方、市長Xは、「Yにお金を貸していて、その返済を受けただけだ。」と容疑を否認しています。

【解説】
Yの行為は、職務関連性、賄賂性などが認められれば、刑法第198条(贈賄罪)に該当します。
従前は、Yを処罰できてはいたものの、Yに指示を出していた本元である代表取締役Zを処罰することには困難が伴ってきました。それは、Yにとって、Zにも責任があることを捜査機関に密告するメリットが無かったためです(むしろA社やZからの仕返しを恐れます)。
しかし今後は、司法取引によりメリットを感じることができます。すなわち、Zからの指示を受けたこと、今回以外にも余罪がありそれがZの指示に基づくこと等を供述することによって、不起訴処分、罰金刑、執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
Yとしては、供述をすると共に、裏づけとなる機密資料(証拠)の所在を捜査機関に伝え、自らの供述に信用性があることを示そうとします。
結果、司法取引成立の可能性が高まり、Zの逮捕・起訴が近づきます。

また、市長Xが賄賂性を否認していますから、検察官としては、賄賂性を立証するために、司法取引を利用するかもしれません。
その場合、Yとしては、Xとの金銭の貸し借りが過去に無かったことを示す証拠や、「賄賂として」1000万円を手渡したことを示すメールや書面のやり取り、メモ等の証拠を提出することによって、不起訴処分等を獲得できる可能性があります。

検察官が、司法取引の対象事件(「他人の刑事事件」)として、Xの事件を選ぶのか、Zの事件を選ぶのかは、いずれが主導して贈収賄事件が起きたのか、いずれに余罪も含め悪質性が認められるか等を総合考慮して判断することになるでしょう。

 

弁護士によるサポートについて

司法取引により、企業に生じうる問題として、以下のものがあります。

(1)違法か否かの判断が難しい場合がある
(2)防止方法がわからない
(3)引き込みの危険
(4)司法取引を行うべきか否かわからない

【当事務所の弁護士サポートのメリット】

当事務所の刑事事件チームは、刑事事件に注力する弁護士で構成されており、司法取引や企業のコンプライアンスに精通しています。

当事務所の顧問弁護については、こちらをご覧ください。
https://www.komon-lawyer.jp/

刑事弁護については、こちらをご覧ください。
https://www.keiji-lawyer.jp/

 

(執筆者:牟田口裕史)

 

 

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