1 行政訴訟とは

行政訴訟とは、行政事件に関する訴訟のことで、公権力の行使の適法性などを争い、その取り消し・変更などを求める訴訟のことです。通常の民事訴訟の特別法である行政事件訴訟法という法律によって原則的な形態が定められています。

 

2 行政訴訟の注意点

行政訴訟において、気をつけなければならないのは出訴期間の制限です。行政訴訟において、中心となるのは取消訴訟という形態ですが、この出訴期間は、処分を知った日から6か月であり、非常に短いです。処分があった後、迅速に動かないと取消訴訟は提起できなくなるので注意が必要です。

 

3 ケースごとの訴訟の仕方

①在留資格の更新や取得の申請が不許可となった場合

この場合、不許可処分の取消訴訟を提起することとなります。なお、取消訴訟はその名のとおり、不許可処分を取り消す訴訟ですので、法的には許可を与えるものではありません。

しかし、不許可処分の取り消しが認められると、入国管理局は再度審査をしなければならず、その際、違法と判断された前の処分と同じ理由で不許可処分にすることは許されていません。したがって、ほとんどの場合は、取消訴訟で勝訴すると、許可を与えてくれると考えていいでしょう。

 

②強制送還を停止したい場合

この場合、まずは退去強制令書発付手続に対する取消訴訟が考えられます。次に、退去強制令書を発付する前段階において、法務大臣(若しくは入国管理局長)が裁決を下している場合、当該裁決を争う方法も考えられます。裁決の違法性が認められれば、退去強制令書発付処分の取消訴訟の中で、「裁決が違法だから退去強制令書発付処分も違法である。」との主張ができるでしょう。

また、退去強制令書を争う訴訟を提起しても、それだけで行政手続が停止されることにはなりませんので、執行停止を併せて申し立てるべきです。

 

③収容からの解放を求める場合

収容令書による収容の場合、収容令書に対する取消訴訟を提起し、併せて執行停止を申し立てる方法があります。退去強制令書による収容の場合、退去強制令書発付処分の取消訴訟を提起して、併せて執行停止を申立てる方法があります。

上記のとおり、収容からの解放を求める場合、二つの処分を対象とできますが、実務上は後者の方法を取ることが多いでしょう。

すなわち、収容令書による収容期間は、最大で60日間(原則として30日間、やむを得ない事情がある場合、もう30日間の延長)に限られており、その後、退去強制令書による収容があります。この退去強制令書による収容の期間は、法律上は無期限です。そのため退去強制令書による収容の段階で争うことが多いのです。

 

 

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