外国人雇用は採用業務から始まります。この業務に関して、留意点を解説します。

1 雇用契約書を作成する

IMG_4883日本人を採用する場合でも、労働契約の締結に際し、使用者は賃金、労働時間等の法所定の労働条件を明示しなければなりません(労基法15①)。

このように法は、労働条件の通知を義務づけるだけですが、できれば雇用契約書を作成しておくべきです。すなわち、労働条件の通知は、使用者の一方的な意思 表示であるのに対し、雇用契約書は労使の合意書です。労働者の署名が記載された雇用契約書があれば、契約内容をめぐるトラブルを回避できます。

特に、外国人は日本人よりも契約意識が高い傾向にあります。雇用契約書に記載していない事項にいては、そもそも労務を提供する義務がないという考えの方が多くいます。例えば、雇用契約書に残業について記載していなければ、「そんなこと契約条項にない」などと言って、ほかの日本人が残業していても一人だけ帰宅してしまうようなことが起きます。

したがって、日本人を雇用する場合よりも詳細な労働条件を記載した契約書を作成しておいた方がよいでしょう。そして、雇用契約書の作成については、今後のトラブルを防止するために、労働問題に詳しい弁護士に作成してもらうことが望ましいでしょう。

また、日本語を理解できない外国人の場合、雇用契約書を作成していても、「契約内容を理解していなかったから無効だ」などと主張されるおそれもあります。そこで、日本語並記の英語等の雇用契約書を作成しておくことをお勧めします。

なお、当事務所は、弁護士が労働法令に強いだけでなく、英語や中国語等にも対応していますので、外国人相手の雇用契約書も作成可能です。

 

 

2 入社時に誓約書等の書類を提出させる

日本人労働者を採用する場合、多くの企業では、雇用契約書以外に、秘密保持誓約書、入社誓約書、身元保証書等を提出させています。今後のトラブル防止のために、外国人に対しても同様の書類を提出してもらいましょう。

この場合、雇用契約書と同様、当該外国人の母国語で作成しておくことが重要です。また、身元保証書については、法律により、保証期間の制限等があるので、労働法令に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。

 

3 留学生インターンシップを活用する

外国人雇用を実施するかどうか迷っている企業は多いと思います。そのような場合は、厚生労働省が実施している留学生インターンシップを活用されることをお勧めします。

この制度を利用し、お試しに外国人留学生を受け入れてみると、実際に雇用した場合の業務処理能力や問題点を把握することができます。留学生の側でも就職の可能性がある企業での職務を体験できることから、ミスマッチを防ぐことができます。

なお、インターンシップ期間中における万一の事故(留学生の障害や受入先への損害の発生)に備え、国がインターンシップ保険料を負担してくれるほか、外国人雇用サービスセンターによる求人サービスなど、国の積極的な支援を受けられます。

 

4 雇用状況の届出を行う

外国人を雇い入れた企業は、雇い入れの事実があった月の翌月10日までに、ハローワークを通じて厚生労働大臣へ届出を行う義務があります。この報告を怠った場合、30万円以下の罰金が課せられるため、忘れないようにしましょう。なお、この届出は、正社員だけでなく、アルバイトや非正規社員でも必要です。

 

 

 

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