7月11日『働き方改革実現の労務管理』を出版しました。

当事務所の弁護士が執筆した『働き方改革実現の労務管理』が2018年7月11日、中央経済社より出版されました。

2018年6月、いわゆる働き方改革関連法案が成立したました。

これにより、企業は、長時間労働の是正、同一労働同一賃金などの対応を余儀なくされます。

この書籍は、改正法の中身について、労働問題に精通した弁護士4名が詳細に解説しています。

また、改正法にとどまらず、企業が持続的に発展していくために有益なダイバーシティ・マネジメントについても解説しています。

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書籍のコンセプトの紹介

「働き方改革なくして日本企業の持続的な成長はない。」

企業側の労働問題に携わる弁護士として、また、経営コンサルタントとして、日々感じています。

このように感じる背景として、まず、人口減少と少子高齢化による労働人口の減少があげられます。政府の試算によれば、就業者数は現状のままでは2030年には5561万人にまで減少する(2015年の6376万人から約13パーセントもの減少)と見込まれています(総務省「労働力調査」)。

追いかける男性働き手の減少は、人件費の高騰をもたらし、資金繰りを悪化させます。中小企業ほど、労働人口の減少は深刻な影響を受けると思われます。実際に、つい最近では、「人手不足倒産」という単語を耳にするようになりました。

次に、日本は労働生産性が低いということが懸念されます。すなわち、日本は、欧米諸国と比較して就業1時間あたりに生み出す付加価値の量(国内総生産額)が低いと指摘されています。

労働生産性の低さは、日本企業の国際競争力の低さを示唆しています。また、長時間労働は、社員の健康を蝕みます。ローマ字で「karōshi」という言葉が英語辞典に掲載されるほど、日本の長時間労働や仕事上のストレスによる過労死は、社会問題化しています。

このような危機的状況を背景として、今国会(第196回国会)において、働き方改革を推進するための各種改正法が成立しました。

改正の対象となった法律は、労働基準法のほか、雇用対策法、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律等多岐にわたります。

改正法の概要は、労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的かつ継続的に推進するために、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等のための措置を講ずるというものです。

これらの改正が企業の労務管理に与える影響は極めて大きいと考えられます。また、改正法の施行日ですが、雇用対策法は公布日、その他の法律も早ければ平成31年4月1日と、時間的余裕はありません。

また、企業は法改正に対処するだけでは決して十分とはいえません。売り手市場の中、企業が持続的に成長するためには、法改正に対応するのは当然として、創意工夫をもってダイバーシティ・マネジメントを推進すべきです。ダイバーシティ・マネジメントとは、これまで採用を控えていた子育て中の女性や高齢者、外国人など多種多様な人材を確保し、生産性の向上につなげていこうとする経営方針です。

本書は、このような問題意識のもと、企業側の労働問題に注力する弁護士4名が「働き方改革」関連法案の趣旨を踏まえて、法改正への対応と、ダイバーシティ・マネジメントについて解説したものです。

本書の構成は、改革の3本柱である、長時間労働の是正、脱時間給、同一労働同一賃金について、第1章から第3章でくわしく解説しています。

ここでは、法改正に対応すべく、スケジュールを図示して社内整備の進め方を具体的に解説しています。なお、裁量労働制の拡大については、今国会への提出は見送られました。しかし、次期以降の国会において改正される可能性があるので、補論として改正法案の内容等を解説しています。

また、改正法以外の労働生産性を向上させる取り組みを含めた諸施策について、第4章から第6章で紹介しています。ここでは、ダイバーシティ・マネジメントを推進するために、法律に加えて経営コンサルティングの視点を付加して解説しています。

これらの諸施策を通じて、企業における働き方は大幅に改革できると考えています。

改正法に対応するための早期刊行を優先したため、内容に不備な点、十分に詰められていない点もあろうかと思いますが、本書が企業の人材戦略の参考図書として、持続的な成長のお役に立てれば、望外の喜びです。

 

 

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