夫婦が株式など有価証券を取得した場合、財産分与の対象となる?
財産分与の対象になります。
財産分与の対象となるのは、夫婦間における経済的な共同関係、すなわち結婚してから離婚するまで(別居するまで)の間に形成された財産です。
結婚している間に、夫婦が株式などの有価証券を取得した場合は、その財産価値がある限りはいずれの名義であるかを問わず財産分与の対象となります。
株式などの有価証券は、分与時の評価額を基準として価値を判断します。
財産価値があるかどうかを判断するためにも、株式の時価を調べる必要があります。
株式の時価を調べる
上場会社の株式
上場会社の株式については、経済新聞やインターネットなどで時価を調べることが可能です。
相手方が株式を持っているのかわからない場合には、相手方の通帳を見ると、取引履歴から株式を持っていることが判明することもあります。
または、定期的に証券会社等から郵便物が届いていることから判明することもあります。
非上場会社の株式等
問題となるのは、非上場会社の株式や医療法人等の出資です。
例えば、夫が会社を経営していて、その会社の株式のほとんどを保有しているという場合や、夫が医療法人の理事であり、出資している場合などです。
基本的には、これらの株式や出資持分も財産分与の対象財産と考えられますが、上場会社と違って時価が明らかになっているものではないため、そもそも財産価値があるのかどうか、あるとしてもその評価をどのようにするのかという点が難しくなります。
このような場合、評価額について当事者同士で合意ができない場合には、会社の会計帳簿等を調査し、複雑な方法で株式の価値を算定することになりますので、公認会計士などに依頼して時価を算出する必要があります。
評価額について調査するということになれば、調査の結果には従うことの合意をするなどしたうえで、調査を進めていくことになります。
財産分与の方法としては、例えば株式の場合には、以下の方法があります。
- ① 株式を分割する
- ② 売却する
- ③ 一方が取得して相手方に代償金を支払ったり、評価額に相当する他の対象財産を分与したりする。
投資として株式を保有している場合には①〜③の方法が考えられますが、相手方が会社を経営している場合の自社株等の場合には、①と②の方法はあまり現実的なものとは言えず、③の方法をとられることが多いと思います。
そのためにも、適切に評価額を算出する必要があります。
財産分与についての詳しい説明はこちらをご覧ください。
弁護士にご相談ください
財産分与は複雑になればなるほど、専門知識やノウハウが必要となります。
そのため、慎重に進めていくべきです。
相手方が株式を保有しているかわからないという場合や、相手方が非上場会社の株式を保有しているという場合など、財産分与でお困りの際には、まずは一度弁護士にご相談されてみてください。
離婚に注力している弁護士に相談すれば、相談者の方の状況に沿った、より的確なアドバイスを得ることができます。
当事務所では離婚事件チームに所属する弁護士が財産分与のご相談にも親身になって対応いたしております。
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