Q5. 経営承継円滑化法のくわしい内容はどのようなものですか?


A. 
経営承継円滑化法の遺留分の特例を定めるものであり、①遺留分算定の基礎財産から除外する「除外特例」、②遺留分算定の基礎財産に算入する際の価額を固定する「固定特例」があります。詳細は以下のとおりです。

 

特例の内容

経営承継円滑.jpg①除外特例について
この特例は、経営者が後継者に対して生前贈与した自社株式について、遺留分算定の基礎財産に算入しないというものです。これにより、遺留分減殺の対象から外れますので、相続によって自社株式が分散することを防止することができます。

②固定特例について
この特例は、経営者が後継者に対して生前贈与した自社株式について、遺留分算定の基礎財産に算入する価額を合意時点の価額とすることを、あらかじめ合意することができるというものです。 これにより、後継者は、将来の価値上昇による遺留分の増大を心配することなく経営に専念することが可能となります。 なお、合意する株式の価額は、その適正さを裏付けるために「合意の時における相当な価額」であることについて、弁護士、公認会計士若しくは税理士の証明が必要となっています。

 

特例が適用されるための要件

【対象となる会社】

中小企業であって、3年以上継続して事業を行っている非上場会社であること。

 

【先代経営者】

特例を受ける先代経営者は、会社の代表者(または過去の代表者)であること。 また、先代経営者の推定相続人のうち、少なくとも一人に対して会社の株式を贈与していなければなりませ ん。

 

【後継者】

後継者は、先代経営者の推定相続人であり、現在において、会社の代表者であること。 また、先代経営者からの贈与等により株式を取得して、会社の議決権の過半数を保有する必要があります。

 

【合意の必要条件】

以下の条件をクリアしていること。

①当事者(先代経営者の遺留分を有する推定相続人全員)の合意

②合意の対象となる株式を除くと、後継者が議決権の過半数を確保することができないこと

③以下の場合に非後継者がとることができる措置の定めがあること
・後継者が合意対象の株式等を処分した場合
・先代経営者生存中に後継者が代表者でなくなった場合

 

合意書の記載内容

経営承継円滑化法の特例を利用するためには、その合意について書面を作成することが必要です。

合意書の記載例についてはこちらをごらんください。

 

手続

この特例に係る合意が効力を生じるには、次の手続を踏む必要があります。

  • ・合意後、1か月以内に、経済産業大臣の確認を申請すること。
  • ・経済産業大臣の確認を受けてから1か月以内に、家庭裁判所の許可の申立てを行うこと。

民法特例のための合意書の作成やその後の手続については、法律的な専門知識が必要となりますので、事業承継に詳しい弁護士によく相談をしましょう。

 

 

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