Q7. 生前贈与を行う場合で、少しでも節税したいのですが、どのようにすればよいですか?


A. 
暦年課税制度と相続時精算課税制度を比較し、自分に有利な方法を選択します。

 

暦年課税制度と相続時精算課税制度

●暦年課税制度とは
暦年(1月1日から12月31日までの1年間)毎にその年中に贈与された価額の合計に対して贈与税を課税する制度です。

●相続時精算課税制度とは
将来相続関係に入る親から子への贈与について、選択制により、贈与時に軽減された贈与税を納付し、相続時に相続税で精算する課税制度です。
両者はそれぞれメリット・デメリットがあります。

 

【暦年課税制度と相続時精算課税制度】

項目 暦年課税制度 相続時精算課税制度
贈与者 制限無し 65歳以上の親
受贈者 制限無し 20歳以上の子
選択の届出 不要 必要
控除 基礎控除(毎年)110万円 非課税枠:2500万円
(限度額まで複数回にわたり使用可)
税率 基礎控除を超えた部分に対して
10~50%の累進課税(下表参照)
非課税枠を超えた部分に対して一律20%の税率
適用手続 贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与税の申告書を提出し、納税します。 選択を開始した年の翌年3月15日までに、本制度を選択する旨の届出書及び申告書を提出し、納税します。
相続時精算 相続税とは切り離して計算します。
※相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算。
相続税の計算時に精算(合算)します。
※贈与財産は贈与時の時価で評価。

 

【贈与税(暦年課税制度)の税率表】

基礎控除後の課税金額 税率 控除額
200万円以下 10% なし。
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1000万円以下 40% 125万円

 

具体例

オーナー経営者である父から後継者である子に対して、3年間にわたって2400万円を贈与する場合を例にとって、暦年課税制度と相続時精算課税制度で行った場合とを比較してみます。(法定相続人は妻と後継者である子1人とします。)

 

贈与時 贈与価額 暦年課税制度 相続時精算課税制度
平成26年 800万円 (800万円-110万円)×40%-125万円=151万円 2500万円-800万円=1700万円(非課税枠の残)
平成27年 800万円 (800万円-110万円)×40%-125万円=151万円 1700万円-800万円=900万円(非課税枠の残)
平成28年 800万円 (800万円-110万円)×40%-125万円=151万円 900万円-800万円=100万円(非課税枠の残)

 

相続時 相続財産 上記贈与財産を含まないものとする。
平成30年
父死亡
7600万円 7600万円-(3000万円+600万円×2)=3400万円
3400万円×法定相続分(2分の1)=1700万円
(1700万円×15%-50万円)×2人=410万円
7600万円+(800万円+800万円+800万円)=1億円
1億円-(3000万円+600万円×2)=5800万円
5800万円×法定相続分(2分の1)=2900万円
(2900万円×15%-50万円)×2人=770万円
贈与から相続までに支払った税額 151万円+151万円+151万円+410万円=863万円 770万円

上記のとおり、この例では、相続時精算課税制度の法が93万円(863万円-770万円)税負担が軽くなります。

 

 

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